こんにちは
空調冷凍学会に参加しています。
いろんな人の話を聞けるのが嬉しいですね。
自分の仕事に転用できそうな技術もザクザクあります。
学会参加はオトクですよ。
空調冷凍学会ですから、省エネ、脱炭素社会に関する研究が多いです。
昨日聞いた話で面白かったのは、省エネのため冬季18℃に空調温度を設定することが多いが、これは必ずしも省エネにならない、ということ。
18℃というのは、経済省などお役所が省エネのために推奨する冬の空調温度です。
外気が冷たい季節に過度に空調温度を上げるのはエネルギーの無駄。
それは確かなんですが、どんなときでもそうかというと、そうじゃないんです。
この発表によるとこうでした。
最近のオフィスは、建物の断熱がよくてOA機器が多く室内発熱の高い部屋が一般的です。
こういう部屋ではわざわざ空調機から暖かい空気を送り込まなくても、OA機器などからの発熱で温められているんです。
空調しなくても20℃~22℃くらいになるんですよ。
こういう部屋で18℃設定にすると、冬なのに空調機は冷房運転を始めてしまいます。自動的にね。
冷房して18℃に制御してしまうのです。
冷房するためは空調機はエネルギーを使います。
そして室内には冷風が吹いてきます。
室温を18℃に下げるために、空調機の吹き出し温度は14℃とか16℃とかかなり冷たい空気になっています。
部屋の中で仕事をしている人にその冷気が吹き付けられます。
寒くて不快です。
不快だと仕事の能率も下がります。
エネルギーを使って不快なオフィスを作ってしまうのです。
これって省エネじゃないですよね。
よのなかには「省エネ原理主義者」がいて、冬は18℃、夏は28℃以外は認めん!という職場もあったりします。
何が何でも冬は18℃じゃなきゃいけないって。
でも上に見たとおり、場合によって違うんですよ。
断熱がよい建物でOA機器など発熱のある部屋では、20℃とか22℃設定の方が省エネになるんです。
その上、冬はやっぱり18℃だとちょっと寒いよね。
ウォームビズなど暖かい服装をしても、がまんが必要。
20℃や22℃の方がやっぱり快適だし、仕事の能率も上がるんです。
OA機器などからの発熱で部屋が十分暖められているなら、空調機を停止できます。
動かさなければエネルギー消費はゼロです。
快適な温度でエネルギー消費がゼロ、これぞ本物の省エネですよ。
もちろん、必要な換気はしないとダメですがね。
ぼくの勤務する研究棟の研究室なんかまさにそうですよね。
計算科学、計算機科学の研究者ですから、高性能のパソコンを部屋に置いています。
パソコンの発熱はけっこうありますよ。
もちろん建物は新築したばかりで断熱性能もバッチリです。
研究室がどんな風に使われているのか、自分でもその部屋に行って最適な設定値を決める。
研究員の人たちと話し合って、快適性も損なわず、エネルギーも使わないポイントを探っていきたいと思います。
そもそもエアコンは快適な室温を作り出すための機械なんです。
オフィスのエアコンは快適な室温で効率的に仕事をしてもらうためのもの。
そこを外して、省エネ原理者になって室温設定だけ厳しく言うのは間違っていると思います。
エネルギーを使って冷房したのに、仕事の効率を下げてしまうのは、もったいないとしか言えません。
国土交通省が「仕事がはかどるオフィスビル」というテーマで業界横断的なコンソーシアムを開催していたことがあります。
日本のホワイトカラー、事務職の労働生産性が低いことは有名です。
生産性を高めるには、オフィス環境も重要だって事なんです。
空調も重要な一要素です。
「仕事がはかどるオフィスビル」の報告書の中に、<夏季に27℃から26℃に1度室温を下げると 能率が11.7%向上する>って書いてありました。
ナルホドーって思います。
省エネのために空調設定温度を高くすると、暑くてイライラします。
暑くてうちわやセンスで首周りを扇ぐ。
そんな時間だって、積み上げればバカにならないでしょう。
それなら、多少空調を効かせ気味にして、効率を上げて仕事をする。
その代わり、早く退勤すればいいのです。
たとえば、毎日2時間残業して10時間働いている職場なら、11.7%効率upするなら1時間は確実に早く退勤できる計算です。
1時間早く退勤して、空調を停め、照明も消せるなら、エアコンの設定温度を1℃下げて削減できるエネルギーを大きく上回る省エネ効果があります。
もちろん、残業代も減り、労働者の疲労も少なくなります。
きちんと睡眠時間を確保し、家族との時間や自分の自由な時間も増えます。
