2014年12月29日月曜日

お年玉とともに健康の大切さを教える

はっちゃんも10歳になったので、来年からこういうお年玉システムにしようと思う。
 
1年間学校を休まなかったら、来年のお年玉に2万円あげよう。
1日休んだら1万円。
2日休んだら5000円。
3日休んだら2500円。
4日休んだら1250円。
5日休んだら625円。
それ以上だったら0円だよ。
 
それはね、健康にはそれだけの価値があるってことさ。
その健康を守るのは自分自身。
 
無理しない、無茶しない、やばいと思ったら養生する。
ちょっと体調が悪いなと感じたら、休みの日に友だちと遊ぶ約束があっても断って、家で休む。
遊びを優先して、学校を休むのは本末転倒だからね。
 
学校へ行くってのは、子どもにとって一番大事な仕事だよ。
仕事は基本的に休んじゃいけないんだ。
だって仕事ってさ、誰かの役に立つためにやるもんでしょ。
その人が休んじゃったら、周りに人も困るよね。
 
休む日が前々から予定されていて、自分も周りの人もそれが分かって段取りを組んでいけるなら、堂々と休める。
でも、病気になっちゃって突然休まなくちゃならなくなると、段取りが狂うよね。
一緒に仕事をしている人も困るし、病気で休む方も仕事のことが気になっちゃって、ゆっくり休めない。
そうしたら治る病気も長引いちゃうかもしれないよね。
 
もちろん休まざるを得ない場合もあるよ。
でもなるべく休まないですむように普段から心がけることが大事。
そういう練習もしていく必要がある。
 
君も10歳になって、自分で自分の健康状態を理解できるようになったと思うんだ。
だからこの1年、自分で健康管理をしてみてほしい。
 
 
 
このお年玉システムは、野口芳宏先生の本に書いてあったものをアレンジしたものです。
 

2014年12月23日火曜日

算数、数学を学ぶ意義

とんたん(小2)に算数の勉強を教える。
文章題とか「めんどくさい」と言う。
たしかに算数、数学は面倒だ。
誰もがそう思う。
その面倒をやるかどうかだよ。
 
面倒なことをやる人間と、面倒を避ける人間。
どっちが世の中の役に立つと思う?
もちろん面倒なことをやる人間だよね。
算数ができるってことは、面倒くさいことができるってことだし、役に立つ人間だって証明になるんだよ。
 
特に算数ができるって重要なんだ。
世の中のことはたいていちょっと計算すると解決法が分かったり、どうすれば得になるとか、損しないとか分かるんだよ。
 
算数、数学ができる人を「理系」というんだけど、「文系」とは国語とか社会科とかができる人のことじゃない。
算数、数学ができない人のことなんだよ。
はっきり言えば、算数、数学ができないってことは、面倒なことを避ける人間ってことさ。
 
この世の中を動かしているのは、文系の人じゃない。
みんな理系の人が世の中を動かしている。
電気を作っているのも理系の人、水道の水をきれいにしているのも理系の人。
ここ数年で交通事故で死ぬ人がすごく減ったんだけど、それは自動車の安全技術がすごく進歩したからだよ。
それもみんな理系の人が作ったものだ。
 
政治家とか社長など経営者のような文系の仕事と言われることをやっている人でも実は理系、つまり算数、数学ができる人がほとんど。
政治も経営もお金をうまく使い、稼ぐ必要があるよね。
それにはきちんと計算ができないとできない。
理系の人が文系の仕事をするから、いい仕事ができるんだ。
 
理系から文系へ転身することを「文転」というんだけど、逆に文系の人が理系に転身する「理転」って言葉はない。
だって、文系の人が理系に転身することはほぼ不可能だから。
だって、算数、数学ができないから。
面倒くさいことをやり抜く力もないから。
もちろん、東大とか一流大学の文系の人は、けっこう理系の仕事だって平気でできちゃったりする。
それは、そういう人は文系だけど算数、数学もできるからね。
東大の文系学部の入学試験には数学も課せられる。
しかもすごく難しい。
そういう試験を突破した人だから、文系でもいい仕事ができるし、その気になれば理系にも転身できる。
だから将来どんな仕事に就くとしても、算数、数学をきちんと勉強しておく必要があるんだ。
 
役に立つ人間は大切にされるよ。
たとえばね、戦争の時だって兵隊にならなくてもすむ。
だって、役に立つ人間を危険な目に遭わせたりできないでしょ。
死んじゃったら困るからね。
兵隊になったとしても、最前線に送られることはない。
戦争は勝っても負けても、戦争が終わったあとが重要。
勝っても負けても戦争にはたくさんのお金や資源を投入するから、国は弱体化する。
戦争のあと、それを立て直さないとならない。
その時それができるのは理系の人、算数、数学がきっちりできる人だけなんだよ。
 
というわけだから、つべこべ言わずにしっかり勉強しなさいね。

2014年12月14日日曜日

本物のエリートとは何か

はっちゃんの10歳のお誕生日に話したこと、その4.
 
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大学はね、大きく分けて国立大学と私立大学がある。
学校で勉強するには、学費、つまりお金がかかるんだよ。
私立大学に入学すると、1年間の学費は100万円から150万円。
医学部とかだと300万円とか400万円かかる大学もあるんだよ。
 
それに対して国立大学の学費は50万円。
医学部でも同じ金額なんだよ。
ずいぶん少ないでしょ。
それでもずいぶん高くなったんだけどね。
実はお父さんもお母さんも国立大学を卒業したんだよ。
お父さんが大学生の時は7万円だったかなあ。
お母さんの時は20万円くらいだったと思う。
 
私立大学でも国立大学でも、ひとりの学生を教育するためにかかるお金はほとんど同じで、100~150万円くらいかかるんだ。
医学部なら300万円以上かかる。
東大なんか医学部以外の学生もひとり毎年300万円かけて教育しているんだって。
なのに国立大学の学費は50万円。
この差額、100万円とか250万円とかは誰が支払っているんだろう?
 
