2014年12月29日月曜日

お年玉とともに健康の大切さを教える

はっちゃんも10歳になったので、来年からこういうお年玉システムにしようと思う。
 
1年間学校を休まなかったら、来年のお年玉に2万円あげよう。
1日休んだら1万円。
2日休んだら5000円。
3日休んだら2500円。
4日休んだら1250円。
5日休んだら625円。
それ以上だったら0円だよ。
 
それはね、健康にはそれだけの価値があるってことさ。
その健康を守るのは自分自身。
 
無理しない、無茶しない、やばいと思ったら養生する。
ちょっと体調が悪いなと感じたら、休みの日に友だちと遊ぶ約束があっても断って、家で休む。
遊びを優先して、学校を休むのは本末転倒だからね。
 
学校へ行くってのは、子どもにとって一番大事な仕事だよ。
仕事は基本的に休んじゃいけないんだ。
だって仕事ってさ、誰かの役に立つためにやるもんでしょ。
その人が休んじゃったら、周りに人も困るよね。
 
休む日が前々から予定されていて、自分も周りの人もそれが分かって段取りを組んでいけるなら、堂々と休める。
でも、病気になっちゃって突然休まなくちゃならなくなると、段取りが狂うよね。
一緒に仕事をしている人も困るし、病気で休む方も仕事のことが気になっちゃって、ゆっくり休めない。
そうしたら治る病気も長引いちゃうかもしれないよね。
 
もちろん休まざるを得ない場合もあるよ。
でもなるべく休まないですむように普段から心がけることが大事。
そういう練習もしていく必要がある。
 
君も10歳になって、自分で自分の健康状態を理解できるようになったと思うんだ。
だからこの1年、自分で健康管理をしてみてほしい。
 
 
 
このお年玉システムは、野口芳宏先生の本に書いてあったものをアレンジしたものです。
 

2014年12月23日火曜日

算数、数学を学ぶ意義

とんたん(小2)に算数の勉強を教える。
文章題とか「めんどくさい」と言う。
たしかに算数、数学は面倒だ。
誰もがそう思う。
その面倒をやるかどうかだよ。
 
面倒なことをやる人間と、面倒を避ける人間。
どっちが世の中の役に立つと思う?
もちろん面倒なことをやる人間だよね。
算数ができるってことは、面倒くさいことができるってことだし、役に立つ人間だって証明になるんだよ。
 
特に算数ができるって重要なんだ。
世の中のことはたいていちょっと計算すると解決法が分かったり、どうすれば得になるとか、損しないとか分かるんだよ。
 
算数、数学ができる人を「理系」というんだけど、「文系」とは国語とか社会科とかができる人のことじゃない。
算数、数学ができない人のことなんだよ。
はっきり言えば、算数、数学ができないってことは、面倒なことを避ける人間ってことさ。
 
この世の中を動かしているのは、文系の人じゃない。
みんな理系の人が世の中を動かしている。
電気を作っているのも理系の人、水道の水をきれいにしているのも理系の人。
ここ数年で交通事故で死ぬ人がすごく減ったんだけど、それは自動車の安全技術がすごく進歩したからだよ。
それもみんな理系の人が作ったものだ。
 
政治家とか社長など経営者のような文系の仕事と言われることをやっている人でも実は理系、つまり算数、数学ができる人がほとんど。
政治も経営もお金をうまく使い、稼ぐ必要があるよね。
それにはきちんと計算ができないとできない。
理系の人が文系の仕事をするから、いい仕事ができるんだ。
 
理系から文系へ転身することを「文転」というんだけど、逆に文系の人が理系に転身する「理転」って言葉はない。
だって、文系の人が理系に転身することはほぼ不可能だから。
だって、算数、数学ができないから。
面倒くさいことをやり抜く力もないから。
もちろん、東大とか一流大学の文系の人は、けっこう理系の仕事だって平気でできちゃったりする。
それは、そういう人は文系だけど算数、数学もできるからね。
東大の文系学部の入学試験には数学も課せられる。
しかもすごく難しい。
そういう試験を突破した人だから、文系でもいい仕事ができるし、その気になれば理系にも転身できる。
だから将来どんな仕事に就くとしても、算数、数学をきちんと勉強しておく必要があるんだ。
 
役に立つ人間は大切にされるよ。
たとえばね、戦争の時だって兵隊にならなくてもすむ。
だって、役に立つ人間を危険な目に遭わせたりできないでしょ。
死んじゃったら困るからね。
兵隊になったとしても、最前線に送られることはない。
戦争は勝っても負けても、戦争が終わったあとが重要。
勝っても負けても戦争にはたくさんのお金や資源を投入するから、国は弱体化する。
戦争のあと、それを立て直さないとならない。
その時それができるのは理系の人、算数、数学がきっちりできる人だけなんだよ。
 
というわけだから、つべこべ言わずにしっかり勉強しなさいね。

2014年12月14日日曜日

本物のエリートとは何か

はっちゃんの10歳のお誕生日に話したこと、その4.
 
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大学はね、大きく分けて国立大学と私立大学がある。
学校で勉強するには、学費、つまりお金がかかるんだよ。
私立大学に入学すると、1年間の学費は100万円から150万円。
医学部とかだと300万円とか400万円かかる大学もあるんだよ。
 
それに対して国立大学の学費は50万円。
医学部でも同じ金額なんだよ。
ずいぶん少ないでしょ。
それでもずいぶん高くなったんだけどね。
実はお父さんもお母さんも国立大学を卒業したんだよ。
お父さんが大学生の時は7万円だったかなあ。
お母さんの時は20万円くらいだったと思う。
 
私立大学でも国立大学でも、ひとりの学生を教育するためにかかるお金はほとんど同じで、100~150万円くらいかかるんだ。
医学部なら300万円以上かかる。
東大なんか医学部以外の学生もひとり毎年300万円かけて教育しているんだって。
なのに国立大学の学費は50万円。
この差額、100万円とか250万円とかは誰が支払っているんだろう?
 
「税金でしょ?」
 
おお、さすが!その通り、税金なんだ。
税金は元々は誰のお金?
 
「働いた人が収めたり、会社が儲かったお金を納めたりだよね」
 
そうそう、もともとは日本国民みんなが稼いだお金なんだ。
じゃあ、どうして国立大学の学生には税金というお金をつかってるんだろうか。
 
「役に立つ人になってほしいから?」
 
そうだよね、ある意味投資なんだ。
よく勉強して将来日本のために働く人になってもらいたいから。
そしてそういう期待に応えてくれるだけの学生だから。
だから税金を使っても、みんなは納得しているわけだよね。
はっちゃんならどんな学生なら税金を使ってもいいと思う?
 
