こんにちは
今週はつくばで開催されている加速器学会に参加しています。
ぼくもXFEL=SACLAの電源電圧変動と冷却の温度安定性について、2本の報告をしました。
今回のぼくの報告は、実際にSACLAのユーティリティ施設を運転している方との共著にしたんです。
ひとつは、ぼく自身がその後のSACLAの様子を知りたいから。
ぼくはSACLAのインフラを造ってきましたが、インフラってその上に乗っているアプリケーションがしっかり動いてこそのものです。
いくらいい施設が造れたと言っても、加速器がちゃんと動き、レーザーが出ないことには、それを支えるインフラの価値もないわけです。
うまいこと6月にレーザーが発振できた。
それはインフラ施設が上出来だった証拠です。
大いにアピールしなくちゃね。
当然ながら、造った施設を適切に運転してくれている人がいるから、うまく動いてくれたわけです。
その人と一緒に論文にまとめ、発表する。
それによってぼく自身も、どこが良かったか、改善すべきところはどこだったかを学べる。
施設は造るだけじゃダメなんです。
使ってみての様子を知らなくちゃ。
それを次の設計や施工に活かすことができるからね。
おいしい、おいしい。
もう一つは、ユーティリティ施設を運転している方にも研究的な仕事をしてもらいたいからです。
でき上がった施設でトラブルがあることがあります。
何でこんな施設を造ったんだー!ってぼくも叱られることもあります。
でもよく調べてみると、いい加減な運転をしていることが原因だってことがほとんど。
施設についてよく理解せず、学ぼうともせず、思い込みで運転していてトラブルに至っているのです。
施設を安定運転するためには、やはりその施設についての深い理解がないといけないんです。
そのとき、学会発表しよう!という目標を立てる。
学会発表するからには、良い報告をしなくちゃいけません。
うまくいきませんでした、って発表もないわけじゃないけど、イレギュラーです。
学会発表をチャンスにして、これまでの運転方法を評価し、これからの課題も見つけられる。
論文を書く過程で、ぼくともディスカッションができ、設計意図と現実の運転との調整もできるわけです。
これはよりよい運転法を見つけていくことに繋がっていくのです。
おいしい、おいしい。
ぼくらの発表も、参加者の皆さんにもまずまず興味を持ってもらって、大満足です。
他のSACLA関係の講演でも、空調、冷却の安定がすごくうまくいっている、と聞けてニンマリでした。
書き上げた論文を、神戸iPS棟電気工事を手がけてくれた若い現場代理人にメールしました。
こんな返事をもらいましたよ。
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加速器学会というと、『電気設備学会誌vol.31 2011 No.7』に「X線自由電子レーザー施設 加速器棟の電気設備」(きんでん)の論文が掲載されていました。
施工等なにも関係ないのですが、Spring-8の名前と設備を頻繁に耳にしていたで、気になったので、今回の添付論文と両方の論文読ませていただきました。(非常に難しいです)
私も、いろいろな現場の体験をしたいとつくづく思いました。
また、社内で技術発表会が毎年あります。
今回理化学の件を発表させていただきました。
論文の書き方、発表の仕方と経験が大切と思い、今後も率先して、担当現場の全てにおいて発表していこうと思っています。
なんでも、経験と検討、実践後の検証が大切だと思います。
思うだけでなく、実践していこうと思います。
まずは、理化学現場での上記の実践はできましたので、今後も「業務多忙」にかまけず続けていきます。
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いいですねー。
社内の技術発表会で積極的に報告する。
確かにめんどくさい。
でもチャレンジしてみるんです。
その努力は必ず自分に帰ってきます。
そしてその努力が楽しさを生むんです。
よく若者が「自分探し」なんてのをしてますよね。
なかなか自分が何者なのかわからず、定職も持たずにフリーターをやり続ける。
中年という年令になってもフリーターだったりして。
それって、自分が楽しくない、ってことなんですよ。
人生を楽しんでいない自分は本物の自分じゃないって気がするんですね。
森博嗣『自分探しと楽しさについて』集英社新書¥700-にこうありました。
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「楽しさ」を探す行為というのは、第1章で述べた「自分」を探す行為と、ほとんど同義であるように感じる。
おそらく、両者の違いは実質的にほとんどないと言っても良い。
というのも、誰でもが思い描くあるべき「自分」というのは、普通は「楽しい自分」なのである。
悲しいヒロインになりたい、といったやや屈折した願望は例外として、ほとんどの人は、楽しい状態を望んでいる。というよりも、そういう望ましい状態を「楽しい」というのだ。
「悲しいヒロイン」になりたいと願っている人にとっては、つまりそれが「楽しみ」なのである。(55p)
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で、楽しい自分、本物の自分を見つけるにはどうしたらいいか。
待っていてもダメなんだよね。
どこかに自分がすっぽりハマる場所があると思って、それを探しても見つかるわけがない。
すっぽりハマる場所は、自分で掘らなくちゃならないんですよ。
まずは何かに挑戦する。
努力してみる。
その努力が気持ちいいかどうかだね、ポイントは。
努力が実って気持ちいいなら、それが「自分」なんですよ。
森さんはこうも言います。
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一般的にいえる傾向として、自分に向かって近づいてくるものは、えてして楽しくないものが多い。
これに対して、自分が向かっていきたいものは、たいていは楽しいものである。(55p)
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つまりつまり、やらされることは楽しくないんです。
当たり前ですね。
自分から向かっていきたいことこそ、楽しいことなんです。
だから積極的にやってみなくちゃ。
では、そういうものを見つけるにはどうしたらいいか。
森さんは言うんです。
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楽しいものは、「やらなければならないもの」ではない。やってもやらなくても、どちらでも良いものだ。(56p)
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やってもやらなくてもどちらでも良いもの。
それは誰もやろうとしないものなんだね。
やらなければならないもの、は、自分がやらなくても誰かがやらざるを得ない。
そういうのは楽しくないし、自分だけのものには成り得ない。
学会発表なんて、研究者として飯を食っているんじゃないぼくにとったら、やってもやらなくてもいいものに違いありません。
やってもやらなくてもどちらでも良いものこそ、自分しかできないものなんだ。
つまりは「人と違うことをやる」わけです。それを恐れない。
そういうことを少しでもやる。
そういうことをやるために、ちょっとずつでもいいから他の人より10%だけ努力してみる。
それをやり続ける。
それが楽しいこと、自分自身を見つける技術なんだと思うわけです。
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