翌日に疲れを持ち越すことがなくなるんです。
翌日もバリバリ働けるようになるんです。
いいことずくめだと思います。
家に帰るより職場の方が快適だし、残業代ももらえるし、という困ったちゃんもいるかもしれませんがね。
省エネは、そもそも無駄に使われているエネルギーを「省く」ことです。
省エネのためだと言って、暑いオフィスで無理してダラダラと仕事をするのは、返って無駄なことだと思います。
もちろん、冷房しすぎのオフィスでふるえながら仕事をするのも無駄。
そこで働く多くの人が気持ちよく、効率的に仕事ができるような環境をつくる。
確かに光熱費はコストです。
コストを削減するのは正しい行為です。
でも「部分」だけ見ていると間違えます。
オフィスのコストをそこで働く人の人件費まで含めて考えてみましょう。
そうすると全体コストの中で光熱費の占める割合はわずかに5%くらいなのです。
その5%のうちの1/3、つまり1.7%が空調にかかるコスト。
たとえば空調コストを1%減らすことは、全体から見たら0.017%の削減にしかなっていないのです。
オフィスの快適性を損なってまで省エネするばかばかしさがわかるかと思います。
オフィスの快適性は損なわず、意味のない残業を減らしていく。
それが全体として最も省エネになるんだと思います。
省エネは「我慢」じゃないんです。
効率、生産性を落とさずに、無駄を省いていくことなんです。
2011年4月21日木曜日
ゴキゲンをキープする

こんにちは
昨日は、空調学会、冷凍学会、機械学会合同講演会で発表しました。
スパコンの冷却設備についてです。
top500、Green500、PUEをキーワードにして、楽しくて元気なプレゼンをしました。
ところが昨日はちょっとスベリましたよー。
実は空調や機械関係の学会で発表するのは初めて。
電気関係では慣れてましたが、やっぱり雰囲気が違うんです。
参加者は真面目な方が多く、他の皆さんの発表も真面目一直線。
ぼくは完全に浮いてしまいましたー。
あはははは。
ま、面白いことをやってる変な人がいるんだな、と皆さんに思ってもらえたなら大成功ですよ。
ぼくの発表後、名刺交換に来て下さった方もいましたしね。
来年はスパコン棟空調設備について、空調学会学会賞に応募しようと思っています。
学会発表を利用して、論文を書くことによってネタ集めをしていく。
それとともに学会内での認知度を高めていく。
そういう戦略なんです。
さて、ぼくはこの4月に「調査役(課長待遇)」ってものにしてもらいました。
嬉しいですねー。
何が嬉しいってお給料が上がること。
なんたってぼくはプラグマティスト(=実利主義者)ですからねー。
ここで注意が必要ですよ。
たいていの人は課長級に昇格すると、やる気がなくなるんです。
なぜなら管理職扱いになるので、超勤手当が付かなくなるからね。
管理職手当が増えても、超勤手当がなくなってしまう。
平社員の時に残業をたくさんやっていた人は、課長級に昇格すると実質的に減収になってしまうんです。
ごくごく普通の人は、収入が下がればモチベーションも下がってしまうのが当たり前なんです。
こんな先輩がいましたよ。
平社員の時は毎月数十時間残業していました。
当時我が社は完璧な年功序列でしたので、その先輩もある年齢が来たんで課長級に昇格したんです。
やっている仕事は平の時と変わらない。
なのに昇格したとたん、残業しないで定時に帰るようになった。
なんじゃそれー。
たぶんその先輩は、残業代もらえないなら残業なんかするか、という超合理的な考えだったんでしょうね。
それはとてもかっこ悪いことと思ったので、ぼくは真似しないぞーと思ったものです。
昇格する嬉しさを減収することが打ち消し、モチベーションを下げてしまう。
それはとても損なことだと思うのです。
モチベーションが下がってやる気がなくなれば、その時に得られるべき知識や技能を得るチャンスを失ってしまいます。
人はゴキゲンなときに一番パフォーマンスがよくなるんです。
よいパフォーマンスを出していれば、自然と知識も増え腕も上がるのです。
不機嫌だと才能は開花しないのです。
どんな会社でも課長止まりの人ってたくさんいるでしょ。
そういう人はたぶん、課長になったときに不機嫌になった人なんですよ。
不機嫌だからモチベーションも上がらず、業績も上がらない。
だからそれ以上のポジションを得ることもできなくなる。
ぼくもその先輩が昇格した年齢に近づいたとき、残業は極力しない、という方針にしました。
すこしばかりの残業代と引き替えに、不機嫌になるのは割に合わないことだからね。