「しっかり勉強する学生かな」
 
だよねー、さっき話したように大学に入ってもちっとも勉強しないで、遊んでばかりだったり、授業にも出ないでバイトしてたら、税金を使うのはもったいない。
もちろん私立大学にも一生懸命勉強する学生もいるけど、国立大学の学生の方がやっぱり勉強する。
と言うより、勉強させられちゃう。
東大なんか宿題もたんまり出るそうだよ。
大学でも一所懸命に勉強すれば、社会に出て役に立つ人間になれる。
大学で学んだことをさらに発展して勉強し続けることもできる。
まあ、可能性だけどね。
 
そういう人は、自分のことだけじゃなくて、多くの人の役に立つ仕事ができる。
自分のことでいっぱいいっぱいな人は、とても他の人のことを考える余裕はない。
他の人のことまで考えられる人のことをエリートって言うんだよ。
ニートになったりして他人に迷惑をかけないだけじゃなくて、他の人、もっと大きく日本のためになることができる人。
それが本物のエリート。
 
そういうエリートになる可能性が高いから、国立大学の学生はたくさんの税金を使って教育してるんだ。
はっちゃんが大学生になる頃、お父さんはもう今ほどお金を稼げないかもしれない。
もちろん年を取っても役に立つ人間であり続けて、お金も稼げるように今も勉強しているけどね。
だからはっちゃんには国立大学に入って欲しい。
いや、国立大学以外なら大学に行かなくてよろしい(笑)。
 
 
しかも成績優秀だと学費免除、つまりただになったりもするよ。
さらに優秀だと、奨学金をもらえたりもする。
奨学金にも返さなければ行けない、借金みたいなものもあるけど、優秀な学生は返す必要のない奨学金が与えられるんだ。
お金をあげるからガンガン勉強してくれ、ってね。
はっちゃんが大学に行きたいなら、そういう学生になってくれなくちゃね。
 

2014年12月7日日曜日

大学へ進学する意義

はっちゃんの満10歳の誕生日に話したこと。その3.
 
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高校を卒業したら、半分くらいの生徒は大学に進学し、残りの半分は就職する。
高校までの勉強をしっかりやって卒業したなら、社会に出ても十分仕事をやっていけるんだよ。
だって、世の中の仕事の8割は高校レベルの知識でこなせる仕事だからね。
だから、高校を卒業したら仕事を始めるのも悪くないと思う。
 
でも、お父さんのような上級技術者になるとか、お母さんがやっていたように学校の先生になるとか、お医者さんになるとか、専門的な仕事をするためには大学に進学して勉強を続ける必要がある。
それと高校レベルの知識でやれる仕事は、やっぱり人から命令されてやる仕事なんだよね。
自分で仕事を作り出して、リーダーとして多くの人を組織して、大きな仕事をしていくことは、高校までの人にはできない。
新しい仕事を作り出すためには、大学レベルの知識が必要になってくるんだ。
 
もちろん、大学に行かない人の中にもとんでもなく優秀な人がいて、それは1万人に一人とかごくごく少数なんだけど、大学なんか行かなくても自分で勉強していける人もいる。
たとえば建築家の安藤忠雄さんとかね。
安藤さんは高校までしか行かなかったけど、東大教授になったりした。
はっきりした目的を持っていて、意志も強いなら大学なんか行かなくてもいい。
お医者さんとか学校の先生とか、大学を卒業しないとなれない仕事もあるけどね。
 
逆に、大学に進学する人の中にも勉強をちっともしない人もいる。
そうだなあ、大学に進学する人のうち半分くらいは、大学でちっとも勉強しないで遊んだり、遊ぶためのお金を稼ぐためにバイトばっかりしてるんだよ。
何しに大学に行くんだろうね。
もちろん遊びも大事だし、バイトもしてもいいんだけど、勉強もしなくちゃ大学に行く意味はないよ。
こういう学生は大学を卒業するとき、就職に困ったりする場合も多いみたい。
大学卒業に見合った仕事を見つけることが難しい。
高校卒業でもできる仕事に就く人も多いし、フリーターになっちゃう人もいる。
 
はっちゃんがこんな風になるのだったら、大学に行かないで欲しいな。
科学者/技術者になる、医者になる、教師なるとか、社会のリーダーになるとか、はっきりとした目標を持って、そのために大学でしっかり勉強するぞ、という意志を持てるなら、大学に進学した方がいい。

2014年11月30日日曜日

義務教育って何?

はっちゃんの満10歳の誕生日に語ったこと、その2.
 
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はっちゃんは今小学校だけど、その上の学校は知ってる?
 
「中学、高校、大学」
 
そうだね。
その中で小学校と中学校は義務教育なんだけど、義務ってどういう意味だか知ってるかな。
 
「えーと、やらなくちゃいけないこと?」
 
そうそう。
じゃあ、義務教育の義務って誰が何をやらなくちゃならないんだろうね。
 
「大人が?。。。」
 
大人ってもっと具体的に誰のこと?
 
「うーん、社会というかみんなというかー」
 
実はね、義務教育の義務は親がしなくちゃいけないことなんだよ。
親が自分の子どもを学校に通わせる義務があるんだ。
それを法律で決めている。
 
それは、日本でも100年くらい昔まで、子どもは労働力、仕事をしなくちゃならなかった。
子どもも仕事をしないと、親も困ったんだね。
子どもを学校に通わせる余裕がなかったんだ。
世界には今でもそういう国もあるんだよ。
子どもは学校に行きたくても行けない。
 
でも、学校に行かないと勉強ができないよね。
新しいことを知ったり、何かができるようになったり、できなくなっちゃう。
それじゃ子どもも不幸だし、社会にとっても国にとっても発展しなくなっちゃう。
だから、子どもを学校に通わせなさい、という法律を作ったんだ。
少なくとも中学校までは親の義務としてね。
 
学校へ行って勉強するのは、親の義務だし、子どもの権利なんだ。
でね、子どもが中学校を卒業すると親の義務はお終いになる。
高校からは親の義務じゃない。
でも子どもには学校へ行く権利があるんだ。
権利って、その権利を使ってもいいし、使わなくてもいい。
はっちゃんが、高校にも行きたい、と言うならお父さんもお母さんも協力してあげる。
もし、はっちゃんが高校には行かなくてもいい、と言うならお父さんもお母さんも反対はしない。
どうぞ、どうぞ、と言うよ。
ただし、それならこの家から出て、仕事をして、一人でやっていきなさい。
 
