2012年3月23日金曜日

コンピュータに負けるな!

こんにちは

「何でお前の造った設備はちゃんと制御しないんだ!」

その設備はぼくが造ったんだけど、それを運転している人に怒られたんです。
確かにその時、とんでもない外乱があって、自動制御が追従できなくなった。
でもその時、その人はそこにいたんですよ。

自動制御だって制御可能な範囲があるんです。
どんなときでも上手く制御できるものじゃないんですよ。
制御範囲を超えたら、手動で制御したり、あるいは自動制御のパラメータを変更すればいい。
そういうふうに作ってあるんですから。

でもその人はただ見ているだけ。
そして文句を言うだけなんです。
なんで自らの判断であれこれやってみないのでしょうか。
要するに、実力ゼロだって自ら表明しているんですね。

ぼくは自動制御が嫌いです。
というより自動制御に頼る人が嫌いなんだな。
自動制御に頼ってばかりいると、無能になっちゃうからね。

今はコンピュータの性能がバツグンに向上し、かつ安価に導入できるようになりました。
そのため、これまで人間がやっていた仕事のかなりの部分をコンピュータが肩代わりできるようになりました。
たとえば自動制御機器もコンピュータの応用です。
人間があれこれやる必要がなくなっているんです。
みんなコンピュータがやってくれるからね。

「識者」はこう言うんですよ。

 コンピュータにできることはコンピュータに任せよ。
 人間はコンピュータにできないことをやればよい。

一瞬、正しいことを言っているように思えちゃうんですが、ぼくは全面的に賛成できかねますな。

コンピュータにできないことって、何でしょうか。
ホント今のコンピュータはとんでもなく優秀です。
たいていのことはやってくれちゃいます。
だから、コンピュータのできないことは、すんごく高度なことしか残っていない。
すんごく高度なことができる人間って、そうそういないものですよね。
ほとんどの人は、コンピュータにできることさえできなかったりするんです。

もう一つ。
すんごく高度なことが出来る人だって、最初からできるわけじゃありません。
少しずつ教育され、訓練されて高度になっていくわけなんです。
コンピュータにできるようなことを、自分の手と頭を使って繰り返しやることでしか、腕は上がらない。
それをコンピュータがやっちゃってるので、訓練する機会を奪われてしまっている。
ますますコンピュータにできることさえできない人間ばかりになっていってしまうのです。

竹中平蔵『竹中式マトリクス勉強法』幻冬舎¥950-にこうありました。

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(パソコン、インターネットなど)新しいメディアは能率性では圧倒的に優秀ですから、おおいに有効活用するといい。
しかし、時々は立ち止まり、古い手法でやってみるのも、ミスや誤解を防ぐのに役立ちます。
いずれにしても、重要なデータ分析などは、必ず自ら手を動かし、自分でまとめること。
それが、トレンドや要旨を掴むコツです。
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コンピュータがやってくれているとしても、時に自分の手と頭を使ってやってみることです。
そしてコンピュータの答えと、自分が出した答えを比べてみる。
それが自らの腕を鍛えてくれるし、コンピュータが正しいかどうか判断できるようになれます。
これを積み重ねていくことによって、コンピュータにはできないことができる人材に育っていけるんです。

竹中さんはこう言います。

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自分でまとめると、2つの大きな効果が得られます。
まずは、五感を刺激する効果です。
人間の記憶システムは五感を意識的に使うと、前頭葉が活性化されるといわれています。
手を使って書くことはこの五感の刺激につながり、ただ目で追うよりは、格段に記憶として定着しやすくなります。
もう一つの効果は、物事の本質を理解するのに役立つこと。
まとめるという作業は、すなわち枝の部分を捨て、幹の部分を探るという作業そのものです。(114p)
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コンピュータに頼ってばかりではいけません。
それでは成長するチャンスを失います。
時にコンピュータを疑ってみることです。
本質的に考えてみる事です。
原理をつかむことです。
それがコンピュータに負けない人材になる道筋だと思います。

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