どんな仕事でも、記憶力が一番重要です。
覚えることのできない人は、社会に出て活躍することはできません。
仕事は覚えるもの。
覚えて活用するもの。
覚えたことをきっちりとこなす。
それだけじゃなく、改善したり、新しいことを生み出すためには、記憶力が欠かせません。
前のことを覚えていなければ、どこがどう悪かったのかがわかりません。
どこをどう改善すればいいのか、覚えていない限り比較ができないからです。
新しいことを生み出すときも、全くゼロから始めることなんかありません。
これまでのものに付け加えたり、一部を付け替えたり、再構築するわけです。
だからこれまでのものがどうであったかをしっかりと記憶していないとダメなんです。
だから記憶力。
子供の頃から記憶力を鍛錬しておく。
それが社会に出てから、いい仕事をする必要条件になるのだと思います。
今はネットでなんでも調べられる。
だから勉強なんかしなくてもいい。
必要なときにネットで調べればいいんだから。
こう言う人がしばしばいます。
でも間違いですよ。
そしてこう言う人に限って、しばしば知性がありません。
ネットで調べられないからです。
今やほとんどすべてのコンピュータはネットに接続されています。
じゃあ、パソコンは全部のデータをネットから取り出しているのか。
いえいえ違います。
基本的なデータは自前で持っているのです。
コンピュータの性能を左右するのはCPUの性能だ、と誤解している人が多い。
もちろんCPUも大事ですが、メモリも同じくらい重要なんです。
コンピュータというのは、CPUだけでは動作しないのです。
常にメモリとのやりとりをしているのです。
コンピュータだって、頻繁に使うデータをネットから引き出しているのではありません。
だって、ネットの伝送量(bps)はとても小さい。
つまり、時間がかかるんですよ。
時々使うデータならそれでもいいでしょうが、頻繁に使うデータをいちいちネットから引き出していたんじゃ、全く性能が出ないのです。
コンピュータの性能は、メモリが大きいほど、メモリとの伝送量が大きいほど向上します。
スーパーコンピュータ「京」があらゆる科学技術計算で高性能を発揮できるのは、このメモリの量と伝送量が大きく設計してあるからです。
(その代わり、消費電力も大きくなってしまいます)。
だから、頻繁に使うデータほど身近に、かつ大きな伝送量を確保できる場所に置く。
CPUの中にはキャッシュというメモリが組み込まれています。
頻繁に使うデータはキャッシュに置いておきます。
CPUの取り付けられているマザーボードにはRAMと呼ばれるメモリが取り付けられています。
しばしば必要となるデータはRAMに置きます。
そしてマザーボードが収納される筐体内にはハードディスクが取り付けられています。
あんがいよく使われるデータはハードディスクに置いておくのです。
そしてそれ以外にごくまれに必要となるデータはネットから引き出す。
そういう仕組なんです。
人間の脳も同じだと思います。
頻繁に使う情報、たとえば漢字の読み書き、簡単な計算などは、脳に常駐させておくほうがいい。
いや、常駐させておかないと全く思考することができなくなります。
ここに勉強する意義があるのです。
小学生ならキャッシュに置くべき情報を勉強すべき.
読み書き計算ですね.
これをネットに置いておいたんじゃ,まるで役に立ちません.
読み書き計算は教科書にすべて載っています.
ネットなんか見る必要はありません。
ネットは情報量が多すぎて何が基礎基本なのか、子どもには判断できません。
だから教科書をしっかりと、確実に、何度も何度も繰り返し勉強する。
頻繁に必要となる事項を、教科書から自分の頭にアップロードさせ,常駐させなければいけないんです.
中
学生ならローカルメモリに置くべき情報を勉強すべき.
学問の基礎ですね.
これをいちいちネットで調べているんじゃ,「活用」できませんよ.
自分の脳に入れておくほうが断然効率がいいんです。
学問の基礎は教科書にす
べて載っています.
教科書から自分の頭にアップロードし,必要になったらすぐにキャッシュに読み込まねばならないんです.