それに、残業をしないようにして、限られた時間内に仕事を片づける方が腕が上がることも分かったから。
20代や30代はたくさん残業して、たくさん仕事をした方が能力が上がります。
でも40代は違う。
残業しない方が腕が上がるんです。
その方が長い目で見たら断然オトクなんですよ。
武田双雲『上機嫌のすすめ』平凡社新書¥700-から引用します。
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才能があるのかないのか、本人はもちろん、まわりの誰もわからない。才能なんて、じつに怪しげなものだと思います。
才能ということに関しても、僕は自分でひとつの結論を出しています。最終目的をどこに置いたのかで決まってくるだけの話だと考えているのです。
ビジョンといってもいいと思います。
このビジョンの大きさが才能だと僕は考えています。
ビジョンがある人はどんなことがあってもモチベーションを下げずに、大きな目的に向かって歩み続けられると思います。
そんなふうに、モチベーションを下げないことこそが才能にちがいありません。
そして、モチベーションが下がらない最大のコツが、上機嫌なのです。(32p)
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そうなんです。
上機嫌こそモチベーションを維持し、才能を開花させるもの。
では上機嫌でいるためにはどうしたらいいか。
成り行きにまかせてはダメですよ。
自分でコントロールしなくちゃ。
たとえば、課長級になる数年前から残業をしない。
残業代をもらわないようにしておく。
すると昇格したときに確実に収入は増えます。
ぼくだってごく普通の労働者ですから、給料が増えれば嬉しい。
家族にだって自慢できます。
だって昇格しても給料が下がっちゃったら、女房に「ふーん、偉くなったの。でもお給料は下がるの。ちっとも嬉しくないわねー。平でいればよかったのに」なんて言われちゃいますよ。
オトコよりオンナの方が実利主義だからねー。
女房からそんなことを言われたら、ますますやる気なくなりますよね。
なので40代半ば頃から、断固残業しないようにがんばってきたんです。
でもなかなか昇格しなかったんですがー。
あははははは。
写真は神戸研CDBに造った幹細胞研究棟。
ゴキゲンに出来上がりました。
引越をしている若い研究員たちがとても嬉しそうにしていました。
ゴキゲンな建物でゴキゲンな仕事をしてほしいですねー。
2011年4月20日水曜日
行動経済学入門

こんにちは
昨年度末、人事部からこんなお知らせがまわってきました。
> 昨日の部長会でも人事部よりご報告いたしましたが、
> 定年制事務職員の自己啓発意欲を喚起し、理研の経営効率の増進を目的とした
> 特別昇給の申請受付を行います。
> 今回は、平成19年~平成22年度に昇給事由に当てはまる件があった場合、
> 申請の対象となります。
労働基準法(第14条第1号及び第2号)では、「高度の専門的知識等を有する労働者」というのを定めてあって、こういう人は普通より長期の労働契約を結べることになっています。
専門的知識、技能を持つ労働者は代替えが効かないので、会社としても長期間確保したいわけです。
どんな人が専門的知識等を有する労働者か、具体的にはこんな具合です。
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2002/02/h0213-3.html
我が社としても高度な専門的知識、技能を有する社員を優遇し、あるいは社員が高度な専門的知識、技能を自ら獲得すべく努力することを期待して、特別昇給させようということなんですな。
ぼくは我が社にこんな制度があるなんてちっとも知りませんでしたよ。
で、こういうお知らせがまわってくるということは、年度末になっても誰も申請する人がおらず、人事も困っているんだと思いました。
困っている人を放っておけないのがぼくの性分。
幸い20年度にぼくは第一種放射線主任者試験という大形資格に合格していました。
この資格は厚労省で定める高度の専門的知識には含まれていませんが、ここに書かれている資格と遜色ないレベルですし、我が社のような研究所には必須の資格です。
実際、放射線主任者試験で勉強したことを活かしてXFEL棟の設計や施工監督にあたりましたからね。
放射線の知識が身に付いたおかげで、かなり見通しよく仕事ができたんです。
