こんにちは
今年秋のスパコンの世界ランキング、top500が発表されました。
http://www.top500.org/list/2010/11/100
世界一は中国マシンでした。
世界一は中国マシンでした。
3位も中国マシンですから、中国は大躍進ですね。
4位に日本の東工大ツバメ2が入ったのは嬉しいですね。
以後、ずーっと日本のマシンはなくて、33位にようやく原子力機構のマシンがランクイン。
もう少しランキングを見ていくと、我が理研の「京」も170位にランクイン。
初登場で170位はすごいでしょ。
しかも計算機たったの数台での成果なんです。
それで48テラフロップス!
かつて世界一だった地球シミュレータの性能を上回っています。
最終的には800台以上の計算機が設置、接続されます。 きっと世界一間違いなし!
数年前、教員仲間と子ども向けの理科の本を出版しました。
玉井裕和・宮内主斗編『役立つ理科こばなし 1.ものの世界の探検』星の環会\1260-という本です。
読者対象は小学校高学年。
小学5,6年生にもなると、思考力は大人と同じくらいある(足りないのは知識だけ)とぼくは思っているので、遠慮せずに高度なことを書きました。
一つのテーマで10ページありますから、かなりつっこんだ解説が書けました。
ぼくの原稿では、我が職場理化学研究所で発見(合成)された113番元素の話なども盛り込みました。
また世界のトップを走る光学望遠鏡「すばる」についても書きました。
もちろん表現や漢字の使い方は配慮してあります。
理科好きの男の子って、国語はからきしだったりするから(ぼくもそうでした^^;)。
すばる望遠鏡の稿では、大口径の反射鏡を支える「能動光学系」についても触れました。
直径8mもあるすばるの主鏡の厚さは、たったの20cmしかありません。
薄っぺらいんです。
だからそのままでは重力によってゆがんでしまって、使い物にならない。
それを解決するのが「能動光学」。
ゆがんだら、鏡の後ろについている何本ものアクチュエーターという機械の腕で、押したり引いたりしてゆがみを直してしまう。
その制御装置を開発したのが三菱電機という日本のメーカー。
その技術はすごいものです。
望遠鏡を動かす度に鏡のゆがみ方が変わりますが、あっという間に直してしまう。
そしてどっちの方向に向けたらどれだけゆがむかを記憶して、同じ方向に望遠鏡が向いたらそのデータを元にささっとゆがみを直す。
だからすぐ観測に入れるってわけです。
原稿では触れられませんでしたが、すばるの追尾装置も高精度です。
地球の自転によって、星の位置はどんどん変わっていってしまいます。
遠くの暗い星や星雲を観測するには、長時間カメラで露光しなければなりません。
すばるの追尾装置は、星が動いてもぴたっと着いていきます。
別に日に同じ星を観測するときも、自動的にその星の位置まで望遠鏡の先を向けることができるのです。
この追尾装置も三菱電機が開発したものです。
ぼくは原稿の中に「三菱電機」という社名を書きました。
それに対して編集者から<<「三菱電機という」固有名詞を省いた方がよいのではないかと思います>>というコメントが入りました。
それに対してぼくは具体的な会社名を書いた理由を以下のように述べました。
具体的なメーカー名があった方が、子どもの興味を惹くと考えました。
TVコマーシャルなどで社名を聞く度に、「あ、すばる望遠鏡のアクチュエーターを開発した会社だ」と思う。
その度に「日本の技術ってすごいんだよな」って子ども達に思って欲しいと願っているのです。
具体的なメーカー名がないと、この話はこの本の中で完結しちゃうと思うのです。
広がりが少ない。
編集者の方も理解してくださり、そのまま本に印刷されました。
別にすごいのは三菱電機だからじゃなくて、他にも世界のトップレベルの技術力を持つメーカーは日本にたくさんあります。
ただ、名前が知れていて、テレビなどでよく目にするメーカーとして三菱電機を取り上げたに過ぎません。
ぼくの意図が、うまく子ども達に伝わると嬉しいですね。
ちょっと心配なのは日本の中に工場がどんどんなくなっていること。
つまり、ものを作る現場がなくなっている。
たとえば、すばる望遠鏡の架台を日本で製作して仮組みして試験したのは、大阪の日立造船の工場でした。
元々はでっかい船を造るための工場でしたが、船を造ることはほとんどなくなっていて工場は空いていたので、すばる望遠鏡を組み立てることができたのです。
でもその工場は今、ユニバーサルスタジオジャパンに変わっちゃっています。
ものを作る場所と技術は、対のものです。
ものを作る場がなくなることは、すなわち技術もなくなることを意味します。