実際、中学を卒業した子どものうち高校へ進学するのは98%くらい。
つまり、2%の子は進学しないんだよ。
進学しない子のうち、ごくごく少しの人、10万人に一人くらいの人は、もう高校なんか行かなくてもいい人もいる。
すごく頭がよくて、学校で習わなくても自分で勉強ができちゃう人。
自分のやりたいことがはっきりしていて、目標、目的に向かって生きていける人。
たとえば、将棋を指す人、棋士って言うんだけど、名人になった棋士にこういうことを言った人もいるよ。
「アニキは頭が悪いから東大に行かなくちゃいけなかった。おれは頭がいいから高校にも行かず棋士になった」って。
こういうすごい人なら、高校なんか行かなくたっていいんだよ。
 
でもそんな子はめったにいない。
高校に進学しない子のほとんどは、何らかの病気があって高校に行きたくても行けない子か、勉強が大嫌いで行かない子なんだ。
病気の子はかわいそうだけど仕方がない。
でも勉強が大嫌いで高校に行かない子はどうかな。
そういう子が社会に出てやっていけると思う?
 
「うーん、雇ってくれないんじゃないのかなあ」
 
そうだよね。
こういう子はだいたい、アルバイトみたいな仕事しかできないし、そのアルバイトも失敗してクビになったり、ちょっと嫌なことがあったら辞めちゃったりして、長続きしないことが多いんだ。
あんまりハッピーにはなれないとおれも思う。
それこそニートになっちゃう子も結構いるんだろう。
 
だからはっちゃんには高校に行ってもらいたいと思っている。
もちろん、はっちゃんがとんでもない才能を持っていて、やりたいことがはっきりしているなら、高校に行かなくてもいいけどね。
高校に行って、より難しい勉強をしっかりやるつもりなら、この家に住み続けていいし、学費も出してあげるし、お手伝いはしてもらうけどご飯も食べさせてあげるよ。
 

2014年11月24日月曜日

ニートになるな、勉強しろ

11/21ははっちゃんの満10歳の誕生日でした。
もう理屈がわかる年齢になったってことで、こういう話をしてみました。

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ニートって知ってる?

「引きこもりのことでしょ。」

うん、引きこもりもそうだけど、引きこもってないニートもいるよ。

「仕事を探してる人?」

探している人はニートじゃないんだ。
ニートってね、仕事をしていない人で、かつ仕事を探しもしない、仕事につくための練習、訓練もしていない人のことなんだ。

「なるほどー。」

何でニートになっちゃうんだと思う?

「仕事が嫌いだから?」

そうだね。何で仕事が嫌いなんだろう。好きになれないのかな。
実はね、ニートの人も1回か2回かは仕事をしたことがあるんだよ。
でも仕事がうまく出来ない。社長さんや上の人から怒られてばっかり。
怒られれば誰だって嫌になる。

普通の人は怒られれば、次は怒られないようにしようと思って、覚えたり、練習したりするよね。
でもニートになっちゃうような人は、怒られてもそこを直せないんだよ。
覚えることができないし、練習しようとしても何をやればいいかわからないんだ。
もちろん、仕事ができなければ社長さんだって上の人だって、ちゃんと教えてくれるんだ。
でもそれが理解できないんだね。
何を言っているのか理解できないんだ。
なぜだと思う?

「勉強しないから?」

そうなんだよ。
勉強ってさ、新しいこと、自分が知らないことやできないことを、知ったりできるようにしたりすることだよね。
仕事って、難しい仕事だけじゃなくて、たとえ簡単な仕事だって、自分が知らないこと、できないことがあるわけさ。
そういう新しいことを勉強しなくちゃいけないんだよ。

学校の勉強は全部新しいことだよね。
自分の知らないこと、できないことを勉強する。
勉強して練習して覚えたり、できるようにする。
それは仕事をするときに必要なことと同じなんだよ。
子どもの仕事は勉強、っていつもお父さんは言ってるけど、こういう意味なんだよ。

「なるほど!」

お父さんもお母さんも、はっちゃんにもとんたんにもニートにはなって欲しくないんだよ。
はっちゃんだってなりたくはないだろう。
だから、子供のうちから学校の勉強をしっかりやるのは大事なことなんだ。

仕事をして、それをすぐ覚え、できるようになることができれば、役に立つことができるよね。
社長さんだって上の人だって役に立つ人は大切にしてくれる。
役に立たない人は嫌だよね、あたりまえだけど。
だから勉強するってことは、役に立つ人間になるってことなんだよ。
役に立つ人は、会社でも社会でも大切にされる。
なぜ?

「お金を稼ぐから」

うん、でね、お金を稼ぐって自分のためだけじゃないんだよね。

「ああ、税金でしょ」

そうそう、税金もそうだね。
税金はみんなのために使われる。
税金だけじゃなくて、会社の儲けが多くなれば、社員が増えるでしょ。
そうすると、失業する人が減るわけだ。
幸せになる人が増えていくってわけ。
自分だけがハッピーになるんじゃなくて、たくさんの人をハッピーにすることができるんだ。

2014年11月9日日曜日

家庭学習は親の義務

七五三。
勉強に着いていかれる子の割合は、小学校で7割、中学校で5割、高校で3割ということだ。
渡部由輝氏によるとまたこれは、学校で学ぶ時間と、自学する時間の割合でもあるそうだ。
すなわち、小学校では学校で7割、家庭で3割勉強すれば、きちんと身につく。
中学に入ったら、学校で5割、自分でも5割学べ。
高校では、学校の授業はペースメーカーみたいなもので、7割は自学しないと身につかない。
 
応用力とは何か。
未知の問題を、既知の知識と身についた技術を用いて解決することである。
つまり、応用力のみを単独に鍛えることはできない。
ひたすら必要な知識を頭に叩き込み、必要な技術を鍛錬した者だけが、応用力を発揮することができる。
ザルで水はすくえない。
 
学力が劣る学生は、頭が悪いのではない。
基礎的事項に穴、抜けが多すぎるのだ。
学年が進むに連れ、知識単独で解答できるような問題は少なくなり、知識と知識を複合的に組み合わせた学習が多くなる。
穴、抜けがあると壊滅的になってしまうというわけである。
頭の善し悪しより、基礎的事項をいかに穴、抜けなく勉強したかどうかに、学力は大きく左右される。
 
基礎学力は『道具』である。
いい道具がないと、よいものは作れない。
だから基礎学力の修得は何よりも優先させなければならない。
 
基礎学力は小学校で習う。
小学校は英語でprimary school、elementary schoolという。
日本語の小学校は、そもそも<小学区=地域にある国民全員が通える学校>という意味で、何を学ぶかという視点がない。
英語のprimary school、elementary schoolは、「primary= (順位・重要性などが)首位の,第一位の,主な,主要な」という意味であり、「elementary=((限定))初歩の,初等の,入門の;基本(原理)の」という意味で、小学校で学ぶ内容について表している。
 
