2011年8月13日土曜日
記憶しているから思考も深くなる
こんにちは
はっちゃんの学校の宿題に「音読」があります。
国語の教科書を何回も何回も読む。
「音読カード」というのがあって、間違えずに読めたか、大きな声ではっきりと読めたか、など評価も記載していきます。
この音読カードには、暗唱できたか、という評価項目もあるんです。
これはスバラシイ。
教科書の文章をそのまままるごと暗唱してしまうことは、とてもいいことだと思います。
語彙、文型などのストックが頭の中に格納されるからです。
人間の脳は、メモリーベイスドアーキテクチャであることが、脳科学の研究で分かってきています。
記憶を基にした思考機構ってことです。
世界一のスパコンでも人間の脳に敵わない部分があります。
それは「直感」。
じっくりと考えなくても、答えがパッと思い浮かぶ。
とはいえ、直感はしばしば間違えます。
直感で得た答えが、じっくり検討してみたり、実験してみたりすると外れることがしばしば。
特に子どもや若者の直感はたいてい外れます。
それに対して、その道に通じた専門家は、その専門分野に関してだけかもしれませんが、直感はよく当たるんですよ。
なぜなら、直感を支える記憶=知識が十分あるからです。
子どもや若者の直感がアテにならないのは、基になる記憶=知識が不十分だからです。
佐々木常夫『働く君に贈る25の言葉』WAVE出版¥1400-にこうありました。
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私は、仕事に関する重要な数字はすべてメモしていました。
「担当事業のマーケットサイズ」「競争相手のシェア」「オイル価格」「ジニ係数」などなど。
そして、通勤電車の中や、ちょっとした”隙間時間”に何度も何度も読み返して暗記していったのです。
よく「ネットで調べれば分かる」という人がいますね?
しかし、それは「ネットで調べなければわからない」ということです。
それでは、数字を使うことはできません。
いや、考えることができないと言うべきでしょう。
数字を頭の中で”転がしている”うちに、「あれ?」「なぜだ?」と疑問が浮かんできます。
「原油価格が下がっているのに、なぜ、原油由来の原材料は高止まりなんだ?」とか「中国で○○商品の消費量が増えているのに、なぜ、当社の○○商品の売上が伸びないのか?」と考え始めるのです。
これは、数字を暗記しているからこそできることです。
「ネットで調べれば分かる」ではできません。
しかも、頭に入っていれば、いつでもどこでも考えることができます。
電車の中ででも、トイレの中でも、つまらない会議の最中でも・・・。
こんな便利なことはないですよ。(101p)
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再び言います。
人間の脳は「メモリーベイスドアーキテクチャ」なのです。
だから、記憶していないと思考できないのです。
もちろん、記憶するだけではいけません。
記憶したことを基にいろいろ考えてみる。
考えたことを現実と照らし合わせてみて、正誤を確認する。
間違えていたら、何が足りなくて間違えたのかを考える。
それはたいてい、基本的な知識が不足していたからだと分かるはずです。
そして不足していた知識を頭に入れ込む。
専門家はこういう訓練をずっと続けてきているのです。
だから直感が当たるようになるのです。
記憶している中から必要な事項を瞬時に選び取る能力が、直感力に他なりません。
小学生に限らず初学者は、まずは基礎的なことを記憶することが大切です。
だから、小中学校など低年齢の子ども生徒を教える学校ほど、きちんと基礎的な事項を記憶したかどうか試験されるのです。
そして、記憶したことは必ず役に立つのです。
暗記は役に立たない、と言う人は、記憶の役に立て方を知らないだけなんです。
記憶したことを基にあれこれ考えるという過程を経ていない人が、暗記ばかりさせるな、と言うのです。
ということは、その人は「思考力のない人」だということです。
暗記、記憶をバカにしてはいけないのです。
小学生なら教科書を何度も何度も繰り返し読み、その内容を自分の頭に記憶させることが大切なのです。
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