2010年4月19日月曜日

人生の安全基地


こんにちは

我が家では、明治の大林学者本多静六を真似して「1/4貯金」を実行しています。
これは給料もらったら毎月とにかく、その1/4を貯金してしまい、残りの3/4で生活する、というものです。
だんだん給料も上がってきましたが、それをめいっぱい使い切るんじゃなくて、いざというときに備えて、小さめに暮らしているのです。
ぼくら夫婦は以前公立学校教員でしたから、安月給には慣れています。
子ども二人増えましたが、3/4の範囲でもなんとか快適に生活できています。
子どもの将来の教育資金も万全です。

ところでぼくは、教育史学者の板倉聖宣さんの思想の影響を強く受けています。
『板倉聖宣その人と仕事』キリン館\2060-という、板倉さんが’95に国立教育研究所を退官したときの記念本があります。
ぼくも、退官記念最終講演をぼくも国立教育研究所に聞きに行ったんですよ。
この本をぱらぱらとめくってみると、最終講演録のところに写真があり、ちょこっと若き日のぼくも写ってました。革ジャン、Tシャツ姿で。

この本の中に「板倉流処世術」について書いてありました。
堀江さんとの対談「採算のとれる学問の建設」から引用します。

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「クビになりたい」と思ったら、もう何も恐くない。
クビになって困るのは、給料が入ってこなくなることでしょ。それから、官舎に入っていたりすると、官舎から出ていかなければならなくなる。
だから僕は、何年間か給料が入らなくても、何年間かの生活はできるようにしておくと。
それから、家は建てる。官舎には入らないと。
それから、本は自分で買うと。
そういうことで路頭に迷わないようにしておこうと。(216p)
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自由に生きるには、いつクビになっても生活が破綻しないように<準備>もしておく。
給料が途絶えても、路頭に迷うことがないようにしておく。
本も自分で買っておけば、研究所をクビになっても科学史の研究は継続できる。
そうしておけば恐いものはない。
大胆に自分のやりたい研究をしていくことができるんだ。
なるほどです。

ぼくも1/4貯金のおかげで、いつクビになっても路頭に迷うことはありません。
借金もないしね。
ついでに、ある転職情報会社にも登録してあって、定期的に求人情報を送ってもらっています。
ぼくでもお呼びがかかりそうな仕事がありそうなのも安心です。
そのおかげで、部署の枠に囚われずにいろんなことにチャレンジもできるってわけです。

これは「セキュアベース(安全基地)」を確保した、とも言えそうです。
戦争でもしっかりしたセキュアベースが確保できると、大胆な戦術をとることができます。
人生も同じで、確固たるセキュアベースがあると、チャレンジングにもなれるんです。
豊かな人生を送るためには、確かなセキュアベースと未知のチャレンジのバランスが大事なんだと思います。

エジソンも大失敗してほぼ全財産を失ったことがあったそうです。
その時彼はこう言ったそうです。

 自分は今53歳だが、月給75ドルの電信技士の仕事なら
 いつでも見つけられる

エジソンにとって若いときに鍛えた電信技士の腕がセキュアベースになっていたんですね。
もちろんエジソンはこの後も大発明家として活躍するんですが、それはこの確かなセキュアベースを持っていたからなんだと思います。
いざというときでも食い扶持には困らないぜ、って。
「多少の蓄えと確かな腕」、これが人生のセキュアベースなんだとぼくは思います。

チャレンジングで豊かな人生にしていきたいと思っています。
さー、今日も元気に出勤だー!


写真はXFEL実験棟。
5月末完成ですが、いい感じに仕上がってきましたよー。

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