すなわち、小学校で習う基礎事項、特に読み書き計算は、ほぼ100%身に付ける必要がある。
穴、抜けがないように。
主要なまず第一に身につけるべき基本だからだ。
そうしないと、中高と進んで行くにつれ、学校の勉強に着いていけなくなってしまう。
なぜなら、中学、高校と進むに連れ、単独の知識だけでこなせる学習は減っていく。
応用的学習の割合が増えていく。
複合的に知識と知識を組み合わせなくては解答できなくなっていくのだ。
 
たとえば、小学校で80%の習得率だったとしよう。
8割もできていれば十分じゃないか、と思うかもしれない。
8割りできていれば、小学校の通信簿では5段階評価で4はつくだろう。
だがそこで安心してはいけないのだ。
 
知識は複合的になっていく。
中学校では、二つ以上の知識と知識を組み合わせる必要がでてくるとしよう。
二つの知識のうち、両方は当然、一方だけしか身についていないと十分理解はできない。
すると小学校の基礎レベルが80%の子は、中学になるとその自乗0.8*0.8=0.64=64%の理解度に下がってしまう。
6割程度の理解度では、通信簿の評価は3しか取れないはずだ。
 
高校になれば、3つ以上の知識の組み合わせが問われる。
すなわち0.8の3乗、0.8*0.8*0.8=0.512=51%の理解度に下がってしまうのだ。
高校の知的教科の半分しか理解できないのである。
この程度でもなんとか高校を卒業することはできるだろう。
 
同じ計算を、小学校で6割の習得率として計算してみる。
6割ならまあまあ授業についていっている、と思うかもしれない。
それは間違いである。
中学で、0.6*0.6=0.36である。
ほとんど授業はちんぷんかんぷんである。
高校で、0.6*0.6*0.6=0.216。
きっと授業に出るのが辛いはずである。
2割しか理解できない勉強は、自分とは無関係な、無用なものと思えるだろう。
そういう生徒は退学してしまう可能性が高いだろう。
 
友人の高校教師植井さんは、「授業を受けるときの辛さ、困難さは、理解度の逆数に比例する」と言っている。
理解度が0.8であれば、辛さは1.25。
我慢できる、もう少しがんばろう、と思えるレベルである。
理解度が0.5であれば、辛さは2。
我慢も限界であろうし、がんばる気力は起きないだろう。
理解度が0.2であれば、辛さは5である。
これでは、我慢しろという方が無理である。
がんばって追いつくことより、あきらめてしまう方を選択する方がラクである。
 
算数,数学と英語は「積み上げ科目」と言われる.
穴,抜けがあるとだんだん分からなくなる.
ほとんどすべてを抜けなく学習することも大事だが,きちんと身につくまで習熟し,記憶しておくことも重要である.
すなわち,算数,数学や英語が得意になる子は,シツコイ,記憶力がよい,という特性を持つようになるのである.
ものごとに対して粘り強く、容易にあきらめないで、コツコツと努力を続ける。
そういう人間に育っていれば、社会に出ても活躍することができるだろう。
 
基礎学力をしっかりと身につけるためには、家庭学習が欠かせない。
陰山英男氏は「学力は家庭で身につく」とさえ言っている。
学力は「頻度」で身につく。
同じことを何度も繰り返しやる機会を意図的につくる必要があるのだ。
学校の授業だけではそれを達成することは難しい。
だから学校は宿題を出すのだ。
宿題を出さぬ教師、宿題をきちんとやらせぬ親は言語道断なのである。
 
だから、義務教育中の家庭学習は親の義務、なのだと思う。
 

2014年10月30日木曜日

自尊心を保つ

9月に受検した電験1種1次試験の結果通知が届きました。
自己採点通り、4科目中3科目(電力、機械、法規)合格しました。
今年4月に立てた目標は、電験1種1次試験4科目合格、でした。
3科目合格なので、目標の75%は達成できたわけです。
おれってなかなかやるじゃん!
 
今年は勉強期間からみて、2次試験まで合格は無理だと思っていました。
元々2次試験合格は来年の目標でした。
なので、来年の最終目標には変更なしで行けそうです。
来年は1次試験の残り1科目と2次試験合格を目標とします。
 
1年間もたっぷり勉強期間を取れますから、毎日コツコツと続けさえすれば、目標を達成できるはずです。
今も平日は毎日朝1時間、昼休みに30分、夕方に1時間と勉強しています。
2次試験用のテキストも半分近く終わりました。
今の職場を卒業するまでに取ろうと目標としていた資格も、残りは電験1種と博士号のみとなりました。
一歩、一歩、着実にがんばります!
 
ぼくもがんばってますが、神戸スパコン施設の運転スタッフもがんばっているようです。
今年のエネルギー管理士(熱分野)国家試験に合格したと、メールで報告してくれました。
素晴らしい!
ここまで言われたら,おれも来年は電験1種に必ず合格しなくちゃ-.
 
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関口さま
 
随分時間が掛かってしまいましたが、ご報告できてホッとしています。
自分のチカラだけでは絶対合格できなかったはずの難関資格(今年の合格率は過去15年間で2番目に低い21.4%でした)にまさか、まさかの合格となり、理研に配属されて良かった!関口先生に出会えて良かった!と感謝する毎日です。
勉強の時、仰られていた
 
「自分はデキるんだという錯覚しててもいいんだよ、良い方向の錯覚をしてれば実力も付いてくるから」
 
の言葉を、最初は励まし程度の意味かな?と聞いていましたが、1つ、また1つと難しい問題が解けるようになり1課目、また1課目と理解が進むようになると、実力が少しずつ上がってきて、どんどん錯覚していったことを思い出します。
これからも、オレは実力あるんだゾと錯覚しつつ電験一種に挑んでおられる関口様を目標に(目標高過ぎ!!)神戸で励んでまいります。
ほんとうにありがとうございました。
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2014年10月27日月曜日

出前授業は楽し!

10月20日に茨城の久慈川三育小学校で出前授業をさせてもらいました。
楽しかったー。
その様子が、学校のホームページに掲載されています。
いいですねー。
http://plaza.rakuten.co.jp/kujikawa319/diary/201410200000/

三育小はキリスト系の学校なので,ミッションスクールです.
授業の中で「ミッション」の意味も子どもたちに伝えました.
ミッションとは「使命」のことです.
君たち の使命は何なのだろうか.
それは,世の中をより良くしていくことだよ,って.
それがきっと神様も望んでいることだと思う.