子どものうちは、ネットなんかで調べる必要はない。
教科書をしっかり勉強しろ。
ぼくはそう考えているのです。
2013年8月14日水曜日
ホームレスを見て
先週末は、四谷に仮説実験授業を受講しに行きました。 四谷の駅のそばの路上、炎天下の中ホームレスのおじさんが座っていいました。 おじさんの前には空き缶がありました。 ぼくも少々恵みました。100円だけどね。 子どもたちにも10円ずつ恵ませました。 会場に向かう道すがら、「お父さんって優しいね-」とはっちゃんが言うので、こう言って聞かせました。 誰かに親切にするためには、親切にできる自分じゃなくちゃならないよ。 誰でも親切にできるわけじゃないんだよ。 親切にできる人間じゃないと誰かに親切にできないんだ。 自分で働いて、お金を稼いで、家族を養って、その上で余裕があったら,不幸な人に少し分け与える。 君たちもそういう人にならなくちゃいけないよ。 仕事もなくて、自分が食べるだけでやっとの人が、誰かを助けることなんかできない。 お金だけじゃないよ。 自分の仕事をするだけで精一杯で、へとへとに疲れちゃったら、困っている誰かがいても手伝う気力も残っていない。 だから賢い人にならなくちゃダメなんだよ。 自分の仕事を楽々と、しかもきちんと早く終わる。 そうすれば困っている人の手伝いもできるんだ。 お昼休み、さっきのホームレスのおじさんはいなくなっていた。 でもその近くで、もうちょっとこぎれいなホームレスのおじさんが、「ビッグイシュー」という雑誌を売っていた。 300円ね。 これも購入して、子どもたちに説明。 少しでも働く意欲がある人は、自分でできる仕事から始めているんだ。 それを買ってあげるのも人を助けることになる。 あのおじさんも、ただ恵んでもらうより雑誌を買ってもらった方が自分に誇りが持てるだろう。 たくさん売ることができて、ある程度お金も貯まれば、アパートを借りて、ちゃんとした仕事に就けるかもしれないよ。 僕たちも自分のできる範囲で,協力してあげないとね。 ところで「ビッグイシュー」って雑誌、300円の価値はあるよ。 なかなか面白い。 ぼくも月に一度、売っているホームレスさんがいたら買います。 我が子たちもその程度のゆとりを持てる大人になって欲しいですね。 昨日の晩のこと。 帰りがちょっと遅くなっちゃったので、晩ご飯はミスドで汁そばドーナツセット。 とても要領の悪い店員さん(中年男性)でイライラしちゃいました。 セットのオレンジジュースは氷なしで、と頼んだのに氷入りのを作って持ってくる。 汁そばには、本来冷やし汁そばにかけるべき白ごまがかけられていて、我が子はごまが食べられないので、作り直してもらう。 こういう仕事ぶりでは,賃金以上の利益を上げることができず、早晩解雇されてしまうだろうなあ。 注文を受けたら必ず復唱するとか、レシピマニュアルを再確認するとか、最低限の仕事力が備わっていないんです。 つまり、賢くない。 賢くない人は損、ということを図らずも実例として我が子たちに示すことになってしまいました。
2013年8月5日月曜日
賢い人になろう!
とんたんに繰り上がりのある足し算を教えました。
順序数によるやりかた。
足される数を口で唱え、加える数を指で作り、数を唱えながら指を折る。
たとえば6+5だったら、最初に6と言い、指5本立てる。指を1本ずつ折りながら、7,8,9,10,11と唱えていくんです。
1年生は指を使う計算をどんどんやった方がいいですね。
2年生になるまでに指計算を卒業できればいいですね。
はっちゃんは4年生の漢字を着々と。
3年生のうちに漢字検定7級=小4レベルに合格するのが目標。
そして4年生のうちに小学校で習う漢字すべてをやり終えてしまう。
計算も小4レベルまでのものはやり終えて、今日から5年生の小数の計算を始めました。
計算も小4を終えるまでに、小学校で習うもの全部教えきってしまうつもり。
そして、そこで親が直接的に教えるのはそこまで。
あとは自分で勉強する。親以外のいい先生を見つける。
我が家はそういうプランです。
親が子どもに与えられるのは、自分で学んでいくための基礎基本である「読み書き計算」。
それと「学ぶ意義」。
なぜ学ばないとならないのか、学び続けないとダメなのか、です。
それは「賢い人」になるためです。
だって、賢くないと役に立たないんですよ。
世の中には「いい人」で満足しちゃう人がすごく多い。
で、いい人はたいてい不勉強。
そしてたいていみんなに迷惑をかけています。
いい人であることは,あたりまえのことです。
それに加えて「賢さ」。
そういう人間を社会は求めているし、そういう人間にならなければハッピーに生きられないんだとぼくは思っています。
板倉聖宣さんはこう言います。
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社会がよい方向に進むためには、「いい人」ではなくて、「賢い人」が活躍することが大切なのです。
このことは早く社会の常識になって欲しいことです。
「賢い人」になるためには、「正義や善意を基に行動することが、時として恐ろしい結果となる」ということを踏まえて、きちんと勉強しなくてはいけません。
そういうことをきちんと勉強しないで、自分の正義感や善意を振りかざす人が時として一番恐ろしい結果をもたらすことになるのです。
このことをみんなに知っていて欲しいし、教えていく必要があると思います。
板倉聖宣『いま、民主主義とは』仮説社
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だから基礎基本。
そして学ぶ意義。
この二つを子どもに与えられれば、子どもはハッピーな人生を自分で築いていけるはずだって思っているんです。
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