2012年2月16日木曜日

プロになるための1万時間

こんんちは

元部下からこんなメールが届きました。

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とりあえず今年は1級施工取りこぼさなかったです。
今年は電検頑張ります。
関口さんに決意表明しておかないと自分に負けそうなので・・・。
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素晴らしい!エライですねー。

若い時は好きな仕事だけするわけにはいきません。
上司から命じられれば好き嫌いなく実行するのみです。
昨日は「プロは好きな事しかしない」と書きましたが、それはプロになってから
のこと。
プロになるまでは好き嫌いなんか言っていられません。
むしろ好き嫌いなく与えられた仕事に取り組んだほうがいいのです。
その方がオトク。

でも流れてくる仕事をこなしているだけでは絶対にプロにはなれません。
流れてくる仕事、与えられた仕事だけでも勤務時間は消費され、ある程度の満足
感もある。
そういう年月を重ねておじさんになっていく。
だらだらとね。

でもそれじゃあプロにはなれないんですよ。
プロになれないと40代くらいになってから困る。
自分に誇れるスキルがないことが明白になるから。
誇れるスキルのない人は、40代になっても「やらされる仕事」ばかりやらなく
ちゃならなくなるのです。
それは辛いと思うんですよ。
体力、集中力も落ちる年代になってもまだ、下請け仕事しかできない。
こういう人が過労死してしまうのだと思います。

やはり若いうちから意図的に積み上げていかなくちゃいけないと思うのです。
自分の好きな分野、目指す方向をしっかりと持つ。
そのための勉強時間を生み出すんです。
たとえ1日30分でも1時間でもそういう時間を持つことが大切。
そして勉強したことを血肉にする経験。

ぼくの尊敬する小学校教師野口芳宏さんは「経験は意図的に積め」と言っています。
逆に言えば、意図的に積んだ経験じゃないと役に立たないのです。
だから流れてくる仕事、与えられた仕事をしていても、それは意図的な経験には
ならず、ただ時間を「消費」しただけに留まってしまうのです。

経験に「アンカー」を打ち込むのが知識。
知識を得てそのことに関連する経験をしてみる。
それが生きた経験になるんです。
あるいは、経験したことを勉強によって意味付ける。
経験を知識化するんです。
するとその経験は意図したものになっていく。
これを繰り返す。

技術者の世界では、実力=知識×経験^2と言われています。
いくら時間を掛けて経験しても知識がなければ実力へ転化しないのです。
いくら勉強して知識を増やしても、それを実際に経験しなければ実力は向上しな
いのです。
だから、知識と経験は車の両輪なんですね。

活きた勉強とは、意図的な経験。
知識と経験を関連させていくことが大切なんです。
すると、勉強=経験、経験=知識となっていき、実力は相乗効果で向上していく
のです。

では、プロになるまでには、どのくらい勉強が必要なのでしょうか。
それは1万時間と言われています。
中谷巌/田坂広志『若きサムライたちへ』PHPにこうありました。

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私はよく「1万時間説」ということをいっています。
若い時代には何か一つこういうことをやってみたいと思ったら、禁欲的に1万時
間そこに没頭しろという主張です。
ああでもないこうでもないとあちこちに手をつけるのではなく、一つのことに1
万時間死に物狂いで没頭してみれば、かならずその道でひとかどの人物になるこ
とができるという考えです。
1万時間の努力によって得られたものがその人間の強みとなるのです。
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1万時間意図的な勉強を続けると、自分自身にプロとしての自覚と誇りが生まれ
ます。自信が生まれる。
自信があると、言い訳をしなくなります。
その人がプロかどうか見分けるリトマス紙は、言い訳をするかどうかです。
すぐ言い訳をする人はアマチュアなんですよ。

中谷さんはこうも言います。

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一つのことを深く掘り下げて、ある鉱脈に突き当たることを、私は「鉱脈クラブ
に入る」と表現しています。
いわば、深い知識と経験に裏打ちされた、合い通じるものをもった人々の世界に
入っていけるのです。
やはり鉱脈クラブに入らないと、深いものは見えてきません。
この鉱脈クラブに入っているか、そうでないかということは、不思議なことに世
間の人々はすぐに察知します。
そして鉱脈クラブに入ると、人々は自然に高い評価を与えてくれるのです。
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