で、世の中を良くしていけるのは,勉 強家だけ.
好きなことをガンガンと勉強しなさいね!
それが今回のぼくのメッセージ。

生徒さんたち全員が、日記に出前授業のことを書いてくれました。
校長先生からは、

「行事の時・・・いつもなら2~3人、別の話題をかいてくるのですが、今回は全員が、関口さんの特別授業のことを書いていたので、驚き!」

というメッセージをいただきました。
嬉しいですねー。

みんな文章力、すごいです。
この学校では1年生の時から、毎日休まず日記を宿題として課しているそうです。
鍛えられていますね-。
すばらしい!

今日から科学者と言う新しいゆめができました」
ぼくたちが大人になった時も技術のかたまりでいられるように、がんばりたいです」
本当に実験ってワクワクして楽しいなあと思いました」
お母さんやお父さんや祖父母にもこの授業を聞いてもらいたい」

などなど、嬉しい感想がいっぱいでしたー。
お呼びくださった山本校長先生、ありがとうございました。
また来年も呼んで下さいねー。



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12年生
関口先生のとくべつじゅぎょうをしました。たくさんお話しをしてくださいました。でもぼくはそのたくさんの話の中で一ばんきょうみをもった話があります。げたの形はつよいという話です。げたと同じで強いものは橋です。橋の下にもげたとおなじようなものがついているからです。橋をとおっているさい中橋がらっかしたらだめです。でもそのげたにくっついているようなもので橋をささえていると聞いてすごいんだな橋ってと思いました。関口先生みたいなすごい人になりたいです。考えることができるとかがくしゃに向いているそうです。

せき口さんとなかがよくなってよかったです。子そだてもしますか。やすみの日があったらせき口さんのところへいきたいです。

きょうは、とくべつじゅぎょうで、せき口先生のじっけんをしました。三角形を作りました。三角形は四角形よりも強かったです。東京タワーにもつかわれていました。形によって強さがかわることがわかりました。

やっぱりせき口先生のことをおもいだします。まず、こういうじっけんをしました。本を2さつよういします。間を6cmあけます。そこに2回おってそのせんにそってきった紙をのせます。紙の上にコインをのせて何枚乗るかやります。ほかにもさんかくとかテーブルみたいな形のをやりました。まるが、一番のるそうです。本当は、200こぐらいのります。スカイツリーにつかわれていたから、あんなに高くつくれるとしりました。

きょうは、せきぐちせんせいのとくべつじゅぎょうがありました。まるのかたちでコインをテープではったのが200このったのがすごかったです。おうちでもじっけんしたいとおもいました。

せきぐち先生のとくべつじゅぎょうでした。じっけんをしました。かみにコインをのせてなんまいのるかやりました。いちばん丸が多くのるそうです。さんかくは、じょうぶだというのをはじめてしりました。

せきぐち先生のとくべつじゅぎょうをやりました。じっけんをやりました。できたときにこんなふうでした。2つかさねると8まいでした。1まいは6まいかさねられました。
まるくなるとコインを200まいのせられるのがわかりました。そんなにいっぱいコインをのせられるからびっくりしました。かたちがかわるといっぱいのせられるとわかりました。

34年生
今日の3,4時間目せき口先生の話でした。まず1まいのA4の紙がくばられました。それからコインもよういされてありました。なんとこう言う実けんをしました。あつい本を・・・ながくなるので絵でせつめいします。---絵が描かれている---と言うことです。この紙の上にコインはなんこのるでしょうか。と言うじっけんでした。予想してやりました。そしたら予想よりも下でした。あとこのLの所をこう言う風にすると50まいはこえると言うのを初めてしりました。それと今日から科学者と言う新しいゆめができました。

ただの紙なのに形をかえたら、コインがのる量が色々あってびっくりしました。三角、丸、Hの形が強い事を初めて知りました。いろんな事を知る事ができて、よかったです。また来てくださる事を信じてまっています。

理化学研究所の関口さんが未来の科学者をみつけるためにいらしてくださいました。この関口さんは世界で1番になった「京」というスーパーコンピューターを作った人たちの内の一人です。授業ではトラスという三角形を使うとじょうぶになることや、1番強いのは丸だったり・・・丸いコインを使っていろいろな実験をしました。丸だとなんと200個以上も!すごい!丸やトラスこうぞうはいろいろなたてものや生きものなどにつかわれているようです。そしておべんとうもいっしょに、あと自然かんさつもいっしょにしました。ガマのほやすすき、ツバキの実、いろいろな物を発見しました。とっても楽しかったです。

関口先生が東京から2時間もかけて、いらっしゃいました。先生は「京」を作った人で、ぎじゅつ者なんです。スクールバスで若葉さんと、「関」と「口」で何と読むか話しまし
た。学校で、せきぐち先生と聞いて、「へえ~~~」ってなりました。先生はすごい人で、いろいろお話をしてくださいました。とてもいい勉強になりました。先生に「元素周期表」というのをもらいました。「スイヘーリーベーぼくのふね・・・」という歌(?)があるじゃないですか。あれがかいてある表です。中に何かはさめるようになっていました。もう一つはこれ!ねこがかかれていて、とってもかわいいんです。家であけてみると、ふせんでした。(割り箸で作ったトラスの絵が丁寧に描かれている)

56年生
理化学研究所の関口さんがいらっしゃって、特別授業がありました。関口さんは、スーパーコンピューター京のれいきゃく部品を作った方でした。橋の形で一番紙で強くなる形は、丸い柱を橋にしたのが、一番強いようです。二百枚のせても大丈夫で、そんなに強いの!!と思いました。けれど、丸い橋は見たことがありませんでした。けれど、トラスという三角形の形が丈夫なので、鉄橋はこの形なのと教えていただきました。京はスピードでは世界で4位ですが、世界で一番いいコンピューターということだったので、やっぱり日本は技術のかたまりのような国なので、ぼくたちが大人になった時も技術のかたまりでいられるように、がんばりたいです。

理化学研究所ではたらいている関口先生が特別授業をしに来てくださいました。本と本をすきまをあけておいて、その上に紙をのせて、コインは何個のせられるかを実験しました。一番強いのは円柱形でした。でも何でそんなのをやったのかわかりませんが、後のせつ明でわかりました。どんな物も工夫されていて、それを考える研究者。それを実現させるぎじゅつ者はすごいと思いました。