厚労省で定めた資格に準じるものとして、堂々と申請できると判断しました。
4/1にぼくはちょこっと昇格し、辞令をいただきました。
そこには「俸給○等級△号俸を給する」と書いてありました。
さっそく我が社の給料表を調べました。
我が社の場合、昇格しても給料はドカンとは上がりません。
等級が上がって、今もらっている給料の直近上位にランクされることに決まっています。
給料表を見てみたら、もらった辞令では直近上位よりちょびっと上のランクになっている。
「やったー、特別昇給したんだー」と思いました。
さっそく人事の担当者にお礼のメールを打ちました。
ところがところが、そうじゃなかったんです。
お礼のメールを打ったすぐ後、廊下で人事課長に会いました。
それによると、昇格すると直近上位より上の号俸にするよう最近規程が変わったのだそうです。
だからぼくの場合も昇格に伴う昇級だけだったんです。
つまり特別昇給はなしだった、ってこと。
人事課長は「関口さんは昇格もして、加えて特別昇給もさせてしまったら上げすぎになってしまいます。合格した資格は素晴らしいと思いますし、我が社にとっても必要なものだと思います。でも人事部長や担当理事とも協議した結果、今回は申し訳ありませんが特別昇給はなしでお願いします」と丁寧に説明してくれました。
がっくり、ぬか喜びでした。。。
我が社の人事も担当理事も行動経済学の研究成果をご存じないな。
行動経済学には「プロスペクト理論」というものがあります。
人の感情は、収入の増加に対して比例しないんです。
収入が増えれば嬉しいんだけど、その嬉しさはどんどん収入が増えていってもあまり嬉しさは増えていかない。
収入が減れば悔しいんだけど、その悔しさはどんどん収入が減っても悔しさはあまり増加しない。
一番嬉しさを感じるのは、ちょっぴり収入が増えたとき。
逆に一番悔しいのは、ちょっぴり収入が減ったときなんです。
人は嬉しいときにやる気が出ます。
嬉しいとどんどん仕事をするようになります。
だから社員に仕事をもっとさせようと思ったら、ちょっぴり昇給してやるのがオトク。
逆に、人は悔しいときにはやる気が出ない。
悔しくてむしゃくしゃしていれば、仕事なんかする気になれないものです。
だから、ちょっぴり減給するのが最も損なやり方なんです。
昇給するならちょびっと、減給するならドカンとやった方が、経済合理的なんです。
ぼくもちょびっとでも特別昇給させてくれたら、もっとやる気が出て我が社のために貢献したのにねー。
あははははは。
ところで最近、人件費抑制のために人事評価制度を導入している会社も多いと思います。
総人件費が同じなら、仕事を良くやる人に多めに分配し、仕事をしない人には少なく分配する。
そうやって社員のやる気を喚起しようという魂胆ですな。
でもプロスペクト理論を適用するなら、やり方に注意が必要です。
よくあるやり方は、仕事をしない人からちょこっと減らした分を、仕事を良くする人にそのまま付け替える、というもの。
たとえば社員のうち10%のダメ社員の給料を減らして、10%の有能な社員にその分を付け替えるみたいな。
これは給与設計上大変よろしくない。
もちろん給料を増やした社員はやる気になりますよ。
ところが給料を減らされた社員はものすごくやる気を削がれます。
ちょこっと減らされるときほど、感情は悪化するというのが、プロスペクト理論の教えるところ。
減給された社員はすごくやる気を削がれ、本来持つパフォーマンスさえ発揮しなくなります。
どうせおいらの給料は安いんだから安い仕事してやれ、ってなもんです。
それに加えて、自分が減らされた分を優秀な社員が受け取っているんです。
その社員に対して恨みを持つようになります。
あいつのせいで俺の給料は減ったんだ、あいつが俺の給料を横取りしやがったんだと、優秀な社員の邪魔をしたり足を引っぱったりもするようになってしまうんです。
こうして、会社全体のパフォーマンスは悪化してしまうのです。
へたな実力主義給料は、平等横並び給料だったときよりも、悪い結果をもたらすのです。
ではどういう給与設計にしたらいいでしょうか。
プロスペクト理論をご覧なさい。
収入がちょこっと増えると、すごく嬉しくなる。
収入がドカンと減っても、悔しさはそれほど増えない。
人は嬉しければゴキゲンになってパフォーマンスが上がるんです。
そういう社員がたくさんいた方がいいでしょ。
それに対してやる気のない不機嫌な社員は少ないほどいい。
やる気のないダメ社員もそんなにたくさんいるわけじゃありません。
