2011年4月24日日曜日
専門バカになろう!
こんにちは
昨日は科学技術館でサイエンスカフェをやりました。
あいにくの雨模様の天気でしたがたくさんの方に来ていただきました。
ちょっとお子さんが少なかったので、いつもより盛り上がりに欠けちゃいましたがー。
ま、それも雨のせいにしておこうっと。
あはははは。
参加者の中に和光脳センター新棟の電気工事を担当してくれた技術者の方がいました。
お子さんを連れて。
嬉しいですねー。
たいがいのサイエンスカフェは研究者の方が講師になることが多い。
だから研究内容の話が多いわけです。
でもぼくは技術者ですから、エンジニアとしての話をするようにしています。
研究者に負けず劣らず技術者も楽しい仕事だってことも、子どもたちに伝えたいわけです。
昨日の話の中でも、「あ、ここにも技術者の方がいらっしゃいました。お父さんが和光脳センターの建物を造ってくれたんですよ。センター長でノーベル賞を受賞した利根川先生にも、MITよりよくできているって褒められたんですよ」なんて紹介しました。
お子さん、ちょっとお父さんを見直したでしょうかねー。
その脳センター新棟を設計してくれた若い(そろそろ嫁もらえ)エンジニア君からこんなメールをもらいましたよ。
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脳科学総合研究センター実験動物飼育解析研究棟(脳神経回路棟)の設計・現場で大変お世話になりました。
今日無事に竣工を迎える事ができ大変うれしく思っており、これも関口さんの指導があってのものだと思っています。
設計も含め丸2年間大変勉強になりました。入社以来かかわった物件の中で、間違いなく一番思い出深く、電気設備設計技術者として一番勉強になった現場となりました。
特に設計・現場の考え方で電気設備の根本(一つ一つ)に今回ほど追及した話を教えていただいたことは初めてでした。
印象に残っている話では下記のようなものがありますが
・直流電源の整流器の容量
・太陽光のパワコンとインバータの違い
・マニュアルの大切さ
思い出せば他にも色々ありますが本当に厳しく楽しい現場でした。
今後はこの経験を生かして、他の設計・現場にいかして生きたいと思っています。
自分の価値を高めるものとして、資格についても関口さんの話を聞いて少しずつ勉強していきたいと思っています。
関口さんのメールも返信等はしていなかったですが、毎回本当に楽しく読まして頂いております。
今後ともお願いします。
本当に大変お世話になりました。今後とも仕事で一緒になる事もあることを祈っています。
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嬉しいですねー。
「厳しく楽しい現場」っていうのがいいね。
ぼくの理想です。
ぼくはマニュアル主義ですから、マニュアル通りに造るのが好き。
マニュアルは過去の失敗から得られたノウハウの集積です。
それを活用しないのはもったいない。
でもマニュアルに書いてあるとおりに造るだけでは面白くないし、腕も上がらないのです。
マニュアルの裏にあること、原理原則まで理解する。
マニュアルの意味、意義が分かると面白いし、間違いも少なくなるんです。
だからことあるごとにスタッフたちにマニュアルの裏にある原理、法則について語ったり、なぜこんなマニュアルになったのか立法事実を話したりしていたんです。
仕事ってたいがいOJT(オンジョブトレーニング)で覚えていくものです。
そしてほぼ誰でも、そうやって仕事ができるようになっていく。
いつも通り、平常時はそれで十分こなせます。
あるいは、自分が平社員、下働きの時はそれでも十分仕事になります。
でもそれだけじゃダメなんですよ。
いつもと違う状況で、かつ自分の判断で進めなくちゃならなくなったとき、OJTで得た技能だけでは立ちゆかないのです。
原理、原則が身に付いているかどうかなんです。
エンジニアはいつも同じ状況で同じ成果を上げる人だと思っている人が多いでしょうが、違うんです。
いつもと違う状況でも同じ成果を上げられる人が、一流のエンジニアなんです。
サイエンスカフェでは子どもたちに「好きなことはとことんやりなさい」って伝えます。
嫌いなことはテキトーでもいいよって。
そういうと多くの子はニコニコしますよ。
お父さん、お母さんも笑ったりね。苦笑い??
嫌いなことを無理してやるのはとても効率が悪い。
好きなことなら多少の困難でもへっちゃらになります。
細野秀雄『好きなことに、バカになる』サンマーク出版¥1400-から引用します。
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就職活動にかんして、私が学生たちによくいうのは「最良の就職活動は自分の研究に本気で打ち込むことだ」ということです。
つまり、自分はこれが好きだ、このことを徹底的にやってみたいという意欲や目標を明確化して、その好きなこと、やりたいことをとことん追求すること。
それが社会に対する最大のアピールポイントになるし、自分の大きな強みともなるのです。
だから若いうちは、ひとつのことを深く掘り下げることに力を傾けるべきです。
若いときは「専門バカ」でいいのです。
「専門もバカ」がいちばん困ります。(194p)
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確かに、確かに。
専門バカは揶揄されることも多いわけですが、そんなことはない。
専門バカほど役に立つ人はいないんです。
課題に合わせてそれぞれの専門を生かし、力を合わせる。
専門バカ集団は困難を解決できるポテンシャルがあるんです。
専門性の何もない人は、いくら何人集まっても何もできないのです。
2011年 理研ニュース > 3月号有馬朗人 元理事長に聞く「日本人よ、もっと自信を持て!」にもこうありました。
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──最後に、次代を担う人たちにメッセージをお願いします。
有馬:「若者よ、一芸に徹せよ。余計なことはやるな。研究なら研究に専念せよ」。これを、わが人生の失敗を省みて、教訓として申し上げます。
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好きなことをとことんやるとは、自分を専門家に育てる、ってことです。
それが自分にとってもいいことだし、社会にとってもいいことなんです。
専門性を持った人間は社会に貢献できます。
貢献できる人は皆から必要とされます。
誰かから必要とされ、認められ、喜ばれる。
そうなれば自分もハッピーになれるんです。
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