理化学研究所の関口先生が特別授業をしてくださいました。形が変わると働きがかわるという題でした。本の間にかみをのせて、その上にコインを何まいのせられるかを、紙の形をいろいろかえてやりました。かんたんなことでも、いろいろな所につかわれています。びっくりしたのは、一番強いのが円だったということです。コインが200まいくらいのっていたのでびっくりしました。かんたんなことで色々なことがわかるので、おもしろいです。

今日学校でスパコンをつくった人にあえました。うれしかったです。じっけんをしました。どんなじっけんかっていうと、かみのうえでなんこのるかっていうもので、かたちがかわったらつよくなるとわかりました。スパコンは、一秒で一兆もけいさんするのですごいとおもいました。

関口先生が理研からいらっしゃいました。そして特別授業をしていただきました。その中で、実験をしていただきました。ぼくがおどろいた実験は、広告などで使われている紙をおったり重ねたりするとコインをどれくらいのせられるかというものでした。ぼくの予想では、五十枚前後でしたが、実際は二、三百枚以上のせられました。けっこうずっしりしているのに、小さなおった紙二枚で数百枚ものせられるのにはおどろきました。スパコン「京」を入れる建物も、この技術が使われています。実験に熱中してメインがなんなのか分からなくなりました。来年も、こんな感じでやりたいです。

理化学研究所の関口先生というスーパーコンピューター「京」を作った方です。小保方晴子さんのことを知っているということでびっくりしました。毎日研究にはげんでいるということを聞いて、STAP細胞があってほしいし、小保方さんもがんばってほしいです。
関口先生の授業は、本と本の間を六センチにし、その上に長方形の紙を置き、橋のようにします。それで紙の上にコインを置き、何枚のせられるかを実験しました。紙をまるくしてコインをのっけるとたくさんのっかることがわかりました。また、わりばしとわりばしをわごむでつなげて動かすと、三角形は動かず、四角形は動くことが分かりました。関口先生はノーベル化学賞の野依良治さんが友達とおっしゃっていました。関口先生の授業はとてもわかりやすかったので、お母さんやお父さんや祖父母にもこの授業を聞いてもらいたいぐらいで、またやってもらいたいです。

今日は三、四時間目に世界一をほこるスーパーコンピュータ京を作った関口さんがこちらにいらっしゃいました。コインを使って紙一まいで何まい乗るか、という実けんなどをしました。なんと円の紙にはコイン200まい以上ものるそうです。そんなにのるなんてびっくりしました。他にわりましを三角にして、わりばしの先をわごみでしばると、カチカチに動かなくなり、四角形にするとグニャグニャに動いてしまいました。五角形はどうなのかなあと思ったから、あとで家でためしてみたいと思いました。本当に実験ってワクワクして楽しいなあと思いました。

京を作った関口先生が来てくださいました。形がかわれば働きもかわるという題でお話をしてくださったり、実験しました。最初に橋を作ってコインをのせる実験をしました。私は、両はしをおりまげてかさねたら、いっぱいコインをのせられるの思ったのですが、せいかいはまるという形でした。とってもびっくりしました。二百個ぐらいのせれるので、「すごい」と思いました。もう一つ実験しました。わりばしで三角を作ります。どんなにおしてもこわれませんでしたが、四角はびよ~んとすぐうごいたので、「ちょっと形がちがうだけで、こんなに強さがかわるんだ」と思いました。関口先生のお話を聞いて、「私も技じゅつ者になれるのかも」と思いました。

2014年10月5日日曜日

ゲーム機、管理権は親が持つ!

実は夏休み前、我が家にもニンテンドー3DSがやってきました。
はっちゃんは以前から欲しくて、貯金していたのですが、親類のおじさんからお小遣いをもらって、とうとう買える金額になったのです。
我が家では基本的に、欲しいものは小遣いを貯めて買え、ということにしています。
親が買ってやるものの範囲を制限しているのです。
自分のお金で買うのなら、たとえそれが無駄遣いでも文句は言わない。
ゲーム機も親としては好ましいものではないと思っていますが、自分の小遣いを貯めて買う事に対して、反対はしませんでした。
 
でも、所有権は自らのお金で買った子どもにあるとしても、管理権まで渡すことはありません。
ゲーム機を使う「ルール」は、親が決めて子どもに従わせるのです。
ゲーム機を買いに行く前に、夫婦でルールを決めて子どもたちに伝えました。
 
3DSで遊ぶためには以下を守らなければいけません。
1.約束したお手伝いと勉強は必ずやること
2.朝の勉強が終わるまではやらないこと
3.夜は夕食後はやらないこと
4.許可なく家から持ち出さないこと
5.学校のある日は使わないこと
6.ゲーム機に関して兄弟げんかをしたら没収です
 
1は当然というか、子どもとしてやるべきこと、義務は必ず果たしてから遊ぶということです。
2と3は睡眠時間の確保のため。
ゲームをやりたいがために、超早起きしたり、遅くまで起きていることを防ぐ。
 
4は友だちなどと遊びたい場合もあるけど、それがトラブルの原因になることが多々あるため。
外に持ち出す場合も、親の管理下で持ち出すようにさせるためです。
親の知らないところでソフトの貸し借りなどをすれば、トラブルも起こるものです。
そういうことにならないようにね。
 
5は、平日は学業優先なのがあたりまえだからです。
学校から帰宅して、ゲームをやり始めれば、宿題をやる時間もなくなる。
寝る時間も遅くなる。
 
6は、まだ持っていない弟のとんたんとも仲良く遊んでもらうため。
弟との間で貸し借りだの、おれのだから使わせないとか、意地悪しないように。
 
こうして、7月末に購入してからまずまずトラブルなく使えています。
よかった、よかった。
あとは早くゲーム機から卒業してほしいですね。
ゲームより楽しいこと、やりがいのあることを見つけて欲しい。
 
最後に、もうすでにゲーム機の管理権まで子どもに渡してしまって失敗しちゃったというご家庭へのアドバイス。
こんなふうにやると、子どもの熱が冷めますよ。
 
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子どもが学校から戻ったら、「今日はゲームをいつやるの?」、ゲームをやっていたら、「上手になった?」「どこまでできたの?見せなさいよ」などと、うるさく声をかけます。
次子どもを勉強嫌いにする声のかけ方を、ゲームでそっくりそのままやるのです。
親に時間があれば、子どものいない間に、ゲームを練習して子どもよりも上手になっておくのもいいでしょう。
子どもがゲームで苦戦していたら、「下手ねえ、こうやってやるのよ。簡単じゃない」とゲーム機を奪って、その麺をクリアしてしまうのです。
子どもはだんだん「ゲームって思っていたほど、面白くないなあ」と感じるようになります。
宮本哲也『算数と国語を同時に伸ばす方法』小学館¥1400-
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どうやら親ってのは、子どもにやらせたいこと(勉強)には、子どもがやる気を無くす方法をしがちで、子どもにやめさせたいこと(ゲーム機)には、なすすべがなかったりするんですねー。
宮本先生のやり方、ぜひお試しを!
 