それなのに一律10%とか決めると、そこにやる気はあるけどまだ未熟で成果が上がらないだけの社員もダメ社員の烙印を押され、やる気を削いでしまうのです。
金の卵を孵化する前に腐らせてしまうようなものです。
それはもったいないですよね。
実は、トップ10%位の優秀な社員は給料が少しぐらい上がってもちっとも嬉しくないんですよ。
こういう人は仕事そのものが面白いし、やりたいことがやれるってことの方に価値を置いています。
給料以外に、同僚からの信頼や、お客さんからの賞賛など、たくさんの報酬を得ている。
こういう人にちょっとくらい給料を増やしても、それが劇的な効果を現すことはまったくありません。
それよりもごく普通の社員、会社に60%~80%といる人たちにがんばってもらう方が、会社全体のパフォーマンスは上がるんです。
もうお分かりかな。
だから本当に誰が見てもあいつはやる気もなく、人の足を引っぱるばかりで、邪魔なだけの社員。
こういう少数だけど組織の効率を極端に下げている社員の給料はドカンと下げるんです。
そしてそれを小分けにして、ごく普通の社員たちの給料をちょびっと上げる。
もちろん「よくがんばってるね」と一言も加えて。
そうすればごく普通の、たくさんいる社員たちは気分がよくなり、よりがんばるようになりますよ。
給料をドカンと減らされたダメ社員の方も、自分の給料を横取りした相手がたくさんいるので、足を引っぱることもできなくなります。
ダメ社員がごく少数なら、腐っているだけであまり仕事をしなくても、全体に対する影響は少ないでしょう。
会社全体のパフォーマンスは確実に向上するはずです。
いかがでしょう、こんな給与設計は?
2011年4月19日火曜日
好きなこととことん

こんにちは
電気技術者協会関東支部の事務局長さんからこんなメールをいただきました。
###
お世話になっています。
日頃は、当協会の事業運営について、ご高配をいただき誠に有難うございます。
厚くお礼申し上げます。
過日、会長表彰の候補者調査票を送っていただき、本部へ上げました。
本部から「電気技術者歴」が20年未満は受付できないむねの連絡が入りました。
いろいろと交渉してまいりましたが、受付していただけない結果になってしまいました。
私の力不足で誠に申し訳ありません。
なんとお詫びしてよいか、ただ謝るのみしか言葉が出てきません。
簡単にお許しをいただけるとは思っていませんが、今回はご勘弁していただければ幸いに存じます。
今後、このようなことが無いように業務を進めてまいる所存です。
誠に申し訳わけありませんでした。
###
おお、なるほど、なるほど。
昨年末、事務局長さんから「ぜひ、会長賞に推薦したい」という連絡がありました。
ぼくはまだ若輩者だからいいですよー、といったんは辞退しました。
でも事務局長さんに「関口さんは50歳になったんだし、支部長賞も受賞したし、十分資格ありです」と言われ、経歴書を書いてお預けしたんです。
電気技術者協会は、電気主任技術者という法定資格者の研修団体です。
社団法人、公益法人で、会員数は1万人。
そこで会長賞をいただけるということは、保安電気技術者としては最高の栄誉なんです。
たしかにぼくは50歳になっちまいましたが、まだまだ技術者としてはヒヨッコに過ぎないと思っています。
電気主任技術者試験に合格したのは平成7年でした。
だからまだ16年しか経験がないんです。
学校を卒業してすぐ技術者になった人と、同じ50歳でも半分くらいの経験しかない。
技術者へシフトチェンジしたのは33歳にもなった時ですからね。
ヒヨッコですよ、完全に。
本来保安電気技術者として長年の功績のある人に贈られる会長賞には、ぼくはまだ値しないと思います。
それでもその16年は仕事にも恵まれ、一生懸命仕事をしてきたという自負はあります。
電気主任技術者としても、横浜研立ち上げ、和光RIBF建設時にがんばりました。
XFEL棟もスパコン棟も、細々したミスもたまにありましたが、大枠では保安上支障なく造り上げられたと、自分では思っています。
意図的に経験を積み重ね、人より1割か2割よけいに仕事をし、楽しくバリバリとやってきたのは確かだと思います。
事務局長さんがそんなぼくを評価してくれたんだと思うと、ありがたいことだと思います。
電気技術者協会の会報に寄稿したり、我が職場を見学していただいたり、会の運営にできる範囲で貢献してきたのも事実。
でもそれはぼくがこれまで技術者協会の見学会や勉強会で学ばせてもらってきたことへの恩返しでもあったんです。
少しでも会員の皆さんに役立つことができないかという思いからです。
