2011年3月8日火曜日

OJTの正しいやり方

こんにちは

もうすぐ転勤する(と言いつつなかなかしないんですが^^;)ので、若い部下に帝王教育を施しています。
どうやるかというと、一つには「お手本を見せる」、もう一つには「放っておく」。
今、今年度内に完成する大規模研究棟工事の仕上げをしています。
完成検査などにも部下を連れて行きます。
ぼくのやることを見せるわけです。
その中で部下からの質問にも丁寧に答えますし、工事や設備の意味や、検査の視点なども具体的に話します。

こんなことは上司なら当然誰でもやっているこどでしょう。
でも教えるだけじゃ人は育たないんです。
突き放すことも大切。
教えたことを転用する機会も必要だし、分からないことを自分で調べたり、考えたりすることも必要。

だから、来年度造る小さい工事については、彼に完全にお任せしちゃってるんです。
何か質問、相談されても、「自分で調べなよ」と突き放している。
何を調べればいいか、誰に聞けばいいかなど、ヒントはぼくが手本を見せていることの中にちゃんと含まれているようにしているんです。
でも、直接的は教えないのです。

ある統計によると、社会人の職場外での平均学習時間は、1日たったの8分だそうです。
大人は意外と不勉強なのです。
平均は8分でも、おしなべて誰もが不勉強ってわけじゃない。
する人はするんです。
職場外でも自主的に勉強する人の平均学習時間は、なんと125分。
毎日2時間以上勉強するんですね。
つまり、勉強する人はたくさんする、しない人はちーっともしないんです。
それが積み重なって、仕事力の差になってくるんです。

する人は125分、しない人は0分として、する人としない人の割合を計算してみます。
全体を1として、する人の割合をaとすると、

 125*a+0*(1-a)=8、
  a=8/125=0.064.

なんと、社会人で勉強する人は6.4%しかいない計算です。
社会人として成功している人の割合は5%と言われています。
上の計算はこの事実とほぼ合致している。

人生の良し悪しは、要するに勉強するしないと大きく相関がある、とぼくは考えています。
100マス計算の生みの親、岸本裕史さんは、

  学年×10分間、自宅学習しなさい

と言っています。
小学校1年生なら10分間、2年生なら20分間、という具合です。
すると、6年生では60分間=1時間も勉強する習慣が付くことになります。
中学校に入学すると、小学校とは比べものにならないくらい授業のスピードが上がります。
6年生までに毎日家で1時間勉強する習慣が付いていれば、中学校に入学しても十分授業に付いていくことができます。
このくらい勉強する習慣が身に付くと、学校の勉強を理解することができるし、授業が楽しくなる。

そして中3で90分間=1時間半ものコンスタントな勉強習慣があれば、高校受験なんからくらくトップ高をねらえます。
さらに高3で120分です。
ほら、勉強し続ける社会人の勉強時間と同じになるでしょ。
社会人になっても成功できるだけの勉強習慣が身に付くんですよ。
まー、たいてい大学でだれちゃう子どもが多いんですが。。。
とはいえ、一流大学の理科系学部に進学すると、毎日2時間くらいは自分で勉強しないと講義や実験について行かれないのも事実なんですよ。

このことは社会人にとっても同じ。
勤務時間に流れてくる仕事をこなしているだけじゃ、仕事力は身に付きません。
仕事のとらえ方が表層的になってしまうからです。
仕事の裏にある原理や基礎を自分で勉強しなくちゃいけないんです。
そして少なくとも若いうちは、勤務時間外にも勉強しないとダメなんです。

小宮一慶『あたりまえのことをバカになってちゃんとやる』サンマーク出版¥1400-にもこうありました。

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ただの事務処理だけなら、オンザジョブトレーニング(OJT)をある程度やれば、誰でもできるようになります。
でも、目の前の仕事を本質まで掘り下げられるかどうかで、その道でプロになれるかどうかが決まります。(65p)

本質をオンザジョブで教えてもらえることはまずありえない。
OJTで上達するのはあくまで作業です。
だから、オンザジョブでは作業を学び、オフで本質を知るという、その組み合わせが大事です。(139p)
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OJT,勤務時間だけで覚えられるのは「作業」だけなんですね。
そんなの誰でもできるようになる。
それはルーチンワークにすぎなのです。
誰でもできるような仕事は、あまり価値がありません。
誰でもできるような仕事しかできない人は、あまり価値がありません。
価値のない人は、誰かと交換可能です。
会社の収益が悪くなれば、人件費の安い他の誰かと交換されてしまうのです。

若いうちだけじゃありません。
ベテランになろうと、偉くなろうと、学び続ける。
それが自分の価値を上げていく。
学び続けている人は、その人しかできない仕事ができるようになる。
それは、新たな仕事を生み出す能力です。
他の人とは交換ができないものを生み出す能力なんです。

同書にはこうもありました。

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もう少しがんばって、30時間、バカになって、ちゃんと勉強すれば、基本的な考え方の枠組みを身につけることができます。
つまり、これまでとはまったく別のものの見方やものさしを手に入れることができるのです。
そうすれば、人からも評価されるようになる。
何よりも自分自身、同じ仕事をやっていてもおもしろさが断然違ってくるのです。(67p)
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他の誰とも交換できない価値ある仕事ができれば、自尊心、自負心も生まれます。
仕事をしていてもその意味が分かるので面白くなります。
面白ければゴキゲンになれます。
ゴキゲンになればいい仕事もできるようになる。
だから学び続ける。
基礎基本を身につける。
仕事の裏にある原理を理解する。
そういう習慣を部下にも持ってもらいたいなーと思っているんです。

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