2010年6月30日水曜日

天ぷらの高級店が美味いわけ

こんにちは

今日はボーナス支給日です。
家族でちょっと高級は天ぷら屋さんに行こうかなー。
やっぱり違いますからね、高級店は。
美味さが違います!

で、美味さのひみつは何なのか。
ネタも新鮮でいいものですが、結局は<油のよさ>です。
やっぱり揚げ油が新鮮でいいのだと。
一流のお店は、1日で揚げ油を交換してしまうのだそうです。
贅沢です。

でも毎日揚げ油を交換するというのは大変です。
お金もかかるでしょうし、廃棄するのも大変そうです。
我が家が行くお店は高級店ではありますが、値段はビックリするほど高くもありません。
毎日揚げ油を交換して廃棄しているとしたら、とてもこの値段ではできないように思います。
どうやっているのでしょうか。

実は、揚げ油には下取り市場が存在します。
高級店で使い終わった揚げ油は、二流の天ぷら屋さんに引き取られて行きます。
さらにそこで使った揚げ油は、トンカツ屋さんへと。
さらにさらにトンカツ屋さんから洋食屋さんへと。
こうした中古市場があるから、高級な天ぷら屋では値段をそれほど高くしなくても、毎日新鮮な揚げ油を使うことができるというわけです。
逆に安い天ぷら屋といえば「てんや」というチェーン店があります。
天丼が500円くらいで食べられ、まあまあ美味い。
美味いということは、揚げ油もまあまあのものを使っているということです。
はたして儲かっているんでしょうか。

てんやのHPにあるIR情報を見ると、それほど利益は出していない、赤字気味のようです。
それでも倒産しないのはなぜか。
同じくIR情報で株主を調べてみたら、天やの大株主は製油会社と商社でした。
きっと株主が揚げ油を直接供給してくれたり、揚げ油のリサイクルルートを常時確保してあったり、揚げ油の需給調整に天やを利用したりして、全体としての採算を取っているのではないでしょうか。
牛丼チェーンはたくさんありますが、天丼チェーンは天やだけ。
儲からなければ当然参入しないでしょうし、システムとしての揚げ油の供給ができないから他社が天丼業界に参入できないのでしょうね。

天ぷら以外の分野でも、中古市場があるかどうかは購買意欲に影響を与えますね。
ベンツなどの外国車は、中古になってもそんなに値段が下がりません。
だからちょっと高くても、ローンを組んででも買ってしまえる。
いざとなったら売ればいいや、という気になるからでしょう。
同じくブランド品のバッグやアクセサリーも同じです。
中古でも高額で引き取ってくれる「コメ兵」のようなお店がある。
だから高級なブランド品も気楽に買ってしまえるのでしょうね。
ちょっと身の程知らずで、外車に乗ったり、ブランド品を身に着けたりしている人もいます。
それは中古市場があるという、経済合理性もあるからなんですね。


揚げ油の下取り市場については、藤巻健史/成毛眞/松本大『トーキョー金融道』日経BP\1400-の89pに書いてありました。
ニューヨークには揚げ油の下取り市場がないので、美味しい天ぷらを食べることができないんだそうです。

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