会長賞を狙っていたわけでもない。
ともかく、今回は会長賞を受賞できなくてよかったです。
いや負け惜しみじゃなくて。
だって今もらっちゃうと、先の楽しみが減るじゃないですか。
これからも努力して電気技術者としての腕を磨きなさい、これからもより技術者協会の事業に協力して会員、後進の技術者たちの役に立ちなさい、ということなんだと思います。
保安技術者として20年の経験を得るまで、あと4年です。
あと4年電気技術者としてがんばって、4年後には堂々と会長賞受賞といきたいですねー。
子どもさん向けのサイエンスカフェの講師をやることが多くなってきました。
サイエンスカフェで子どもたちに伝えたいことは、<すきなこと、とことん>です。
人間は好きなことをやっているときが一番楽しいし、パフォーマンスも上がる。
好きなことを見つけ、それに熱中しよう、というメッセージです。
当然ぼくだって同じ。
言う方のぼくが好きでもないことをダラダラやっていたんじゃ、迫力出ませんからね。
おかげさまで4月から神戸計算科学研究機構へ異動となりました。
希望通りです。
会社で50歳にもなれば、現場のフロントからは遠ざかり、管理職になってしまうことも多い。
あるいは、閑職に追いやられ、好きでもなく得意でもない仕事をあてがわれる人もいます。
そんななかでぼくはまだ技術者としてフロントマンでいられる。
自分のキャリアを守ることができたんです。
これはなかなかにハッピーですよ。
ここでぼくはスパコン立ち上げ時の施設運用を総括します。
スパコンは電力を消費し、その発熱を除去しないと動きません。
安定した電力、空調のために「仕組み」を造っていく仕事です。
ぼくの仕事が世界一に繋がると思うとワクワクしますねー。
そして電気技術者協会会長賞も楽しみのひとつに加えることができた。
とことん、やりますぞーーー!
昨年末に和光研に完成した脳神経回路遺伝学研究棟。
桜の中の研究棟というコンセプト通り、とってもビューティフル!
先生は見つけるものである
こんにちは
先生に合わせてもらおう
お金払ってるんだから
電車の車内広告にこんなことが書いてありました。
英会話学校の広告です。
「こんな気じゃあ、上達しないよなー」とぼくは心の中で思いました。
教育というものは<先生に合わせる>ことでしか成立しないものだからです。
先生を尊敬し、先生のようになりたいと思う。
これまでの自分のあり方を否定し、自分を変えていく。
学習とは自分を変えていく作業に他ならないからです。
だから、先生に合わせてもらおう、という態度ではいけないのです。
それでは自分は変わらないからです。
たぶんこの広告では、自分のスケジュールに合わせて、自分のリクエストに従って教えてくれる、ということを言いたいのでしょう。
でもね、スケジュールだって先生の都合に合わせてまで学びたい。
その内容だって先生が決めたものの方が自分で決めるよりずっとよいはずだという確信。
それが大切なんですよ。
その方が学習効率はあがるんです。
「あ、この先生に着いていけば間違いないな」
「この先生はぼくをかしこくしてくれる」
「先生の言うとおりにすると、なんだかできる」
「先生といると楽しい!」
我が子たちにもそんな先生を見つけて欲しいものです。
先生に合わせてもらおう
お金払ってるんだから
電車の車内広告にこんなことが書いてありました。
英会話学校の広告です。
「こんな気じゃあ、上達しないよなー」とぼくは心の中で思いました。
教育というものは<先生に合わせる>ことでしか成立しないものだからです。
先生を尊敬し、先生のようになりたいと思う。
これまでの自分のあり方を否定し、自分を変えていく。
学習とは自分を変えていく作業に他ならないからです。
だから、先生に合わせてもらおう、という態度ではいけないのです。
それでは自分は変わらないからです。
たぶんこの広告では、自分のスケジュールに合わせて、自分のリクエストに従って教えてくれる、ということを言いたいのでしょう。
でもね、スケジュールだって先生の都合に合わせてまで学びたい。
その内容だって先生が決めたものの方が自分で決めるよりずっとよいはずだという確信。
それが大切なんですよ。
その方が学習効率はあがるんです。
「あ、この先生に着いていけば間違いないな」
「この先生はぼくをかしこくしてくれる」
「先生の言うとおりにすると、なんだかできる」
「先生といると楽しい!」
我が子たちにもそんな先生を見つけて欲しいものです。
2011年4月10日日曜日
日本の技術力を伝えたい!

