2010年8月25日水曜日

使えないものを後生大事にとっておくな


こんにちは

昨日はぼくの尊敬する野口芳宏さんの講演を聴きに土浦まで行ってきました。
友人の宮内さんの主催する会です。
お題は、国語授業と道徳教育。教師向けの講演会ですね。
野口さんはぼくの父と同じ昭和11年生まれですから、73才でしょうか。
初めてお会いした30年前と変わらず、張りのある声での講演でした。
何才になっても人から求められる人生っていいですね。

講演自体も大変楽しみましたが、野口さんの行動にシビレてしまったのでレポートしますね。
すごいなーって思ったこと。
ぼくはこういうささやかな行為にしびれちゃうんですよ。

会場にはホワイトボードが備え付けられていました。
ホワイトボードには水性ペンを使って書きますよね。
インクがなくなっていて書けないペンがあって、取り替えてもまた書けないペンで、いらいらしたことがあるでしょう。
何で書けないペンなのに置いてあるのよ!って。

昨日の会場にも書けないペンが置いてあったんですね。
キャップを外してホワイトボードに書こうとしても、薄くて書けない。
そういうとき、みなさんならどうしますか。
たぶん、またキャップをはめてそこに置く、それから違うペンを取るんじゃないかな。

ところが野口さんは、書けないペンはキャップを外したままにしたんです。
これはびっくりしました。
そして感心しました。うなってしまいました。
キャップを外しっぱなしにすることによって、使えないペンであることが明白になるからです。
またキャップをしてしまうと、使えるのか使えないのか分からなくなってしまう。
自分でもまたその使えないペンを使おうとしてしまったりね。
とてもイライラしますし、不合理です。

でも、キャップを外しっぱなしにすると「誰だ、キャップを外しっぱなしにしたのは!」と叱られてしまうこともあるかもしれません。
使えないペンなのに、そう叱られるのが嫌でまたキャップをしてしまうっていう人も多いかも。
そうして使えないペンはいつまでもそこに存在し続け、人々をイライラさせ続けてしまうんです。

でも野口さんは、そういう汚名を着せられてもかまわない、それよりも使えないペンを後生大事に取っておいてみんなに迷惑をかけるのはよくないことだ、という心持ちなんでしょうね。
だから堂々と使えないものは使えないとして、キャップを外しっぱなしにする。
素晴らしいと思います。
ぼくも真似しよっと!


講演が終わったあとぼくは「みんなで集合写真を撮りましょう!」って呼びかけました。
野口さんのお話を聞くために、夏休みの暑い中一日かけて集まった仲間です。
その思い出を写真に残すのも楽しいことだと思います。
それに写真をフック(鉤)にして、写真を見る度に当日野口さんから聞いた話を思い出す、って効用もあるからね。

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