2011年2月14日月曜日

保湿クリームでよけいに乾く

こんにちは

ぼくは子どもの頃アトピー性皮膚炎だったので、今もかなりの乾燥肌。
なので冬は乾燥するので苦手です。
全身の皮膚表面から表皮がぽろぽろと落ちてきてしまいます。
特に背中の肩胛骨のあたりがボロボロです。
かゆくてひっかくと、表皮が雪のように落ちてきます。
かかとも冬は必ずアカギレになり、ぱっくり割れて痛い、痛い。

それに対処するためにこれまでぼくは保湿クリームを塗ってきました。
お風呂から上がったあとと、朝出勤前に。
塗りたくるようにたっぷりとね。
たしかに塗った直後はしっとりとしてかゆみもなくなり快適です。
がしばらくするとその効力は落ちてしまうのです。
すぐに皮膚はかさかさし始め、表皮が浮き上がってくる。
かゆいのでひっかくと、それがパラパラと落ちる。
あとには赤く血がにじんだ皮膚が残されるんです。

昨年末に夏井睦『傷はぜったい消毒するな』光文社新書¥840-を読みました。
主にキズややけどの治療を行っているお医者さんが書いた本。
すごく面白くて、あっという間に読んでしまいました。
この本に少しアトピー性皮膚炎の治療についても触れられていました。
そこには何と

 保湿クリームはよけいに乾く

と書いてあるではありませんですか!
ええええ???
皮膚を保湿するためにクリームを塗っていたぼくは、びっくり仰天。

その理由は明確でした。
クリームや乳液などミルク状のものには「乳化剤」が混ぜられているから、なのです。
クリームや乳液にはオリーブオイルなどの油脂が材料に入っています。
この油脂で保湿するのが目的の製品なんです。
ところが油脂は水と混ざらないで分離してしまいます。
油と水を混合し、安定化させるために乳化剤を添加してあるのです。

牛乳や母乳にも、カゼインという乳化剤が入っています。
カゼインが乳脂肪分を溶かし込み安定させるので、牛乳や母乳は白いミルク色をしているわけです。
それと同様に、クリームや乳液も乳化剤によって白いミルク色を保っている。

乳化剤は一種の界面活性剤です。
界面活性剤は合成洗剤にも含まれています。
油汚れを落とすためです。
衣服や食器にこびりついた油汚れを、界面活性剤によって水に溶け込ませることで、汚れを落とす。
乳化剤にも同じ働きがあるのです。

健康な皮膚表面は自らが分泌したセラミドという油脂で覆われています。
ここにクリームや乳液を塗る。
クリームや乳液は界面活性剤ですから、セラミドも溶かしてしまいます。
お風呂に入ってクリームや乳液を洗い流したり、クリームや乳液が下着に吸い込まれると、それと一緒に皮膚表面のセラミドも失われてしまうのです。
あとには乾燥した皮膚が残されるというわけなのです。

ファンデーションなどお化粧品にも乳化剤は含まれています。
女性の方には経験があるかもしれません。
お風呂でお化粧を落としたあと、寝る前に顔に保湿クリームをたっぷり塗らないと、翌朝ひどいことになってしまう。
顔がガビガビに乾いてしまい、ボロボロの皮膚になってしまうんです。
これもお化粧品に含まれる乳化剤によって顔の皮膚のセラミドが失われた影響なんです。
常にお化粧する必要のある人は、保湿クリームが手放せなくなります。
こうして、高価な保湿クリームを買い続けなくてはならなくなってしまうのです。
化粧の濃い女性ほどスッピン顔を見せられなくなるのは、セラミドが失われてしまってボロボロの肌になってしまっているからかもしれませんね。

同様にアトピー性皮膚炎の乾燥肌の人は、保湿クリームが手放せなくなってしまう。
保湿クリームによってより肌が乾燥し、かゆみが強くなり、皮膚科のお医者さんの診療を続けなくてはならなくなっている。
悪循環です。

夏井先生は「肌の乾燥にはワセリンがよい」と言っています。
http://www.wound-treatment.jp/next/wound351.htm
さっそくぼくも実践し始めました。
全身にワセリンを塗りたくるのはちょっと、、、なので、かかとと背中の肩胛骨のあたりのガサガサがひどいところに塗っています。
かかとは効果バツグンで、この冬は一度もアカギレは切れていません。
肩胛骨まわりはガサガサが緩和されてきました。
まだかゆみは残っていますが、以前のようにひっかきまくることはなくなっています。
もちろん尿素入保湿クリームとはオサラバしました。
保湿クリーム代もバカにならない金額だったので、家計も助かっています。

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