数年前、教員仲間と子ども向けの理科の本を出版しました。
玉井裕和・宮内主斗編『役立つ理科こばなし 1.ものの世界の探検』星の環会\1260-という本です。
読者対象は小学校高学年。
小学5,6年生にもなると、思考力は大人と同じくらいある(足りないのは知識だけ)とぼくは思っているので、遠慮せずに高度なことを書きました。
一つのテーマで10ページありますから、かなりつっこんだ解説が書けました。
ぼくの原稿では、我が職場理化学研究所で発見(合成)された113番元素の話なども盛り込みました。
また世界のトップを走る光学望遠鏡「すばる」についても書きました。
もちろん表現や漢字の使い方は配慮してあります。
理科好きの男の子って、国語はからきしだったりするから(ぼくもそうでした^^;)。
すばる望遠鏡の稿では、大口径の反射鏡を支える「能動光学系」についても触れました。
直径8mもあるすばるの主鏡の厚さは、たったの20cmしかありません。
薄っぺらいんです。
だからそのままでは重力によってゆがんでしまって、使い物にならない。
それを解決するのが「能動光学」。
ゆがんだら、鏡の後ろについている何本ものアクチュエーターという機械の腕で、押したり引いたりしてゆがみを直してしまう。
その制御装置を開発したのが三菱電機という日本のメーカー。
その技術はすごいものです。
望遠鏡を動かす度に鏡のゆがみ方が変わりますが、あっという間に直してしまう。
そしてどっちの方向に向けたらどれだけゆがむかを記憶して、同じ方向に望遠鏡が向いたらそのデータを元にささっとゆがみを直す。
だからすぐ観測に入れるってわけです。
原稿では触れられませんでしたが、すばるの追尾装置も高精度です。
地球の自転によって、星の位置はどんどん変わっていってしまいます。
遠くの暗い星や星雲を観測するには、長時間カメラで露光しなければなりません。
すばるの追尾装置は、星が動いてもぴたっと着いていきます。
別に日に同じ星を観測するときも、自動的にその星の位置まで望遠鏡の先を向けることができるのです。
この追尾装置も三菱電機が開発したものです。
ぼくは原稿の中に「三菱電機」という社名を書きました。
それに対して編集者から<<「三菱電機という」固有名詞を省いた方がよいのではないかと思います>>というコメントが入りました。
それに対してぼくは具体的な会社名を書いた理由を以下のように述べました。
具体的なメーカー名があった方が、子どもの興味を惹くと考えました。
TVコマーシャルなどで社名を聞く度に、「あ、すばる望遠鏡のアクチュエーターを開発した会社だ」と思う。
その度に「日本の技術ってすごいんだよな」って子ども達に思って欲しいと願っているのです。
具体的なメーカー名がないと、この話はこの本の中で完結しちゃうと思うのです。
広がりが少ない。
編集者の方も理解してくださり、そのまま本に印刷されました。
別にすごいのは三菱電機だからじゃなくて、他にも世界のトップレベルの技術力を持つメーカーは日本にたくさんあります。
ただ、名前が知れていて、テレビなどでよく目にするメーカーとして三菱電機を取り上げたに過ぎません。
ぼくの意図が、うまく子ども達に伝わると嬉しいですね。
ちょっと心配なのは日本の中に工場がどんどんなくなっていること。
つまり、ものを作る現場がなくなっている。
たとえば、すばる望遠鏡の架台を日本で製作して仮組みして試験したのは、大阪の日立造船の工場でした。
元々はでっかい船を造るための工場でしたが、船を造ることはほとんどなくなっていて工場は空いていたので、すばる望遠鏡を組み立てることができたのです。
でもその工場は今、ユニバーサルスタジオジャパンに変わっちゃっています。
ものを作る場所と技術は、対のものです。
ものを作る場がなくなることは、すなわち技術もなくなることを意味します。
スパコンもそうですね。
「京」の心臓部、CPUは富士通独自につくったものです。
このCPUが完成してから1年半経ちましたが、未だ消費電力あたりの計算性能では世界一です。
こういうすごいものを作る技術が日本にはあるんです。
それを無くしちゃいけませんよ。
この本を読んだ子ども達が大人になる頃にも、まだ日本の技術は世界のトップを走っていることを願っています。
そしてこの本を読んだ子どものうち何人かが大人になって、夢や希望を持って技術者や科学者になってくれ、日本の科学技術を発展させてくれることを願っています。
子どもたちが成長するまで、日本の科学技術を維持、発展させていくために、ぼくも貢献していきたいと思っています。
目指せ、世界一!!
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