2014年9月29日月曜日

嫌いなことも、まあ適当に

ぼくのサイエンスカフェでは、子どもたちに「好きな勉強はとことんやろう」と伝えます。
でも誤解しないでくださいよ。
好きなこと[だけ]やろう、とは言っていないのです。
嫌いな勉強はどうする?
まあ適当に。
ってね。
ここをまちがえてはいけませんぞ。
近年大学入試も多様化して、試験による入学試験の他に、推薦入学、AO入試、一芸入試なんてのもある。
勉強ばっかりじゃなくて多様な学生を集めよう、という建前。
本音は、少子化で大学入学者確保が大変になってきたから、楽な入試にして学生を集めちゃおう、なんだと思いますが。
それで入学した学生が、ハッピーな大学生活を送っているなら文句はありません。
ところが、余りハッピーじゃないらしい。
退学者も一般入試組より多いんだって。
なぜか。
やっぱり、大学教育を受けるに必要な基礎学力に欠けるのが原因。
講義を聴いても、よく理解できない。
つまらないから欠席がちになる。
試験にも落ち、単位が取れない。
大学に行くのもおっくうになる。
大学から足が遠のき講義にも出ないので、大学での友人もあまりできない。
大学はつまらないところ。行っても意味なし。
そして退学。
一芸入試ってのも、どの程度の一芸か、ですよね。
もちろん1万人に一人、10万人に一人と言った突き抜けた一芸なら、それが自信になり、多少出来ない科目にもチャレンジしようという気になります。
ところが、十人並み、100人に一人程度の一芸だったら、すぐ自分でも「おれの芸はたいしたことがない」と分かってしまいます。
自信を失った芸ほど役に立たないものはありません。
そもそも1万人に一人、10万人に一人と言った突き抜けた芸を持つ学生に、大学教育なんか必要ないのかもしれません。
この間科学教育学会で知り合った大学の先生から聞いたんですが、『理系の子』という本で描かれたISEF(インテル国際科学技術フェア)で上位入賞した生徒の中にも、その後あまりハッピーじゃない人生を送っている子が結構な割合いるらしい。
その大学の先生は、「しょせん好きなことしかやらなかった子だから」と言っていました。
たとえ好きなことでも、レベルが上がってくるに連れ、根気よく取り組まなければならないことが多くなり、それは必ずしも楽しくなかったり、好きなことでもなかったりします。
好きなことしかしてこなかった子は、それを乗り越えるだけの耐性が養われていないのではないか。
そうぼくは仮説しています。
好きなことをとことんやらないといい成果は出ないのは確か。
だがしかし、好きなことしかやらないのもよろしくない。
好きなことしかやらないと、好きなこともできなくなってくる。
嫌なこと、嫌いなことも、テキトーに付き合う度量がないとね。
というわけで、嫌いな科目はまあ適当に、なんです。
嫌いな科目から逃げちゃいけない。
適当につきあう度量というか余裕も必要なんです。
それが、好きなことを続ける前提を作ってくれるんです。
では、どの程度まで付き合えばいいのか。
ぼくは「平均点を取れる程度」と思っています。
嫌いな科目、不得手な科目まで100点を狙ったり、上位を狙う必要はないと思います。
嫌いな科目、不得手な科目でも、平均点程度まで勉強しておく。
そのくらいはやっておいた方がいいと思います。
えー、平均点なんて無理だよー、と言うかもしれません。
でも平均点を取るのはそんなに大変じゃありません。
点数が悪いのは、ちっとも勉強していないからです。
点数を取るには、嫌いな科目でもきちんと勉強すればいいだけ。
嫌いだとつい勉強が遠のいてしまいます。
そこを我慢して、10分でも15分でも毎日やってみる。
その程度の努力、我慢かな?がハッピーな人生を作るとぼくは思っています。

2014年9月9日火曜日

勉強は優しい心を作る

今年は単身赴任生活から解放され、少し余裕ができたので、ちょっと難しめの資格試験に挑戦しています。
技術士2次試験衛生工学部門と電験1種一次試験です。
 
子どもにばっかり勉強させるんじゃなくて、親もがんばっているところを見せたいしね。
勉強するといいことがある、ってことも伝えたいから。
たとえ不合格だったとしても、あきらめずに再挑戦する。
子どもたちにそういう姿を見せたいんです。
 
先週土曜日に電験1種一次試験を受験してきました。
昨日、模範解答がインターネットに公表されたので,さっそく自己採点.
100点満点に換算して,
 
 理論 37.5
 電力 66.2
 機械 62.5
 法規 67.5
 
でした.
合格ラインは各科目とも60点くらいですので、理論はアチャーですが、他の科目は合格ですねー。
一次試験は科目合格制度なので、3科目の合格をGetです。
4ヶ月の勉強でこのくらいならまずまずかなーって思います.
目標は一次試験4科目合格,でしたから,その75%は達成できました.
来年の一次試験は、理論だけ受験すればオッケー。
1科目に集中して勉強できますね。
 
電力,機械,法規は経験が活きましたね.
理論はちゃんと勉強し直さないとね.
理論を受験して痛感したのは,計算力が足らないことです.
やり方は分かってるのに計算に時間がかかって間に合わない.
つまり,訓練不足.
 
さっそく理論科目の復習しました。
落ち着いてやれば解けた問題があと数問ありました。
あと20点以上は上積みできたはずです。
試験は制限時間があるから仕方ない。
この1年で計算力も身につけなくちゃ。
 
今回受験して思ったのは,電験1種など上級試験には過去問と同一問題は全くと言っていいほど出題されませんが,過去問をしっかりやっておけばその応用,転用で解ける,合格ラインに行けるって感触です.
これは,実際の仕事など現実問題も同じですね.
過去と全く同一の問題はないんだけど,過去の問題の解決法をしっかり身につけておけば,何とか対処できるようになる.
資格試験も、現実問題に対処する訓練になるんだって再認識しましたよ。
 
神戸のスパコンの施設運転スタッフに「電験受験してきたよー」とメールしたら、こういう返事が来ました。
 
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関口様
 
 さすがでございます。
 電験1種をたったの4ヶ月でここまで出来るってすごいですね。
 
 僕は現在10月5日のビル管試験に向けて勉強中です。
 理化学KBSスタッフで僕を含め5人がビル管を受験します。
 熱貫流やベルヌーイ関係の問題はエネ管受験した者にとるとラッキー問題ですが、
 初めて学ぶ人にとったら厄介な問題みたいです。
 以前、僕が関口さんから効率的に教えて頂いたように
 他のスタッフに効率的に教えています。
 試験対策も参考程度に以下のように伝えています。
 
