2010年6月23日水曜日

頭をよくする訓練

こんにちは

このごみメールと同じ文章を、あるインターネット上の教育関係の掲示板にも投稿していました。
それが別の匿名悪口掲示板(2ちゃんねる)に無断転載されて、ぼくのことを「自己啓発書ばっかり読んでるバカ」と評してありました。
確かにごみメールに書くことは自己啓発書からの引用が多いですよ。
でもそればっかり読んでいるわけじゃないんだぜ。

ぼくは仕事柄、度々出張に行きます。
1泊二日の出張の場合、たいてい4冊本を持っていきます。
1冊は仕事に直接関係する技術系の専門書や雑誌、1冊はサイエンスに関する一般書(ブルーバックスなど)、もう2冊が自己啓発書やビジネス書、小説などです。
往復の新幹線と宿とでだいたい4冊読み切ってしまいます。

意外かもしれませんが、このうち一番読み終わるのが速いのが、技術系の専門書。
まったく未知の分野ではないので、7~8割方は既に知っていることが書いてあります。
知っていることが書いてある部分は読む必要ありません。
自分が未だ知らない部分だけ選択して読むのです。
しかも理解するだけの基礎がありますから、ある程度速く読めるというわけです。

もちろん、まったく知らない分野を勉強し始めるときは、じっくりと1ヶ月くらいかけて基本書を読み込みます。
新たな資格にチャレンジするときなどは、それなりに時間がかかるのです。
サイエンスの本も、既に知っている基礎概念を説明している部分は飛ばしてもいいので、結構速く読み終わります。

で、最初から最後まで読むのが、自己啓発書やビジネス書、小説です。
小説など飛ばし読みは絶対にできませんよ。
だから読むのに時間もかかります。
楽しい読書でもあります。

この手の本は、自分の中に未だないことが書かれているので、新鮮な印象を受けます。
勉強にもなります。
自分の経験と照らし合わせて、納得できたりする。
よって、引用したくなってしまう、というわけなのです。

印象に残った部分は、暇を見つけて書き写します。
モバイルパソコン(工人社のヤツ)を常に持ち歩いているので、一寸したすき間時間でもパソコン入力ができるようになりました。
読書も飽きるときがあるので、そういうときは気分転換も兼ねて、書き写す作業をするわけです。

書き写すと、本を読んで得たことがしっかりと頭の中に入ります。
あー面白かった、で終わらない、オトクな読書になります。
脳っていうのは「メモリーベイスドアーキテクチャ(記憶を基礎とした思考装置)」ですから、記憶のストックが多いほど思考力、判断力もupするのです。
覚えることはとても大切なことなんです。

そしてまた、書き写す作業は記憶力も鍛えることにもなるんです。
茂木健一郎『脳を活かす勉強法』PHP\1100-に、脳の記憶回路を使って記憶する方法が書いてありました。

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英文を覚える時を例にとりましょう。
まず英文を見ます。
次に、それを書き写すわけですが、英文を見ながら書き写しては意味がありません。
一度英文を見たら、そこから目を離して、写すのです。
これを何度も何度も繰り返します。
ここでポイントになるのは、原文から目を離すということ---つまり一時的に頭の中に記憶し、それを書き写す作業にするべきなのです。
原文を見ながら書き写すプロセスの中には、「記憶する」という作業が抜けています。
だから記憶が定着しないのです。(87-88p)
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さすが博覧強記の茂木さんです。
茂木さんは高校生だった頃、定期試験前に教科書を全文丸暗記していたそうです。

世間ではよく「暗記なんか役に立たない」「暗記と思考力は関係ない」「暗記はむしろ思考力に害がある」という言説があったりしますが、脳がメモリーベイスドアーキテクチャであることが分かっていないんだと思います。
そういう人はたいてい、思考力もなかったりします。
騙されてはいけません。
事実、茂木さんの思考力はすごいですよー。

ぼくの尊敬する国語教師である野口芳宏さんも

 頭の良さとは記憶力である。
  なぜなら覚えていなければ、仕事は積み上がっていかないから

と言っています。
確かにぼくの周りの人たちを見ても、段取りの悪い人ほど過去の同様な仕事を真似することなく、毎度毎度我流でやっています。
自分自身がやった仕事でさえ、過去に同様な仕事があったことを覚えていないからです。
覚えていないから無駄な作業も増え、残業も多くなってしまうのです。

茂木さんのやり方、英文だけじゃなく日本文にも通用しますね。
書き写すこと、それもいったん目を離して、文章を頭に入れて書き写すと、記憶力がupするんです。
記憶力を身に着ける確実な訓練になっているんです。
ぼくも実践していますよ。

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