2014年12月14日日曜日

本物のエリートとは何か

はっちゃんの10歳のお誕生日に話したこと、その4.
 
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大学はね、大きく分けて国立大学と私立大学がある。
学校で勉強するには、学費、つまりお金がかかるんだよ。
私立大学に入学すると、1年間の学費は100万円から150万円。
医学部とかだと300万円とか400万円かかる大学もあるんだよ。
 
それに対して国立大学の学費は50万円。
医学部でも同じ金額なんだよ。
ずいぶん少ないでしょ。
それでもずいぶん高くなったんだけどね。
実はお父さんもお母さんも国立大学を卒業したんだよ。
お父さんが大学生の時は7万円だったかなあ。
お母さんの時は20万円くらいだったと思う。
 
私立大学でも国立大学でも、ひとりの学生を教育するためにかかるお金はほとんど同じで、100~150万円くらいかかるんだ。
医学部なら300万円以上かかる。
東大なんか医学部以外の学生もひとり毎年300万円かけて教育しているんだって。
なのに国立大学の学費は50万円。
この差額、100万円とか250万円とかは誰が支払っているんだろう?
 
「税金でしょ?」
 
おお、さすが!その通り、税金なんだ。
税金は元々は誰のお金?
 
「働いた人が収めたり、会社が儲かったお金を納めたりだよね」
 
そうそう、もともとは日本国民みんなが稼いだお金なんだ。
じゃあ、どうして国立大学の学生には税金というお金をつかってるんだろうか。
 
「役に立つ人になってほしいから?」
 
そうだよね、ある意味投資なんだ。
よく勉強して将来日本のために働く人になってもらいたいから。
そしてそういう期待に応えてくれるだけの学生だから。
だから税金を使っても、みんなは納得しているわけだよね。
はっちゃんならどんな学生なら税金を使ってもいいと思う?
 
「しっかり勉強する学生かな」
 
だよねー、さっき話したように大学に入ってもちっとも勉強しないで、遊んでばかりだったり、授業にも出ないでバイトしてたら、税金を使うのはもったいない。
もちろん私立大学にも一生懸命勉強する学生もいるけど、国立大学の学生の方がやっぱり勉強する。
と言うより、勉強させられちゃう。
東大なんか宿題もたんまり出るそうだよ。
大学でも一所懸命に勉強すれば、社会に出て役に立つ人間になれる。
大学で学んだことをさらに発展して勉強し続けることもできる。
まあ、可能性だけどね。
 
そういう人は、自分のことだけじゃなくて、多くの人の役に立つ仕事ができる。
自分のことでいっぱいいっぱいな人は、とても他の人のことを考える余裕はない。
他の人のことまで考えられる人のことをエリートって言うんだよ。
ニートになったりして他人に迷惑をかけないだけじゃなくて、他の人、もっと大きく日本のためになることができる人。
それが本物のエリート。
 
そういうエリートになる可能性が高いから、国立大学の学生はたくさんの税金を使って教育してるんだ。
はっちゃんが大学生になる頃、お父さんはもう今ほどお金を稼げないかもしれない。
もちろん年を取っても役に立つ人間であり続けて、お金も稼げるように今も勉強しているけどね。
だからはっちゃんには国立大学に入って欲しい。
いや、国立大学以外なら大学に行かなくてよろしい(笑)。
 
 
しかも成績優秀だと学費免除、つまりただになったりもするよ。
さらに優秀だと、奨学金をもらえたりもする。
奨学金にも返さなければ行けない、借金みたいなものもあるけど、優秀な学生は返す必要のない奨学金が与えられるんだ。
お金をあげるからガンガン勉強してくれ、ってね。
はっちゃんが大学に行きたいなら、そういう学生になってくれなくちゃね。
 

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