こんにちは
昨日の夕刻、設備に小さなトラブルが発生。
ある機械の補機部分のセンサーの故障。
たいていの設備には冗長性が備わっていますが、技術的にどうしても冗長性が取れない部分もあるのです。
そこが故障してしまった。
その設備自体は順調に運転していましたが、万一補機が停止すると本体も停止してしまいます。
修理するにもすでに夕刻だったのでその日のうちに直りそうになりません。
設備は24時間連続運転です。
夜間、人が手薄のときにもっと大きなトラブルに発展してしまう恐れもある。
その設備を担当しているスタッフから、万一に備えて予備機に切り替えましょうか、と提案がありました。
ぼくは「やっちゃいましょう!」と答えました。
その後担当スタッフは、運転員たちにテキパキと指示出し。
運転員たちもその指示に忠実に従って作業にとりかかりました。
1時間ほどで運転機器を予備機と切り替えさせました。
これで夜も安心です。
ぼくは傍からその様子を見ているだけした。
作業完了時のミーティングを眺めながら、「我がスタッフは本当にプロフェッショナルだよなー」と感動しました。
優秀なプロフェッショナルと共に仕事が出来る幸せを感じました。
プロたちと仕事をする上で、ぼくが留意していることがあります。
それはそのプロが専門性を発揮する仕事に集中してもらう、ということです。
プロだってどんな分野にでも実力を発揮できるわけではありません。
自分の専門外のことは不得手なのは当然です。
得意なことで実力を存分に発揮してもらいたい。
専門外だから不得手だし、時間もかかるし、仕事の品質も落ちます。
だからプロに専門外の仕事をしてもらうのは、とても損な事だと思うのです。
プロがプロらしくいられるようにしたいのです。
プロの人だって会社員であれば、上司から指示された仕事は、得手不得手に関わらずやらなくてはなりません。
この仕事は不得手だからやりません、と自分からは言えないわけです。
嫌々でも引き受けざるを得ない。
そこに不効率が生まれるんです。
ぼくの仕事は、だからプロがプロらしくいられる状況を作ることだと思っています。
その専門性を発揮できるように仕事を振り分ける。
不得手なことはなるべくさせないようにするのです。
仕分けが大切なんです。
と言ってもスタッフの専門性にぴったり当てはまらない仕事もあるわけです。
専門家と専門家とのスキマ、あるいは両者にまたがるようなこと。
この仕事は自分の専門に関わることだ、という仕事なら、指示されなくても仕事に着手することができるでしょう。
でもスキマや重複のあるような仕事の場合、自分がやるべきかどうか迷う。
そういう仕事は黙っていたら放置されてしまいます。
大きなトラブルは概してこういうところから生まれるんですよ。
だからぼくはスキマや重複があったらそれを仕分けなければならない。
この仕事、申し訳ないけどやってもらえますか、ってね。
あるいは、ぼく自身が引き受ける。
そうやってスキマや重複を埋めていくんです。
もちろんプロだって人間ですから、自分の専門領域に関わる仕事でも、やりたくないことだってある。
かなりの困難を伴う仕事や、上手くいかないのは確実な仕事。
こういう嫌な仕事はなるべく知らんふりしたいのが人情ってもんです。
こういうときでも、やっぱり専門家が取り組んだほうがいいんです。
被害を最小限にとどめることができるからです。
これはあなたの専門分野なのでやってください、と頼む。
それもぼくの仕事。
そして困難な仕事をする上でフォローすべきところはフォローしていく。
それが大切。
専門分野とは得意なことです。
得意なこととは好きな事です。
人は好きな事をやっている時が一番ゴキゲンだし、一番パフォーマンスがよくなります。
それは各人の仕事がうまく回るだけじゃなくて、スタッフ相互の人間関係もよくなるのです。それがさらなるトラブルを防ぐことにもなると思うのです。
田坂広志/中谷巌『若きサムライたちへ』PHP¥1300-にこうありました。
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不思議な逆説なのですが、やりたいことを押し通すと他人とぶつかるように思い
ますが、実は、やりたいことをやっている人間同士は意外にぶつかり合いが少な
いものです。
むしろ、人間関係がおかしくなるのは、自分の欲望を抑制しているときではない
でしょうか。
そして、「自分はこれだけ我慢しているのに、彼ばかり勝手なことをやっている」と、
ある種の怨念をいだいてしまうのです。(田坂、216p)
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嫌な仕事、不得手な仕事を割り振られると、我慢が生じます。
我慢ほど人の心を荒廃させるものはありません。
我慢している人ほどやっかいなものはありません。
我慢している人が、職場の人間関係を悪化させ、組織効率を下げているのです。
もちろん、好きなことをやるために必要だったら我慢もしますよ。
でも、好きな事に繋がらない我慢はしちゃいけないし、させちゃいけないんです。
あるお医者さんによると、過労死というものはないのだそうです。
世に過労死と呼ばれているものは、すべて「ストレス死」なのだそう。
生きる方向の定まらない、すなわち好奇心と異なることをする人間が、ストレス死するのです。
嫌な仕事、不得手な仕事ばかりして我慢に我慢を重ねている。
これがストレスの元なんですよ。
好きなことをしているときは、残業だって徹夜だってなんのその。
全然疲れないんです。
だって面白いんだからね。どんどんやりたいんだからね。
ぼくはスタッフたちに好きな仕事に邁進してもらいたいし、ぼく自身もそうであるようにしたい。
時々誰かから「お疲れ様です」と言われます。
ぼくは「疲れてません。疲れてなんかいられない!」なーんて答えます。
ちょっと大人気ないですか(笑)。
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