2011年1月18日火曜日

スケジュール管理は手帳から


こんにちは

エンジニアは時間厳守が鉄則です。
期限通りに約束通りの品質でモノを造ったり、コトを成し遂げる。
それが一流のエンジニア。
ぼくもエンジニアの端くれなので、まだまだ完全にはできませんが、時間厳守をキモにして日々努力しています。

スケジュール管理にぼくはごく普通の紙の手帳を使っています。
尻ポケットに入るサイズで、どこへ行くにも持ち歩いています。
仕事の時はもちろん、プライベートな時でも持ち歩きます。
そしてしょっちゅう手帳を眺めます。
気がついたことがあったら、即メモします。
予定が変わったりしてぽっかり時間が空いたときは、手帳をめくって見ます。
前倒しでできることはないか探し、空いた時間に作業できることをやってしまう。
こうすると将来の時間に余裕が生まれ、締め切りを守れる可能性も高まります。

ぼくの昔の部下で、仕事の締め切り日をしばしば守れない奴がいました。
どうしてなのかと思って、彼の手帳を見せてもらいました。
あら、ビックリ。手帳の使い方がまるでなってないんですね。

スケジュール管理は「技術」です。
エンジニアリングなんです。
手帳はスケジュール管理のための道具(tool)です。
技術だから教えることが出来ます。
訓練によって身につけることが出来ます。

ぼくのやり方を紹介しましょう。

1.締め切り日の日付欄に書きこむ
当たり前のようですが、できてない人もいるんですよ。
ある部下は、ぼくが指示した日の日付欄に書いていました。
これではいつまでにやるべきか、分からなくなってしまいます。
締め切り日の欄に書き、そこに指示された日付と指示者名も書いておくのがい
いです。

2.公私を分けない
仕事が立て込んでいる時にある部下が「今日は早く帰らせて下さい。女房と約束があったんです」と突然言ってきました。
こんなに仕事が立て込んでるのにそりゃないよ~、ちゃんと残業してもらう約束もしてあったのに~、とぼくは思いました。
ま、ぼくとその他のスタッフでやりくりできそうだったし、プライベートも大切ですから帰ってもらいましたが。
実は彼の手帳は2冊あって、仕事用とプライベート用と分けてあったのです。
公私混同しないという意味ではいいのかもしれませんが、体はひとつです。
スケジュールは公私の兼ね合いを測らなければなりません。
だから、一つの手帳に仕事の予定もプライベートな予定も書き込んでいかないと、ダブルブッキングしてしまいます。
それに二つの手帳を管理していくのは、とても大変。
手帳管理に自分の能力を使いすぎてしまっては本末転倒、大損です。
ぼくは斎藤孝さんを真似て、同じ一つの手帳にプライベートな予定は緑のボールペンで書き込んでいます。
こうすると、公私の区別もはっきりわかります。

3.中間目標を設ける
ある部下は締め切り日間際になって青くなって仕事を始めました。
とても1日で終わるような仕事じゃありませんし、急いでやっても品質を確保できません。
時間がかかる大きな仕事の場合、中間の目標を立てなければいけません。
大きな仕事は小さく小分け(チャンク分け)して、それぞれに締め切りを決めるんです。
最終締め切り日をながめながら、中間目標の締め切り日を設定していきます。

4.作業時間を見込む
締め切り日だけ手帳に書いてあっても、他のスケジュールがどんどん埋まってしまい、実際に作業する時間が取れなくなってしまうこともしばしばあります。
特に会議は魔物です。
会議は時間が取られる上に、会議に出席しているだけで仕事をした気になってしまう。
会議はそれ自体では何も生み出さないのです。
作業するからアウトプットも生まれるのです。
よい仕事をするためには、まとまった作業時間の確保が必須です。
中間目標を達成するために必要な時間を割り出し、その時間帯を手帳に記入します。
その時間帯はその他の雑用は一切しない、緊急な仕事以外は絶対に割り込まさない気構えが必要です。
もちろん、緊急な仕事も入ってきてしまうことも想定して、作業時間には2割くらいの余裕を見込んでおくといいです。

5.自ら締め切り日を設定する
仕事の中には、締め切り日がはっきりないものもあります。
無能な上司に限って締め切り日を明確に言わなかったり、「なるべく早く」なんて曖昧な指示をしますしね。
ところがこういう仕事に限って実は重要度は高かったりします。
人間は怠惰ですから、締め切りがないとなかなかその仕事に取りかかろうとしません。
自分で締め切り日を設定して取り組む必要があります。
上司から突然「あれ、どうなった」と聞かれてもあたふたしない。
「もうできてますよ」と言えると、かっこいい。

以上がぼくのやっているスケジュール管理の技術です。
もっと良い「技」があったら、教えていただけると嬉しいです。

キャメル・ヤマモト『ムダな時間の充電力、バカな時間の開放力』講談社+α新書\880-から引用します。

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実行の敵は期限と時間
ビジョンやゴールが明確に描けても、実行を妨害する「敵」がまだ潜んでいる。
第一の敵は、「期限」だ。いつまでに、という期限の設定をおこなわないと、結局実現しない。
なぜかというと、期限があると初めて優先度が上がるからだ。
人は誰でも緊急度に従って仕事をする。
重要度では決してない。
わたしはこれを官僚時代にいやというほど学んだ。
すごく大切な仕事でも、緊急性がないと手がつかない。
常に緊急事件にじゃまされるのだ。
そのため、大切な長期的な問題に取り組む時間は永久にできない。
大切で長期的な問題が残り続けると、それが緊急度の高い小さな問題を生み出す温床となる。
その結果、緊急事態が増えて、緊急事態に対応する対症療法を繰り返す羽目に陥る。
そのうち、長期的な重要問題には、「引退後のライフワーク」というファイル名がついてお蔵入りする。
第二の敵は、使用予定時間だ。
いつまでに解決するかとか達成するかといった期限と合わせて、そのためにどれくらい時間を使うのかを想定し、スケジュール表に書き込むことが大切だ。
いくら期限を定めても、具体的に作業や思考をする時間を決めないと、決して実行されない。(187-188p)
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なるほど、なるほど。
長期的な重要問題ほど、自律的にスケジュール管理して取り組んでいかないといけないんですね。
そして、そのための作業時間をきっちりと確保する。
スケジュール管理がうまくできないと、緊急の用件という仕事に振り回されてしまいます。
仕事に振り回されて重要な仕事を後回しにしていると、たいして重要ではないけど緊急事態がますます増えてしまう、というのはホントだと思いました。


写真はSPring8キャンパスに建設中の相互利用施設。
むちゃくちゃタイトな設計・建設期間ですが、なんとかやり抜けそうになってきました。
楽しみ、楽しみ。
スタッフのみなさんにも感謝ですね。

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