2013年6月10日月曜日

漢字は大事

家にいられるときは,子どもたちに勉強を教えます。
と言っても,小3のはっちゃんは朝30分、夕方30分、合計60分。
小1のとんたんは朝10分、夕方10分、合計20分です。
岸本裕史先生の教え通り、学年×20分だけ。
長時間だらだらやるより、短時間集中して勉強した方が,実質的に効果が上がりますからね。
 
勉強する内容は,宿題と読み書き計算の先取り学習です。
宿題は義務。
義務的なことは「やっつける」に限ります。
完璧を目指さず、短時間に合格ラインまで達する。
これが義務的仕事をこなす極意。
 
義務的なことをさっさと終わらせ、発展的な自分しかできないことをやる時間を生み出す。
これが個性を育てるわけですから。
義務的なことしかやらない人に、個性なんか生まれませんよ。
同様に、好きなことだけやりたがり、義務的なことを避ける人も,個性的にはなり得ません。
なぜなら、そういう人は妨害されるから。
義務的なことをこなし、それが合格ラインであれば、好きなことをやっても誰からも文句は言われませんし、言わせません。
 
なので、宿題は時間を区切ってやらせます。
だって宿題は基本的に「復習」です。
初めて習うわけじゃないので、考えたりする必要はない。
素早く、手際よくやる方が実になるのです。
たとえば、漢字練習ノート1ページだったら、「5分間でやりなさい」。
日記も「10分でやっつけちゃいなさい」です。
 
そうやってゆっくり取り組める時間を確保してから、先取り学習です。
予習は初めて学ぶことですから、短時間でこなすには無理があります。
脳に新しい回路を作るのに時間がかかるからです。
だから1回で理解しきれなくてもいいんです。
理解できなかったら,また今度もう一度やる。
予習ですから理解できなくてもまるで恥ずかしくありませんよ。
「これは5年生で習う算数だから、3年生のはっちゃんがすぐ分からなくても仕方がないよ。だんだん分かるようになるから,また今度やってみよう」と言えばいい。
もちろんすぐ理解できちゃったら「おお、さすが!5年生で習うことを小3なのにできちゃったよ!」と言ってあげればいい。
これは自信になります。
子どもを勉強好きにして、勉強に自信を持たせるには、予習、先取り学習は欠かせないのです。
 
週末にはっちゃんとやっている先取り勉強のひとつは、漢字検定8級(小3レベル)に向けての勉強。
今年度初めての検定試験が7月に実施されますから、そこでの合格を目指しています。
8級に合格したら、3年生の間に7級(小4レベル)まで合格できるように,先に進めます。
この調子で小4が終わるまでに5級(小6レベル)までの漢検に合格しちゃおうと思っています。
何,それほど大変でもありません。
教育漢字の学年配当は200文字です。
1日2文字ずつ勉強すれば3ヶ月で一通りこなせます。
一通りこなしたあとは、漢字検定のテキスト、過去問集で復習を3ヶ月。
そして受検。
単純記憶に適した年代の子どもにとって、このくらいの負荷は何でもありませんし、むしろこのくらい負荷をかけてやった方がいいんです。
 
幸い、漢字検定ははっちゃんの通う学校では学校ぐるみで取り組んでいます。
年3回、学校で受検できる。
健常児学級の生徒はほぼ全員5級(小6レベル)まで合格して,卒業していきます。
中には2級にまで到達する子どももいます。女子だろうと思いますが。
学校の授業や宿題でも漢検対応をしてくださいます。
周りの子もがんばっていれば、自分もがんばる気になりますよね。
学校の,学級のそういう雰囲気も大事です。
その中で、トップとまでは行かなくても、1学年か2学年先のレベルまで合格してしまう。
それが自信を生むのだと思います。
子どものうちは(大人も同じでしょうが)、自分はできるんだ、と錯覚する子が本当にできるようになるんです。
 
小4レベルの漢字の読み書きは非常に重要です。
小4レベルの漢字が読めれば、ほぼ新聞を読むことができますし、児童書だけでなく新書など大人の読む本も読むことができるようになります。
読書は新たな知識を幅広く身につけるために重要な技能です。
けれども小4程度の漢字の読み、それに付随する語彙力がないために、本が読めず、読んでも面白くないため読書を避けるようになる人ってすごく多いんですよ。
それに読書はとてもよい暇つぶしなんですが、読書が嫌いな人の暇つぶしはパチンコかゲームになってしまいます。
無駄なお金も使っちゃいますね。
パチンコ、ゲームも時にはやっていいものだと思いますが、人生のかなりの時間をそれにつぎ込むのはもったいない。
 
小4レベルの漢字が書け、それに付随する語彙(小4レベルだとかなりの抽象語が含まれます)が身についていれば、恥ずかしくない程度のビジネス文書が書けます。
ビジネス文書とは,他人に情報を伝えるための文書です。
これが書けない大人も多いんですよ、残念なことに。
書けない原因の多くは、小4レベルの漢字力と語彙力だったりします。
ビジネス文書が書ければ、役所への届出文書も書けますし、許認可申請だって自分でできちゃいます。
さすがに小4レベルまでの漢字力、語彙力ではちょいと恥ずかしいかもしれませんが、このレベルまで到達している人は辞書を活用できるようになっています。
辞書を引きながら、意味を把握したり、適当な言葉を見つけたりして、仕事を貫徹することができるのです。
 
はっちゃんの漢字の勉強に使っている教材は,以下の通り。
 
『下村式となえて書く漢字ドリル 漢字練習ノート』偕成社。
書きの練習だけでなく、読みの練習、すなわち語彙を増やす練習もあっていいです。
漢検9級に合格した昨年11月から、この練習帳で毎朝2文字ずつ練習させました。
朝起きて登校する前にやる。10分ほどでできます。
朝ちょっとでも勉強すると、脳の目覚めもよくなります。
小3で習う漢字は200文字ですから、毎日2文字こなしていけば3ヶ月ほどで終えられます。
 
でもこれだけでは、まるで定着しません。
繰り返し復習が必要です。
繰り返し復習のために『漢検漢字学習ステップ』ワイド版を利用します。
1ステップ4ページ、読みが2ページ、書きが2ページと、ほどよい分量。
これがステップ34まであります。
ワイド版なので、直接書き込めます(通常版は小学生が直接書き込むには版が小さすぎます)。
毎朝1ステップずつ練習する。
10分ではきついですが、15分もあれば終わります。
漢検のテキストは、前の学年の漢字もほどよく組み込まれていますので、繰り返し頻度が高く、漢字を多面的に記憶するのによく作られています。
これも毎日コツコツやっていけば、1ヶ月ちょいで完了。
 
そして今、『漢検過去問題集』に取り組んでいます。
過去問12回分が収録されているものです。
1回分が6ページ。毎日2ページずつやれば、これも1ヶ月ちょっとで終わらせられます。
 
最後に2週間ほど,過去問集をもう一度おさらいして検定試験に臨む予定です。
このくらいやれば100点は無理だとしても90点くらいで合格することができるでしょう。
まあ、100点に越したことはありませんが、100点病(100点じゃなきゃ価値がないと思い込む)にかかる子もいますから、100点じゃない方がいいくらいです。
100点取るのに1年かけるなら、90点で半年の方が有利ですからね。
それがエンジニア的思考法。

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