こんにちは
先日、職場で「ハッピーキャリアセミナー」があり、受講しました。
ホントはテクニカルスタッフやポスドクなど若い職員が受講対象者でしたが、実年齢としては若者ではまるでないぼくも空席があったらぜひ!ってことで申し込んじゃいました。
なぜなら、講師の佐藤さんに会ってみたかったからね。
http://ameblo.jp/project121/
日本の職場の生産性が低いのは、国際比較でも明かです。
残業も多いのも明か。
なぜ長時間働いてるのに生産性が上がらないのか。
佐藤さんによると、日本の会社では「仕事」より「人間関係」に時間を取られているからだ、とのこと。
ふむふむ、確かに、確かに。
佐藤さんはソニーのご出身とのこと。
ソニーでも本当に生産的な仕事をしている時間は、20%くらいだったそうです。
残りの80%は、部署間の調整などに費やされていた。
部署間で調整するのはあたりまえなんですが、すんなりといかないことが多々あるわけです。
なぜかというと部署同士いがみあっているから。
いがみあい=人間関係です。
いがみ合いとは、相手を信用しないこと、信頼しないことから発します。
部署間でいがみ合っている会社では、やたら書類が必要になります。
やたらハンコが必要になります。
なぜなら、失敗したときに自分は悪くない、と言わなくちゃならないから。
それが書類の多さをつくり出します。
無駄な仕事を増やします。
その案件を了承する代わりに、「エビデンス」と称して、書類を要求するのです。
うちの課はホントはやりたくなかったんですよ。
絶対うまく行かないと思っていました。
でも向こうの部長さんがやりたいというので、仕方なく了承したんです。
ほら、こういう書類が残っていますよ。
てな具合。
もちろん、法令や社則で決まっている書類ならきちんと作成しますよ。
でも、公的に決められた書類じゃない、すなわち「言い訳」のための書類ばかりが増える。
そういう会社は末期的ですよ。
仕事を進めることより、自己保身の方を優先しているわけですからね。
元和田中校長の藤原和博さんは、こういう<言い訳書類>を「免責文書」と呼んでいました。
責任を逃れるためだけに機能する書類です。
藤原さんが校長だったときも、文部科学省や教育委員会、校長会などからやたら書類の提出を求められたそうです。
藤原さんはそれらの書類は全部ゴミ箱に捨てた。
そんなくだらない書類に付き合っていたら、自分のやりたい仕事、やるべき仕事ができなくなってしまうからです。
で、捨ててしまった書類ですが、その後その書類の再提出を求められたり、あるいは提出しなかったことによって何か不都合なことが起こったりしたことは、全くなかったそうです。
まあ、何人かの人に嫌われたかもしれませんがねー。
佐藤さんの講習に話を戻して。
人間関係とは、自分自身の相手に対する心の持ちようなんです。
相手を物としてみるか、あるいは人としてみるか、です。
物としてみれば、邪魔者扱いしたり、あるいは自分のために利用したりするでしょう。
そういう場合、いくら口で「ありがとう」とか「お願いします」と言っても、相手にはそれが心からの言葉ではないと分かってしまうのです。
であれば、協力しようという気は起きないのが当然です。
協力してくれないと、俺はこんなに丁寧に頼んでいるのにアイツは何だ!けしからん!ということになる。
つまり、悪いのは相手だ、ということにしてしまうわけです。
相手を悪者扱いにするわけですから、人間関係は悪くなって当たり前。
まともに一緒に仕事は進められませんよ。
こうなると、仕事が上手く行かなかった時に言い訳ができるよう、相手のあら探しばかりするようになるんです。
ちっとも生産的じゃないですよね。
でも、相手を人として認めたらどうでしょうか。
何か仕事を依頼するときでも、相手の状況を見て、無理のない頼み方をするはずです。
無理がなければ協力しようという気になってくれるものです。
相手がどんな状況か見もせず、強引に頼むからこじれるんですよ。
「ありがとう」の一言にも心がこもります。
そして相手が困っているときには、自分のできる範囲でその恩を返そうするはずです。
感謝の言葉にウソ偽りが混じっていないことが、ちゃーんと伝わるんですね。
で、ハッピーキャリアです。
相手を人と思わず、いがみあった状態で仕事をしても、それは自分のキャリアに繋がらないんです。
それはアンハッピーな仕事の仕方なんです。
自分を信頼してくれない相手を信頼なんかできないじゃないですか。
いがみ合いの中での仕事は、自己保身が最優先されてしまうのです。
そこには、「成長」はありません。
で、もっと恐ろしいことにハッピーキャリアを築けていない人は、家族、子どもにも害毒を垂れ流してしまうのです。
安岡正篤『人生の大則』プレジデント社¥1553-にこうありました。
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幼児は麻疹よりももっと恐れや怒り、憎しみや冷淡に感染しやすい。
自分が好かれているか、嫌われているかということに、子供は食物と同様に反応する。
一家の感情の中で自分の占めている立場をよく覚える。
親の精神状態はただちに子供に反応するのである。
特に親の怒りは子供に大きな衝撃を与える。
それが子供自身に向けられたものでなくても同様である。
怒りばかりではない。
感情の異常な表現は、これに接した子供に強い刻印を残す。
これがその子に後来思いがけない、あるいは原因不明のいろいろな疾病を発生させ、医者が、診断はついても治療しにくい悪疾重傷になるのである。(16p)
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確かに、ドメスティックバイオレンスを働く人は、社会的に成功していない、満足していない人が多いそうです。
あるいは、仕事に対して、会社に対して、社会に対して不満を持つ人の子どもは、不登校になったり、いじめにあったりすることも多い。
だから大切なんです、ハッピーキャリア。
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