2012年7月9日月曜日

なぜ火力発電所を止めるのか

こんにちは

関西電力大飯原子力が稼働するのに伴い、火力発電所を停止する報道がありました。
http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20120707-OYO1T00340.htm?from=main1

これを読んで、「ほら、やっぱり電気は余ってるんじゃないか」という人がいました。反原発の人たちにたくさんいた。
それは早計というものですよ。

確かに「今の時点」では余ることになります。
電気はためておくことができませんから、常に需要電力=発電電力に調整しているのです。

電力会社の本社には「給電指令所」という場所があって、24時間体制で電力需要を監視しています。
それによって、火力の出力調整をしたり、停止させたり、起動させたり。
電力需要がピークになる時間帯には、水力発電所の放水を開始させたりしている。
そういう調整を不眠不休で逐次やっているので、電気は安定に供給されているんです。

で、今の梅雨時のそれほど暑くない気候では、まだまだ需要電力もそれほどでもありませんから、大飯原子力が加わった分、火力を止めなくちゃならないんです。
そうしないと安定供給できないからね。
もし仮に発電電力>需要電力になってしまうと、電圧が上がり,周波数が上がってしまいます。
そういう電気がぼくらの家に届くと、電気機器の動作が不安定になったり,故障の原因にもなってしまう。

そして止める火力は,古くて効率も悪く燃料代も高い石油炊きの火力。
これら火力発電所は、これから真夏に向けて気温が上昇し、需要電力が増えたときのためにスタンバイさせておくわけです。
ですから、決して余っているから火力を止めたわけではないのです。
火力発電所は起動、停止も数時間でできますし、出力調整もしやすい。

古くて効率も低く,燃料代も高い石油炊き火力は、電力需要がピークの時間帯だけ短時間動かす方が有利なんです。

こういうことを書くと、「お前は原発推進派か?!」と言われるかも。
ちなみにぼくは原発推進派ではありません。
どっちかというと、「卒原発派」かな。
反対するにせよ,賛成するにせよ、ものの道理ははっきりさせておく方がいい。
そういうことです。

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