理研神戸事業所に2年前に建てたiPS研究棟が、電気設備学会賞振興部門賞を受賞することに決定!
ほらほら、iPS細胞実用化一番乗りを目指している研究者のいる建物ですよー。
http://www.riken.go.jp/research/labs/cdb/retin_regen/
小規模な研究棟だけど、これまでぼくが造ってきたバイオ系研究棟のノウハウをすべて注ぎ込んだ施設なので、受賞できて嬉しい。
審査員の受賞コメントに
「特に注目する技術は採用されていないが、既存の技術をうまく組み合わせ、
良質な研究施設に仕上がっている」
とあった。
いいねー!
ぼくの仕事のコンセプトは、新奇性より安定した技術、こなれた技術、枯れた技術をうまく組み合わせて、新しいものを創り出すってこと。
たくさん学んで、そこから必要な技術をチョイスし、上手い使い方をする。
そういうことも証明されたかなーって思って、とてもゴキゲンさ!
ぼくはいつもスタッフたちに言っている。
エンジニアは勉強家でなくてはならない
ってね。
確かに現代は「正解のない」世の中だよ。
でもね、それをまるごと鵜呑みにしちゃいけないよ。
ほとんどのことには正解があるんだ。
正解がある問題まで正解がないと思って、ゼロから取り組もうとするから、何時まで経っても仕事が終わらないんだ。
だって僕らは凡人なんだ。
なんでも自分ひとりで解決できるわけがないじゃないか。
ほとんどの問題は先人が苦労して解いてくれている。
だから、それを学び、真似をすればいい。
そうして楽をするんだよ。
全部のことをいっつもゼロから初めて、自分ひとりの力で解決しようとしたら、いくら時間があっても足りないし、疲れちゃうよ。
結果として、努力した割には成果が出ない。
成果が出ない努力ほど、人の心をむしばむものはないからね。
だから、学ぶ。
学んで真似をする。
そうすれば楽に解決できるんだ。
そうやって楽ができれば、余裕も生まれる。
余裕があれば、まだ誰も解いたことのない困難な問題にも取り組むことができる。
ほとんどのことで結果を出しているんだから、ちょっとくらい失敗してもいい。チャレンジングにもなれるってわけさ。
そしてそいつをうまく解決することができたなら、それが後輩たちへのプレゼントになる。
同様な問題は、同様に解けばいいからね。
後輩たちはこれまでより一つ多く、楽になれる。
それがまた余裕を生む。
後輩たちも、まだ誰も解いていない問題に挑んでいくことができるんだ。
これは子どもたちにも伝えたいことだ。
いくら「正解のない時代」だからって、小学生、中学生にきちんとした「正解のある」問題をやらせないのはいけません。
正解のない問題に対処するためには、正解のある問題を解く訓練を十分しなければだめなんだ。
世の中の問題のほとんどは、すでに先人が正解を、正解に至る筋道を見つけてくれている。
それを知らせないといけない。
仕事ができない、悩んでばかりいる人は、たいてい正解のある問題に悩んでいるだよね。
すなわち不勉強。
不勉強は損であることを教えるためにも、小中学校では基礎となる「正解のある」問題を徹底的に教えないといけないんだ。
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