「税金でしょ?」
 
おお、さすが!その通り、税金なんだ。
税金は元々は誰のお金?
 
「働いた人が収めたり、会社が儲かったお金を納めたりだよね」
 
そうそう、もともとは日本国民みんなが稼いだお金なんだ。
じゃあ、どうして国立大学の学生には税金というお金をつかってるんだろうか。
 
「役に立つ人になってほしいから?」
 
そうだよね、ある意味投資なんだ。
よく勉強して将来日本のために働く人になってもらいたいから。
そしてそういう期待に応えてくれるだけの学生だから。
だから税金を使っても、みんなは納得しているわけだよね。
はっちゃんならどんな学生なら税金を使ってもいいと思う?
 
「しっかり勉強する学生かな」
 
だよねー、さっき話したように大学に入ってもちっとも勉強しないで、遊んでばかりだったり、授業にも出ないでバイトしてたら、税金を使うのはもったいない。
もちろん私立大学にも一生懸命勉強する学生もいるけど、国立大学の学生の方がやっぱり勉強する。
と言うより、勉強させられちゃう。
東大なんか宿題もたんまり出るそうだよ。
大学でも一所懸命に勉強すれば、社会に出て役に立つ人間になれる。
大学で学んだことをさらに発展して勉強し続けることもできる。
まあ、可能性だけどね。
 
そういう人は、自分のことだけじゃなくて、多くの人の役に立つ仕事ができる。
自分のことでいっぱいいっぱいな人は、とても他の人のことを考える余裕はない。
他の人のことまで考えられる人のことをエリートって言うんだよ。
ニートになったりして他人に迷惑をかけないだけじゃなくて、他の人、もっと大きく日本のためになることができる人。
それが本物のエリート。
 
そういうエリートになる可能性が高いから、国立大学の学生はたくさんの税金を使って教育してるんだ。
はっちゃんが大学生になる頃、お父さんはもう今ほどお金を稼げないかもしれない。
もちろん年を取っても役に立つ人間であり続けて、お金も稼げるように今も勉強しているけどね。
だからはっちゃんには国立大学に入って欲しい。
いや、国立大学以外なら大学に行かなくてよろしい(笑)。
 
 
しかも成績優秀だと学費免除、つまりただになったりもするよ。
さらに優秀だと、奨学金をもらえたりもする。
奨学金にも返さなければ行けない、借金みたいなものもあるけど、優秀な学生は返す必要のない奨学金が与えられるんだ。
お金をあげるからガンガン勉強してくれ、ってね。
はっちゃんが大学に行きたいなら、そういう学生になってくれなくちゃね。
 

2014年12月7日日曜日

大学へ進学する意義

はっちゃんの満10歳の誕生日に話したこと。その3.
 
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高校を卒業したら、半分くらいの生徒は大学に進学し、残りの半分は就職する。
高校までの勉強をしっかりやって卒業したなら、社会に出ても十分仕事をやっていけるんだよ。
だって、世の中の仕事の8割は高校レベルの知識でこなせる仕事だからね。
だから、高校を卒業したら仕事を始めるのも悪くないと思う。
 
でも、お父さんのような上級技術者になるとか、お母さんがやっていたように学校の先生になるとか、お医者さんになるとか、専門的な仕事をするためには大学に進学して勉強を続ける必要がある。
それと高校レベルの知識でやれる仕事は、やっぱり人から命令されてやる仕事なんだよね。
自分で仕事を作り出して、リーダーとして多くの人を組織して、大きな仕事をしていくことは、高校までの人にはできない。
新しい仕事を作り出すためには、大学レベルの知識が必要になってくるんだ。
 
もちろん、大学に行かない人の中にもとんでもなく優秀な人がいて、それは1万人に一人とかごくごく少数なんだけど、大学なんか行かなくても自分で勉強していける人もいる。
たとえば建築家の安藤忠雄さんとかね。
安藤さんは高校までしか行かなかったけど、東大教授になったりした。
はっきりした目的を持っていて、意志も強いなら大学なんか行かなくてもいい。
お医者さんとか学校の先生とか、大学を卒業しないとなれない仕事もあるけどね。
 
逆に、大学に進学する人の中にも勉強をちっともしない人もいる。
そうだなあ、大学に進学する人のうち半分くらいは、大学でちっとも勉強しないで遊んだり、遊ぶためのお金を稼ぐためにバイトばっかりしてるんだよ。
何しに大学に行くんだろうね。
もちろん遊びも大事だし、バイトもしてもいいんだけど、勉強もしなくちゃ大学に行く意味はないよ。
こういう学生は大学を卒業するとき、就職に困ったりする場合も多いみたい。
大学卒業に見合った仕事を見つけることが難しい。
高校卒業でもできる仕事に就く人も多いし、フリーターになっちゃう人もいる。
 
はっちゃんがこんな風になるのだったら、大学に行かないで欲しいな。
科学者/技術者になる、医者になる、教師なるとか、社会のリーダーになるとか、はっきりとした目標を持って、そのために大学でしっかり勉強するぞ、という意志を持てるなら、大学に進学した方がいい。