  ・知っている人に聞くのが手っ取り早い
   無駄な時間を短縮し、そこで出来た時間を効率良く学習に使う。
  ・エビングハウスの忘却曲線を実践するのは難しいかも知らないけど
   このように勉強すると知識が自分のものになることを意識する。
   意識する事で、学習を漠然とするのでは無く、合格への道筋が出来るはず。
  ・必ず難問奇問があるから割り切って捨てる。
   (難問奇問でも他と点数は同じ。100満点を狙えば逆に危ない)
  ・問題の解き方は1年分180問(出題数)を解くのではなく
   年度をまたいで類似問題を解いてたら3、4年目ぐらいには
   結構解けてくる。
   (大きく分けて問1~問7を自分で見つける必要があります
    不親切な事にビル管の試験では問1~問180と記載されているだけで大別して
    いません。
    僕は試験勉強に先立って大別しました。もちろんスタッフにも伝えていま
    す。)    
 
 逆にスタッフに教えられる事もあり、5人で協力し合い
 合格へ向けて、奮闘中でございます。
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すばらしいですね-。
よく、勉強すると性格が悪くなる、って言いますが、まったく逆ですね。
勉強すると、性格がよくなるんですよ。
仲間同士、教え合い、助け合うようになる。
不勉強な人の方が、他人の足を引っ張ったり意地悪するように思います。
 
  努力して結果が出ると、自信になる。
  努力せず結果が出ると、傲りになる。
  努力せず結果も出ないと、後悔が残る。
  努力して結果が出ないとしても、経験が残る。(作者不明)
 
来年は,理論+2次試験合格,すなわち電験1種免許皆伝まで目指します.
毎日コツコツと勉強を続けていきたいと思います!
 

2014年9月5日金曜日

サイエンスカフェ「天文学と技術の深~い関係」at東京田町のお知らせ

10月12日(日)に東京田町で天文に関するサイエンスカフェをやりまーす。
畑違いなんですが、元天文少年ですからなんとかなるでしょー。
って、結局「技術」の話をするんですけどねー。
よろしかったらいらしてください~!


 10月12日(日)

 東工大キャンパスイノベーションセンター(JR田町駅そば)
   5F リエゾンコーナー

 1回目 13:00~14:30
 2回目 16:00~17:30

  18:00~天文観望会もあり

 申し込み http://goo.gl/TY6dg9
        受け付け開始してまーす!

2014年8月30日土曜日

子どもが自発的に勉強するまでの道筋

友人の塾教師の三木さんのブログに( http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/7486194.html )こうありました。



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本人が自発的に勉強するよう、その時をずっと待ち続けてきました。

このままではまずい。

そう思って自分から勉強するようになることを、ずっと。


入会前の保護者(三者)面談で、お母さんからそうお聞きすることがあります。その場合、正直、苦笑あるのみですけれど。


それで、そのようになりましたか?

いいえ、いつまで待ってもそうならないので、今日はこうして子どもを連れてきました。


そうでしょう。子どもなんて、そんなものです。「自発的に…」「自ら問題を探し、自らそれを解決し…」教育現場に広く蔓延するところの美辞麗句ですが、普通、そうはならないんですよ。大人が、その方向へ向かうように、投げかけをしなければならないんです。

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まったくもってその通り。

自然に(つまり放っておいて)子どもが自発的に勉強するようになることは、絶対にありません。
自発的に勉強するためには、好奇心が芽生えていないとならない。

その好奇心のタネはやっぱり基礎学力だと思います.

ぼくが子ども向けのサイエンスカフェなどをやったとき、アンケートを取ると必ず一人か二人「つまらなかった」という子がいます。
そういう子の文字の形を見たり、感想に書かれる文章を見ると、基礎学力に難があるように見えます。
基礎がないので、何を言っているのか、何をやっているのか理解できない。付いて行かれないんです。
それじゃあ、楽しくないのも当然でしょう。


自発的な勉強は、小4程度までの読み書き計算の基礎の上に立ったものなんです。

その程度の基礎が身についていれば、何かに興味を持ったとき、のめり込んでいくことが出来る。


どんなことであっても、自発的に何かをやるには、やれるだけの「道具」あるいは「技術」を持っていなくちゃいけません。

勉強の場合、それが小4程度の読み書き計算なのです。

基礎的な知識,技能が身についている方が,多くのことにチャネルが合い,それを楽しむことができるのです.



勉強が楽しくないという子の原因はそこにあると思います.

楽しめるものの幅が狭くなっている子が,すなわち基礎学力が身についていない子は、ゲーム三昧,テレビ三昧となってしまう.

だって、それ以外面白くないわけですから。

選択の幅が非常に狭いのです。



大人だって仕事が面白くないとか,社会がつまらないとか言う時,それは基礎的なことが身についておらず,楽しいと思えるものの幅がとても狭くなっちゃっていることなんでしょう.

パチンコなどギャンブルしか楽しめない大人ってそういうことなんだと思いますよ.



基礎学力の習得は,子どもにとっても楽しくないものだと思います.

「分かる」楽しみ,「考える」楽しみはまるでない.

でもやらなくちゃいけない。

つまらないことでも、きちんと詰め込んでやる必要があります。

それが、親の務めだと思います。

善意の強制、です。



でも、子どもだってできれば嬉しいはずです。

「できる」喜びはあるんです。

だから「できる」楽しみで引っ張ってやる.

できるようにすることで,モチベーションを維持するしかないんだと思います.



そしてある程度基礎学力が習得された段階で,時々その知識,技能を使って「考える」「わかる」経験もさせる.

たとえば、我が家では仮説実験授業に連れて行ったりしています。

そうやって考えたり、分かったりする楽しみを味合わせる。

すると,基礎学力習得の意義が子どもにも伝わります.そうなれば,多少つまらなくても勉強するモチベーションが生まれます.



勉強の習慣作りは大変な難行です。

小学校中学年、10歳までは親が導いてやる必要があります。

その年齢、発達段階に合わせて、やり過ぎないように注意しながら。

我が家では、岸本裕史先生の教えに従って、学年×20分を目安に勉強させています。

1年生の時からコツコツと続けて、ようやく11歳頃に自発的に勉強するようになるものだと思います。

すなわち、目標を自分で見つけ、学びたいことを自分で発見できるようになる。

その日を楽しみに、今日もコツコツと。