2014年1月24日金曜日

守るものがあるからいい仕事が出来る

冷凍2種保安責任者国家試験の発表があった.
2名が受験した我がスタッフ,2名とも合格!

やー,おめでとう.
これでミドルエンジニアへの門が開いた.
高専卒レベルの試験だからね.
誇りを持ってほしい.
少し長い目で見れば,収入も2割は上がるはずだ.
すなわち,君たちの価値も2割上がったということだ.
よかった,おめでとう.

お祝いに焼肉食べ放題に連れて行きたいところだが,一人は食が細く,もう一人は超デブなので,飯をおごるのはやめておいて,図書券をプレゼントしよう.
引き続き,勉強を続けるように.
この仕事,勉強した者勝ちだからね.

合格はあくまで「入り口に立った」「門が開いた」にすぎない.
勘違いしないように.
資格試験で得た知識をコアにして,経験を積み重ねるように.
技術は「雪だるま」のようなものなのだ.
最初にしっかりとした硬いコアを作っておけば,転がすだけでどんどんと雪だるまは大きくなっていく.
コアなしに,あるいはあゆるゆるのコアだと,いくら転がしても雪球は大きくならないし,大きくなってもすぐ壊れたり,いびつな形になってしまう.

入り口,門にすぎないかもしれないが,でも合格することは重要なのだ.
だって誰の目から見ても,合格は合格.
合格出来るだけの人材だとはっきりわかるからだ.
自分がいくら仕事ができる,技術のある人材だと思っていたとしても,また実際そのとおりだとしても,世間はなかなか認めてはくれない.
実力があるならなんで資格くらい持ってないのよ?と思うのである.
だから資格という「看板」は,自分の実力を周りに認めさせるためにも必要なんだ.

脳科学者の澤口俊之さんはこんなことを言っている.


 成功は社会の中での成功であって,社会から離れた成功はありえません.
 作家や芸術家のような「孤独な仕事」であっても,やはり,社会から離れて成功
 はできません.
 多くの人に認められ,社会から求められるようにならなければ,
 仕事は報酬に結びつきません.
 社会的に意味のない仕事では,経済的に貧窮して
 しまいます.(『夢をかなえる脳』87p)

ぼくはぼくのスタッフたちに少しでも良い給料を払ってやりたい.
良い給料を取れるようになってもらいたい.
そして嫁さんをもらって,楽しい家庭を築いてもらいたいのだ.

これまでぼくが生きてきて,いろんな夫婦を観察してきた.
ハッピーな夫婦もいれば,アンハッピーに終わってしまう夫婦もいた.
アンハッピーな夫婦はなぜハッピーになれなかったのか.
ぼくの観察によると「亭主の稼ぎが悪い」につきる.
夫婦げんかの原因のほとんどは,カネがないことである.
カネはたくさんはいらないが,少し余裕があるくらいはないと,人間はハッピーになれないのだ.

だから,少しでも稼げるような人材になってもらいたい.
周りから認められる人材になってもらいたい.
少なくとも嫁さんから「稼ぎもないのに偉そうにすんな!」と言われないようにしなくちゃ.
ある程度稼げるから,オトコは自信を持ち,誇りを持てるものなのだから.

ぼくは,ぼくのスタッフにクズはいない,と思っている.
教師だった時も,オレの教え子にバカはいない,と思っていた.
だから,しっかり勉強させた.
今もそうしているわけだ.

なぜなら,自信を持った,誇りを持った人間は,無謀なことをしなくなるからだ.
自分が大事,家族が大事と思える人間は,決して無謀なことはしない.
守るべきものがあるからだ.
守るべきもののない人間ほど恐ろしいものはない.
何やるかわからないからだ.
大胆と無謀は違うのである.

実を言えば,自身を持つ,誇りを持つ人間は「小心」なのである.
「細心」と言ったほうがいいかな.
失敗しないように,うまくいくように,前提を整え,段取りを組み,着実に実行していく.
結果的に大きな成果を得られる.

だから,スタッフたちに勉強を教えるのは,リーダーの重要な役割だと思っている.
それがいい仕事につながるからだ.
安全,安定な仕事は,勉強することなしに実現できない.
自信と誇り,守るべきものを持つ人間だけが,いい仕事ができるのだと信じている.

しかし考えてみれば,これだけ丁寧に教えて合格したんだから,おれの方がお礼をもらってしかるべきかも.
まーいいや.教師とはそういうものだ.

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