昨日も仕事の合間に若い技術者君たちに電験三種の勉強を教える。
夕方設備監視室に顔を出したら、若いスタッフから問題の解き方を質問されたのだ。
ぼくもシニアエンジニアのはしくれ、電験三種程度の問題なら、質問されてすぐ解説ができる。
もちろん、我が設備に絡めて説明する。
そうして、自分が動かしている設備を「見られる」ようにするのだ。
知識のない者は「あれども見えず」だからね。
電験三種に限らないが、登竜門的な資格試験は覚えることがやたら多い。
なぜなら、考えるためには覚えていないとダメだからだ。
基本的なことを記憶していないのに、考えることなんかできない。
だって、脳はメモリーベイスドアーキテクチャ(記憶を基にした構造)だからね。
この程度のことを覚えられないくせに、シニアエンジニアになりたいなんておこがましいぜ。
そう資格試験は言っているのだよ。
もちろん丸暗記だけの人も困る。
公式丸暗記では解けない問題が出題される。
公式など基本的な知識を覚えさせた上で、それを応用したり組み合わせたりしないと解けない問題なんだ。
そうやって、丸暗記だけのヤツを排除するんだね。
丸暗記にも限度がある。
いろいろたくさんある多くのものをすべて個別に丸暗記することはできない。
技術者として臨機応変な対応ができなくなってしまう。
だから、基礎的なことは覚えた上で、それを応用、組み合わせできるようにする。
そう自らを鍛えられる者だけが、シニアエンジニアへの門をくぐることができるのだ。
どんな技術者が欲しいのか、資格試験には思想が埋め込まれている。
考えるとは、基礎的知識を基にしてそれらを転用したり組み合わせたりすることなんだ。
転用したり組み合わせたりするときに必要な技能が「計算力」。
計算が素早く正確にできないといけない。
といっても中学校で習う計算程度だけどね。
計算は「論理」と言ってもいいね。
考えるためには、知識と論理の二つが必要なんだ。
学校で習うことはすべて、知識と論理、その二つだったんだよ。
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