2010年9月13日月曜日

授業がつまらない君へ

こんにちは

夏休みに姫路でやったサイエンスカフェ。
参加費500円でした。
最初ぼくは「え~、会費を取るのかー」と思ったんですよ。
無料でいいのにーって。
でも、ちゃんとお土産付だったんです。

10円玉と1円玉で電池を作って、LEDを光らせるという実験をやりました。
その時使ったLEDと蓑虫クリップ付リード線をお土産に持って帰ってもらったんです。
これがよかったです。
主催者の方の配慮に感謝!

カフェには、計算科学研究機構の同僚が中学生のお子さんを連れて参加してくれました。
お子さんのその後の様子をメールで教えてくれたんです。
お土産の効果がありました!

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先日、夏休みの自由研究で、ボルタ電池をあれこれと悩みながらやっておりました。
十一円で0.57Vの電位があり、直列につなぐのだから、10個つなぐと電圧は…あれ?1.60V???
1個で0.57V、2個で1.03V、3個で1.54V、4個で???なんで?
電池の作り方が悪いのか?
ろ紙に浸み込ませる食塩水の量が多くて並列になってしまっているのか?電池どおしの接触によるものなのか…悩んでおりました。

電池の作り方ではろ紙にしみこませる液の量、溶液の種類、濃度等々を変え、1個から15個まで直列につないだときの電圧、電流
を測定、負荷にはサイエンスカフェで頂いたLEDを使用して行っておりました。
まだ、まとめきってはいないようですので、出来上がりを楽しみに見ていようと思います。
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嬉しいですねー。
ぼくの授業を「きっかけ」にして、あれこれ始める。
学校の授業だってそうだと思うんですが、授業はきっかけにすぎないんですよね。
そのきっかけを受け取って、子ども自身があれこれと学び始める。
逆に言えば、子ども自身が自ら学び始めるきっかけを与えられるのが、いい授業だって思うのです。
ぼくはこう返信しました。

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いいですねー。
実験は「うまくいかない」のが当たり前。
上手くいかないからあれこれ考えることができる。
その中から素晴らしい発見が生まれる(こともある)。
理研のプロの研究者だってそうなんだ。

まとめ切らなくてもいいんです。
ここまで分かったけど、ここが分からない。
ここが不思議だ。
というレポートでいいんです。

そしてその不思議を抱えながら成長していく。
ずっと考え続けていくってことが大切。
それを解決したいという気持ちが、自分の道しるべになるんです。
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はっきり言ってぼくだって、ボルタ電池を積層しても電圧がなぜ比例しないのか、分かりませんよ。
質問されても困る。
だから自分で考え、調べなさい、なんです。
いや、ぼくでも少しは説明もできますよ。
でもそれじゃあ、つまらないじゃないですか。
説明を聞いて分かった気になってしまって、そこで疑問を終わらせるのはもったいない。
自分であれこれ考え続ける。
そして自分なりの解答、納得を得る。
それが勉強の醍醐味だからね。

教育の目的は、教えたことを修得させることではない、とぼくは思っています。
もちろん小学校4年生頃までは、教えたことを修得させることが第一の目標だと思います。
でもそれ以降の学年では、修得しなければならないことの割合は減って行くべきだと思います。
本当の、本物の教育とは、自らが自らを教育するようになること、だと思うのです。
ところが人は元来保守的ですから、何が自分が学ぶべきことなのかが分からないんですよ。
学校の、授業の目的は、自ら学ばなければならないことは何か、その「きっかけ」を与えるものなんです。
だから最終的には、自習、自学こそ学ぶための最高のあり方なんです。

中学、高校、そして大学の授業はそうじゃなくちゃいけないと思います。
教える方の意識もそうですが、教わる方、生徒、学生も、中学生くらいになったら意識を変えなくてはいけない。
先生の授業がつまらないから勉強しない、なんて言っていちゃいけない。
たぶん、それは勉強したくないことの言い訳にしか過ぎないんです。
つまらないなら授業を聞く必要なんかないんです。
自分で勝手に勉強を始める。
つまらない授業も、自らを自立させるための「きっかけ」にしてしまうんです。
それが正しい「つまらない授業への対処法」なんですよ。

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