2011年6月21日火曜日

楽しい時が本当の自分


こんにちは

やりましたー。
ぶっちぎりのNo.1でしたー。
何ってスパコンですよ。
次世代スパコン「京速コンピュータ”京”」が世界一をGetしたんです!
http://www.top500.org/list/2011/06/100

ぼくはこのプロジェクトの最初の段階から参加させてもらっていました。
ぼくの担当は建物や電源、冷却設備など、コンピュータにとってのインフラです。
かれこれ5年ですからね。
ぼくの造ってきた設備類は、例によって完璧とは言えませんが、なんとか役割を果たしてくれました。
とっても嬉しいです。
これまで一緒にやってくれた設計、施工、運用スタッフのみなさんにも感謝ですね。

このプロジェクト、事業仕分けなんてこともあってすべてが順調とは言えませんでした。
大プロジェクトに関わると、身近な人達からもあれこれ言われますしね。
苦労がなかったとは言えません。
でも、そんなに大変でもなかったと思っています。
とにかく楽しかったんですよ。
わくわくの連続なんです。

森博嗣『自分探しと楽しさについて』集英社新書¥700-にこうありました。

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「楽しさ」を探す行為というのは、第1章で述べた「自分」を探す行為と、ほとんど同義であるように感じる。
おそらく、両者の違いは実質的にほとんどないと言っても良い。
というのも、誰でもが思い描くあるべき「自分」というのは、普通は「楽しい自分」なのである。
悲しいヒロインになりたい、といったやや屈折した願望は例外として、ほとんどの人は、楽しい状態を望んでいる。というよりも、そういう望ましい状態を「楽しい」というのだ。
「悲しいヒロイン」になりたいと願っている人にとっては、つまりそれが「楽しみ」なのである。(55p)
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そう、ぼくもスパコンプロジェクトとXFELプロジェクトを通して、自分は「エンジニアなんだ」とわかった気がするんです。
うまくやるために熱中する。
熱中するとうまくいく。
うまくいくとご機嫌になる。
ご機嫌になれば自分の腕が上がる。
腕が上がると自分が何に向いていたのかがわかる。
自然と、エンジニアの王道を歩いてこれたように思えるんです。
まあ、ちょっとおこがましいかな。
あはははは。

森さんの言うように、楽しいことをやっているのが自分、というのは正しいことだと思います。
若者が「自分探し」をしてしまうのは、楽しいことをしていないからなんですね。
楽しくないから、自分がここにいる理由がわからない。
どこか他の場所に自分のいるべき楽しい場所があるんだという幻想を持ってしまう。

でも楽しいことは待っていてもやってこないんですよ。
自分が動いてみないと、好きなことは見つからない。
森さんはこうも言います。

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一般的にいえる傾向として、自分に向かって近づいてくるものは、えてして楽しくないものが多い。
これに対して、自分が向かっていきたいものは、たいていは楽しいものである。(55p)
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スパコンプロジェクトに誘ってもらえたのも、ぼく自身が面白そうと思っていたからなんです。
プロジェクトが始まる前から、技術士会の見学会やら電気設備学会の見学会などで、地球シミュレータセンターやいろいろなデータセンタに通いつめた。
いろんなチャンスを見つけて、好奇心を発揮していたんです。
もちろん書籍も読んだりして、ここはこうするといい、こうしたほうがいい、みたいなことを勝手に考えていたんですよ。

はっきり言って、やるかどうかわからない仕事のために、年休使って見に行ったり、お金を払って本を買ったり、時間を使ってあれこれ考えたりするのは不合理です。
でも楽しんだから。

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楽しいものは、「やらなければならないもの」ではない。やってもやらなくても、どちらでも良いものだ。(56p)
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そうそう、楽しいことはやらなければならないものじゃないんです。
やってもやらなくともいい、でもやればたのしいこと、なんです。
いやいや、やれば楽しいことがやってくること、なんです。
楽しいことをやっていれば、能力が発揮されます。
能力があれば、お誘いも来ます。
誘われれば、そこに自分の居場所が見つかります。
自分の居場所がしっかりあれば、心も安定します。
ますます楽しくご機嫌になります。
ご機嫌なら体調もよくなり、健康に元気でいられます。
ご機嫌こそ、能力の源泉ですからねー。

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