2012年7月2日月曜日

モラルなき国家資格

こんにちは

最近、電気主任技術者など国家試験合格者の実力低下を感じています。
今日、ある国家試験の試験代行機関に所属する方と別件での打合せを持ちました。
その方との雑談で、ビックリする話を聞いてしまいました。

近年、国がその能力を保証する国家試験も、その多くは国自体が実施せず、財団法人など公益法人に実施を委託しているものばかりになってしまいました。
それらの公益法人は、受験料収入を法人運営費に充てている。
国も、受験料収入があるからということで、補助金などを出すことを渋っているのだそうです。

すると、いきおい受験者数をたくさん確保することが、その公益法人にとっての至上命題になりがちです。
あまり厳しい試験(難しい問題を出したり、合格レベルを厳しくして合格者数を減らす)にしてしまうと、受験生が減る。
すなわち、その財団の収入が減る。
それは困る。よ
って、試験を優しくし、受験者を増やそうというインセンティブが働いてしまうのだそうです。

国自身が国家試験を実施していた頃は、採算よりも実力本位で合否を決定できていたものが、外部委託をすると経済合理性が優先され、合格者の実力、品質は軽んじられる。
こうして実力なき資格者が量産され、資格があっても顧客から信頼されなくなり、その業界全体の信用を無くし、実力のある資格者はバカバカしくなってこの業界から去って行くわけです。
法曹界もこれに近い状況になってきているようです。

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