こんにちは
サイエンスカフェでの話の中で、必ず「日本の技術力のすごさ」や「日本人の独創性」についても話します。
http://kobeuscienceshop.blog.so-net.ne.jp/2011-03-27
XFELもアンジュレータにネオジム磁石を使えるから、レーザー発振が可能になったのです。
http://www-xfel.spring8.or.jp/undulator.htm
ネオジム磁石は世界一強力な永久磁石。
カフェでもネオジム磁石を持っていき、参加者のみなさんにどれだけ強力な永久磁石なのか触ってもらいます。
子どもなんか顔を真っ赤にして引っぱっても、二つの磁石を引き離すことができません。
手のひらをはさんで、二つの磁石がくっつくところなんかも見せたりします。
で、このネオジム磁石は日本の発明品だ、ってお話しします。
ネオジム磁石は、住友特殊金属の佐川眞人博士が1984年に発明したものなんです。
この磁石のおかげで、携帯電話のコンパクト化と普及、電気自動車の実現、iPodで長時間いい音で音楽を楽しめるのです。
携帯電話のマナーモードで、着信時にブルブルと強烈に振動させているのは、内部に仕組まれた超小型モータ。
このモータもネオジム磁石を使っています。
磁力が強いのでごくわずかな電流でも、強いトルクで回転することができるのです。
だからあんなに強烈にブルブル震えるのです。
電気自動車のモータにもネオジム磁石が使われています。
これも磁力が強力なので、少ない電流でも車を動かすほどのパワーが出るのです。
車に乗せられる程度のバッテリーで、長時間、長距離運転が可能になったのです。
iPodのイヤホンにもネオジム磁石が使われている。
磁力が強力なので、微弱な電流でもイヤホンを振動させることができます。
使う電流が少ないので、バッテリーが小さくても長時間音楽を楽しむことができる。
いい音のためにはダイナミックレンジの大きさが重要です。
ダイナミックレンジとは、小さい音から大きな音まできちんと再現できること。
ネオジム磁石の磁力が強いため、大きい音を出すためにもそれほど大電流が必要ありません。
電流が大きくなければ、電線の電気抵抗によってロスも大きくなり、それがダイナミックレンジを悪化させる原因になります。
でも、大電流を必要とせずに大きな音を出すことができるのですから、ロスもなくなり、音の再現性もよくなるのです。
携帯電話、電気自動車、iPodの中には、同じく優れたバッテリーも使われています。
リチウムイオン電池です。
これも日本の発明品で、旭化成の吉野彰博士が開発したものです。
リチウムイオン電池のおかげで、コンパクトで大容量、しかも何回も充電可能な電池が使えるようになったのです。
このようにぼくらが日常的に便利に使っている機器には、日本の発明品、日本人が開発したものがたくさん使われているのです。
それを意外と知らないんですよ。
日本人は独創性がない、日本は他国の真似で儲けている、なんて悪口ばかり聞かされています。
そしてそれを信じている人が多い。
まったくそんなことはないんです!
