2010年11月27日土曜日

パートナーでありたい

こんにちは

よくいますよね、業者さんに対して合理的理由もなく値切ったり、たいした欠点でもないのにねちねちと大げさに文句を言う人。
それってかなり格好悪いんですけど。

もちろん、ふっかけた見積だったり、市場価格からみて不適当だったりすれば、値切るのは当然です。
値切ると言うより、適正な落としどころを探る、ということでしょうか。
でもそうじゃなくて、自分の権力を誇示したいがために、無理な値切り方をする人もいるんですよね。

欠点だってそうです。
いくら適切に品質管理された工場製品でも、時には不良品もあるのは必然です。
不良品を0にするような検査をしてしまうと、製品価格がとても高額になってしまうわけです。
不良品率と価格をバランスさせているのが、今の工業製品なんです。
不良品がある程度混入することを織り込んであるものなのです。
要するに「歩留まり」ですね。
だから不良品だった場合、適切に直したり、迅速に交換してくれればそれで済むはずなんです。
それをネチネチとやっても、それは権力誇示以外のなにものでもありません。

だいたいこういうねちねちおじさんって、自分の会社の中ではあまり評価されていないんです。
男には「権力欲一定の法則」が働いていて、どこかで自分の権力をふるいたいと思っているんですね。
社内的に認められていて、権力欲がある程度でも満たされていれば、業者さんにも優しくなれるはずです。
そうじゃないから、弱い立場の人に対して権力欲を満たそうとするわけです。
ドメスティックバイオレンスに陥るおじさんも、たいてい社会的に認められておらず、そのはけ口として家庭内での弱者である妻や子どもに暴力を向けることは、精神医学的にも証明されていることなんです(え?妻は弱者じゃないって??あはははは)。
ぼくはそういう中年オヤジになるのは嫌です。
だから、自分の腕を磨き、適度に出世し、活躍の場を確保し、社内的にも人望を築けるよう努力もしているわけです。

松永真理『iモード以前』岩波書店\1400-から引用します。

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社内で編集が何であるかを教えてもらったことはなく、外部の方たちこそが編集の師匠であった。
後に私がドコモに転職した時、外部スタッフに対して「発注」という言葉を使うのがずっと馴染めずにいた。
仕事を知らない新人までが頼んであげてるんだと、スタッフを業者扱いする。
相手より自分が一段高いと思うつまらないプライドが、仕事をつまらなくする元凶だと感じていた。
「発注」ではなく「依頼」、「業者」ではなく「パートナー」である。(59p)
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あー、ぼくも同じですよ、松永さん!
ぼくも今の職場に入った15年前、具体的な仕事を教えてもらったのは、ぼくが初めて手がけた研究棟の現場代理人だった方からなんです。
ほぼ無経験で始めた仕事でしたが、この方に基礎から教えてもらえたので非常に助かった。
その時からぼくも、発注者と業者という上下関係ではなく、一緒にいい仕事をしていくパートナーだと思っているのです。

松永さんはこう言います。

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人は、他人から認められると嬉しい。
人は、やったことがカタチになると嬉しい。
人は、自分なりの工夫を凝らせると嬉しい。
人は、自分の意見が受け容れられると嬉しい。
人は、生きている実感を感じられると嬉しい。
人は、新しいことを知ることができたら嬉しい。
人は、時間がたつのを忘れて没頭できると嬉しい。(151p)
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人は仕事をして嬉しいとき、いい仕事ができるんだと。
それにはパートナーが必要です。
出会った途端にパートナーになるなんてことはありません。
お互いに徐々にでも信頼(クレジットレベル)を高めていって初めてパートナーになれるわけです。
だからいたずらに不信感を強めるようなことはしてはいけない。

もちろん、発注者側と受注者側という立場に対する節度は必要ですよ。
馴れ合うのではなく、不当なことには正々堂々と不当だと言い切れることも大事。
ハッキリ言える関係もパートナー足りうる条件じゃないでしょうか。

お互いパートナーとして認め、パートナーとして認められる。
つまりお互い尊敬し合う関係。
そういった関係を築いていければ、仕事は楽しくなりいい仕事ができるようになるんだと思っています。

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