2013年7月4日木曜日

書くことが頭を鍛える

出前授業に行ったとき、各クラスの授業もちょっと見せてもらった。
若い先生のクラス、きちんと整理された板書。
しっかりと準備して授業してるんだなーと思った。

ところが、子どもは机上に教科書が置いてあるだけ。
ノートを出していない。
1時間の授業中、一度もノートに書くという活動がなされていないのだ。
せっかくきれいな板書をしたんだから、そのすべてとは言わないが、ポイントとなる部分を写させるなどした方がいいんじゃないか。

毎時の授業の中に必ず「書く」活動を入れるべきだと思う。
そうじゃないと子どもたちに学力が付かないよ。
先生ばっかりが書いていたんじゃ、先生の学力は付くかもしれないけどねー。
だからこの若い先生も、努力の方向が違う。
授業は子どもの学力をつけるために存在するんだから。

先日の大学での講演のときも感じた。
学生さんたちの書く力が弱い。
学問とは読むことではない。
経験、体験することでもない。
書くことだ。
書かねばならん、しかも大量に。
書くためには広く読まねばならん。
書くためには深く考えねばならん。
書くためには意識をクリアにして経験、体験を積まねばならん。
書かぬ者に学問は身につかないのだ。

大学の先生に、不躾にもこんなメールを送った。

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印象なのですが,学生さんたちにもっと強制的に「書く訓練」を課してもらいたいなーと思いました.
学生さんの感想を読んで,ちょっとそれが不足しているように思いました.
学問とは書くことだと思います.
書くことで思考が鍛えられます.
それに書くことは,社会に出て教師になったり,会社や役所でリーダーとなるために必須の技能です.
10分くらいの時間で,400字程度なら楽々書き飛ばせる.
ぜひそういう鍛錬をしてあげてください.

今の若者たちは,スマホなどでけっこうたくさん文章を書いています.
でもスマホだとショートメールになりがちで,ある程度まとまった文章を書く機会があまりないようです.
ある程度まとまった長い文章を書かないと,学力は深まらないのです.
ショートメール、短文では文と文とのつながりがありません。
文と文とのつがなり、すなわち論理です。

論文など1パラグラフは400文字~600文字です.
このくらいの文章量でようやく一つのことを説明できる.
先生のクラスのカードは,感想を書く欄が小さすぎるって思いました.
400文字くらい書ける欄を設けるといいと思いました.
枠を決めることによって育つこともあるからね.

体験,経験も大事ですが,それを文字として書き留めるからこそ,経験を知識化でき,学力として定着させることができるんだと思います.
経験だけではだめなんです.
積み上がっていかない.
後々役に立たせるには,知識化する作業が欠かせません.
そのためには,書くこと,大量に書くことです.
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小学校でも学力の高いクラスをつくっている先生は、とにかく子どもたちにやたら書かせる。
45分授業のうち、少なくとも1/3、15分間は書く作業をさせているのだ。
4年生以上だったら、ノート見開き2ページくらい、毎時書かせている。
文字数にして400文字から800文字程度。
授業の中にこまめにノートに書く活動を取り入れ、結果的にノート2ページくらいを書かせてしまう。
これで力が付く。

我が子小3の長男は、毎日日記の宿題が出る。
土日祝日も必ず書かせている。
お出かけなどして書けなかった日は、翌日に二日分書く。
書くことがあろうがなかろうが、とにかくコンスタントに書く。

しかも短時間に書く。
今は日記帳1ページ200文字を毎日書いている。
これを「5分でやっつけなさい」と言って書かせているのだ。
文章もだらだらと時間をかけて書いてはいけない。
だらだらした活動は脳を育てない。
とにかく短時間に速く書く。

実は、書く作業は実際に書いている5分間ではない。
その準備段階も必要だ。
毎日書く、と決めちゃうと、書くネタを探しておかないといけない。
書くネタを探すということは、普段から意識的、意図的に生活することになる。
5分で書くとなれば、あらかじめ頭の中で構成を考えておく必要が出る。
これがアタマを鍛えるのだ。

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