もうちょっと言うと、アップルのiPhone。
誰もがアメリカ製だと思っているでしょう。
iPhoneを持っている人は、ご自分のものをよく見てみてください。
「made in china」って書いてあるはず。
だからって、全部中国製ってわけじゃないんです。
なんと、iPhoneの販売価格の約1/3は日本製部品代なんだそうです。
ウォールストリートジャーナル2010.12.15に、実際にあるロットのiPhoneを分解してみて、各部品を調査した結果が掲載されていました。
たしかに完成品を出荷しているのは中国なんですが、部品はいろいろな国から集められている。
完成品の出荷価格178.96ドルのうち、34%が日本製部品の価格にあたり、ついでドイツ製部品が17%、韓国製部品が13%だったのだそうです。
中国はそれらの部品を組み立てて、最終的な製品として輸出している。
その中国が受け取る組み立て費は、出荷価格のわずか3.6%にすぎないのだとか。
貿易統計上「made in china」とあっても、実体は上記のようになっているのだそうです。
で、iPhoneに使われている日本製部品は何か。
先ずはフラッシュメモリ。
これも東芝の増岡富士雄博士が開発したものです。
だから東芝製フラッシュメモリの品質とシェアはダントツです。
電子機器は一般的にCPUが重要だと思われていますが、メモリも重要なんですよ。
演算器だけでは継続した計算はできないのです。
演算結果をメモリに貯めることができてはじめて、継続した計算を続けることができる。
量子コンピュータというものが研究されていますが、演算器はもうすぐできそうなんですが、メモリがまだまるでめどが立っていない。
メモリがなければ役に立つコンピュータはできないんです。
話を戻して、iPhoneに限らず携帯電話には必ず表面弾性波フィルタが使われています。
超高性能のバンドパスフィルタで、送受信時に不要な周波数のシグナルをカットする役目をしています。
これが村田製作所製。
村田製作所は電子部品のトップメーカーで、特に超小型積層セラミックコンデンサでは世界一のシェアを誇っています。
さらにGPS機能のための三軸電子コンパスは旭化成エレクトロニクス製。
液晶タッチパネルもシャープ製でした。
そもそも液晶ディスプレイ、タッチパネルが実現できたのは、ノーベル化学賞を受賞した白川英樹博士が導電性プラスチックを開発してくれたからです。
液晶ディスプレイを光らせるLEDバックライトだって、日亜化学の中村修二博士が開発してものですしね。
どうです?意外と知らないことばかりでしょう。
日本の技術の素晴らしさが分かってきましたか。
こんな風に日本の技術はすごいんだ、日本人の技術力はスバラシイ、と言ったことを子どもたちに伝えていきたいんです。
震災の影響で、直接的に被災しなかった工場も、輪番停電の影響で十分稼働できていないようです。
そのため世界中で日本からの部品が途絶えてしまって困っているんです。
(iPhoneに使われている部品については、新潮社PR誌『波』'11.04阿部和重「幼少の帝国」を参照しました)。
XFELプロジェクトは3月末にファーストビーム成功しました!
http://www.riken.jp/r-world/info/info/2011/110329/index.html
XFEL棟空調設備について、設計した日建設計さん、施工した三機工業さんとともに、空調衛生工学会の技術賞に応募したところ、みごと受賞決定!
電気設備学会にも、日建設計さん、きんでんさんと応募し、こちらも受賞確定!
ぼくも子どもたちに誇れる技術者でありたいと思っています!
2011年4月3日日曜日
人生の法則

こんにちは
先週3/27~29にかけて、春休みを利用して、溌貴君を神戸と播磨へ連れて行きました。
ホントは家族で旅行するつもりでしたが、直前に峻貴君が水疱瘡(天然)になり、晶ちゃんと共にお留守番になってしまったんです。
ぼくと溌貴君とで男二人旅となったわけです。
ぼくが播磨でのXFEL計画に参加した6年前、溌貴君は生まれました。
試験加速器SCSSのための変電所工事を一所懸命しているとき、額から流れ出た汗をいつもの首タオルで拭きました。
そのタオルも溌貴君の肌着などと一緒に洗濯していたものですから、顔をぬぐうとき赤ちゃんだった溌貴君のあま~い匂いがタオルからしました。
そんなことを覚えています。
1年後、実用機である8GeV-XFELプロジェクトが始まり、引き続きぼくは建屋建設のメインを仰せつかりました。
プロジェクト期間は5年間。
プロジェクト完成の時、溌貴君はちょうど1年生になる年。
ぼくは、「よし、この仕事を一所懸命やって、完成するときにはっちゃんに見てもらうぞ」と決心したんです。
その夢が実現しましたよ。
XFELプロジェクト開始の1年後には次世代スパコンプロジェクトも始まり、そちらにもぼくは誘われました。
スパコン建屋建設も同時並行で情熱を傾けて造ってきました。
それも家族に見てもらいたかったんですよ。
ちょうど溌貴君をXFELへ連れて行った日、3/29にXFELファーストビームが出たことのプレス発表も行われました。
http://www.riken.go.jp/r-world/info/info/2011/110329/index.html
非常にラッキーでしたねー。
タイミングもバッチリです!
皆さんお仕事中にも拘わらず、行く先々で溌貴君は歓迎してもらい、かわいがってもらいました。
感謝です。
それもぼくがこれらの仕事を一所懸命やり、それなりに貢献してきたからだと、自負しています。
がんばって結果を出せたから、みなさんから歓迎される。
誰かの役に立ち、喜んでもらうから、みんなからもよくしてもらえる。
それが人生の法則なんです。
そんなことも溌貴君に伝わればいいなーと思ったんです。
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