2011年6月5日日曜日

人生は予習復習


こんにちは

ぼくは200単位以上取得して大学を卒業しました。
大学卒業必要単位数は125単位くらいですから、そうとうがんばったでしょ。
エヘン。
と、威張っていたんですが、ホントは威張れることでもないらしいんです。

大学に入ってびっくりしたのは、空き時間が多いこと。
必要単位だけだと、1日3コマも講義を受ければ十分。
かなりヒマなんですよ。
ぼくは昔から貧乏性だったので、ヒマが嫌い。
なので、毎日目一杯講義を受講することにしたわけです。
結果として、単位だけは人より多く取ることができました。

ところが、卒業して何年もしてから知ったんです。
大学の単位は、講義時間の他に講義時間と同じだけ予習復習をすることが前提になっているんだそうです。
そのくらい自分でも勉強しないと講義には着いていけない。
あら、びっくり。
もちろん好きな勉強や自分の所属する学科の勉強は、まあまあ予習復習していました。
でもそれ以外の大部分の講義は、講義時間だけ。
講義時間もきちんと勉強しておらず、好きなことを内職してました。
反省。。。

そんなわけで、単位数は多いけれど、それに見合った学識が得られたかと言うとまるでダメ。
大学の勉強はきちんと予習復習をして講義に臨むものだ、ということを誰も教えてくれないんだもん。
先輩も、教授もね。
イジワルだねー。
というか、そんなこと自明なことで、知らないのはぼくだけだったのかも??
まあ、広く浅くいろんな学問のタネは身に着けられたので、得はしましたけどね。

教師になったり、予備校で教えたり、今も若い技術者の人たちに勉強を教えたりして分かったこと。
小学校の勉強でも、塾での勉強でも、資格取得のための勉強でも、きちんと予習復習しないとしっかりとした学力は身に付かない。
小学校はもちろん、中学、高校なら当然、学校の授業は予習復習を前提にカリキュラムが作られているんです。
ぼくは塾や予備校でも教えていたことがありますが、いくら授業時間生徒さんを盛り上げ、笑わせ、分かった気にさせても、予習復習しない生徒さんはその場限り。
学力として定着しないんですよ。
それは資格試験の勉強でも同じなんです。

社会人になっての仕事でも同じなんですよ。
仕事も予習復習が必要なんです。
はじめてやる仕事、ポイントとなる重要な仕事、一発で決めなくちゃならない仕事。
きちんと予習復習をすると、仕事も上手くやれるんです。
だから社会人だって、予習復習する時間は必要なんです。
そのための時間を確保できないと、一流にはなれません。
そういう意味で、ぼくはあまりに長時間の残業には反対なんです。
残業は予習復習の時間的余裕を奪いますからね。
残業が長い人は二流にしかなれないんだと思っているんです。

それらを考えると、大学で空き時間が多いのは正解なんです。
空き時間は予習復習する時間として用意されているものだから。
そこで遊んじゃったり、取っても取らなくてもいい必要もない講義を受講してはいけないんです。
ちゃんと予習復習して講義に臨む。
それが高等教育を身に着ける習慣なんですね。

とすると、高校の授業は忙しすぎるかもしれません。
きちんと予習復習する時間を生徒に与えるようなカリキュラムが望ましいからです。
荒井一博『学歴社会の法則』光文社新書¥740-にこう書いてありました。

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普通高校の教育は、教科書を理解させるだけでほぼ十分であると私は考えます。(ただし、教科書以外の一般的読書は行われる方が好ましいでしょう。)
そのかわり教科書は、内容・説明・練習問題などの点で、しっかりしたものでなければなりません。
生徒が独力で予習・復習のできるものである必要もあります。
授業時間数や授業方法も再検討が必要であると考えます。
最近の学力低下論では少ない授業時間が問題視されていますが、高校教育に関しては、授業時間を短く
して生徒に自分で勉強する十分な時間を与え、自分で勉強する習慣をつけさせることのほうが重要です。(261p)
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我が家の子育て方針の一つは、子どもにはヒマが必要だ、です。
お稽古ごとや塾、スポーツ少年団などで、いたずらに子どものスケジュールを満杯にしない。
それはダラダラする時間を子どもに与えるだけじゃありません。
もちろん、時にはダラダラ過ごす時間だって必要です。
でも子どもって、ダラダラするだけじゃ満足しないんだと思うんですよ。
ヒマがあるから何か自分で始めようとするはず。
自分であれこれ考えて行動するようになると思うんです。

ぼくも自分自身の反省を元に、我が子たちには「学校の授業がよく理解できて、楽しく受けられるコツは予習復習だ」ってことを伝えていきたいです。
で、ヒマな時間は予習復習をするためにも存在していることを気付かせたい。
予習復習をして学校で受ける授業をしっかり身に着けると、自分自身のスキルが上がります。
スキルが上がると、どんなことも短時間に合理的にこなせるようになります。
すると時間の余裕ができる。
自分のやりたいことをやるためには、時間とスキルは欠かせません。
それはきちんとした予習復習が生み出してくれるんですよ。


空調衛生工学会学会賞を受賞したことを、施設部担当理事に報告に行きました。
理事にも喜んでもらえましたよー。
これでますますやりたいことがやれるようになるかも!

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