こんにちは
フリーターやニートが増えたためか、子どもや若者にしっかりとした職業観を持ってもらうための本がたくさん出版されるようになりました。
たとえば村上龍『13歳のハローワーク』がベストセラーになりましたよね。
この本にはいろんな職業が紹介されています。
風俗関係の仕事まで紹介されていて、なかなか面白い。
もちろん子どもに風俗の仕事をオススメしているわけじゃないけど、きちんとリスクや倫理も説明されていて、ハナから道徳的に全否定していないところがいいです。
説教臭くないのでベストセラーにもなったんでしょうね。
でもぼくは、今あるいろんな職業について紹介したり説明したりすることも大事だけど、もっと仕事の本質的なことも子どもや若者に伝えたいなーと思うのです。
仕事の原理ですね。
どんな仕事に就こうとも、この原理は成り立つ。
この原理を知り、身に着けていれば、どんな仕事に就こうともそこそこ上手くやっていけるというもの。
だって、いろんな職業を知って自分のなりたい仕事を子どものうちに見つけたとしても、その仕事に就けるかどうか分かりませんからね。
だいたい子どもの憧れる職業って、プロ野球選手とかサッカー選手とかアイドル歌手とか、並みの才能と努力じゃなれないものばかり。
よほどの運もなくちゃなれませんよ。
たいていはごくごく普通のありきたりの仕事に就いちゃうわけです。
ぼくだって子どもの頃は電気技術者になるとは思っていませんでしたよ。
行き当たりばったり、成り行きですね、たいていの大人はみんな。
そして、そういうごく普通のありきたりの仕事のことなんか、子どもは知りもしなかったりします。
それに今の子どもたちが大人になる頃、今ある仕事がまだあるとは限りません。
今花形の仕事でも、10年後、20年後は斜陽だったりしてね。
倒産、転職なんか当たり前の人生が待っているんです。
その中で、よりよい人生を自力で造り上げていく力が必要なんだと思います。
岩谷誠治『国語算数理科しごと』日本経済新聞\1500-にもこんなことが書いてありました。
###
考えてごらんよ。
美咲(子ども)が、仕事に就くのは10年以上先になるよね。
だから、美咲が学ぶべき仕事というのは今の仕事ではなくて、10年後にある仕事でなければ役に立たないわけだ。
そのころには今は存在しない、当然、今は名前も付いてない仕事がたくさん出てくるはずだよね。(21p)
###
たとえ成り行きで就いた仕事だとしても、そこで成功することは大切です。
成功とまで言えなくても、上手くやっていくにこしたことはありません。
仕事とは何かよくわからないために、現実と折り合えず、ふらふらと転職を繰り返したり、ニートになってしまうのは、人生の浪費です。
だからそのために必要な「原理」は身に着けておいた方がいい。
仕事とは何か、その本質を理解しておいた方がいい。
では、仕事の本質とは何か。
岩谷さんはこう言います。
仕事とは「約束を守ること」だと思っているんだ。(23p)
シンプルですねー。
同じようなことをジャーナリストの日垣隆さんは、「依頼と納品」と言っています。
依頼とは、何をいつまでにやってほしいか合意しておくこと、そしてその見返りは何かを合意しておくこと、です。
見返りは金銭に限りません。ボランティアだって、心の満足みたいな見返りはあるわけです。
依頼とは約束を「決めること」に他なりません。
そして納品です。
決めた約束を守ることです。
納品は物を納めることだけではありません。約束を果たすことすべてです。
決めた期日に、決めた品質で納品し、ちゃんとその対価を支払う。
依頼と納品が確実に履行されるから、信頼が生まれ、社会は安定するのだと思います。
約束を守ること、依頼と納品を常に意識することが、仕事の本質であり、原理なんだと思います。
これさえ理解し、身に着けておけば、どんな仕事でもそこそこやっていけます。
ごくごく当たり前のことなんですが、身に付いている人少ないですよ。
だからこの原理、基本が身に付いているだけでアドバンテージが出る。
子どもにはぜひ身につけさせたい基礎基本です。
もちろん、ぼく自身も実践していますよ。
依頼の時は、期日と品質と対価をよーく合意しておく。
後で、言った言わない、約束が違う、ということがないように。
そして約束の通りに納品です。
仕事だけじゃありません。
全ての人間関係の基本にもなっていると思います。
夫婦でも家族でも、多少緩やかでいいし、緩やかな方がいいでしょうが、約束を守ることは信頼を築くために必要なことでしょう。
よくお父さんは子どもとの約束を「仕事の都合で」なんていってドタキャンしますよね。
あれ、子どもの教育にとって悪いですよ。
もちろんたまにならそういうこともあるでしょうが、頻繁に子どもとの約束を反故にすると、子どもにこの「依頼と納品」という仕事の原理が身に付かなくなります。
とても損なことです。
そう考えると、学校でやることは意外とこの仕事の原理の練習になっているんですよね。
たとえば宿題。
先生は何をいつまでにやればいいのか明確にする。
それを生徒は履行して、納品(提出)する。
そしてきちんと履行した生徒は、褒められ、いい成績をもらう。
たとえば定期試験。
先生は試験日までにこの範囲をしっかり勉強するよう指示する。
生徒は合格点、すなわち納品目指して努力する。
きちんと合格点を採れれば、いい成績をもらい、褒めてもらえる。
最近、学校であまり宿題を出さなくなっちゃったそうです。
宿題出されてもやらない生徒も多いらしい。
ちょっともったいないなーってぼくは思います。
仕事の本質を理解し、その優れた練習機会を放棄しちゃっているんですから。
宿題の意義を語れる先生がいないのかもしれませんね。
2009年3月30日月曜日
プロになる読書法
こんにちは
どんな職業でもそうですが、プロ級の仕事をするひとはすべからく勉強家です。
たくさん本を読んでいるし、多くの人と会っている。
仕事とはアウトプットです。
だから、インプット無くしてアウトプット無し、なんです。
だからといって読書家=いい仕事をするってことでもありません。
読書家の中には、小説や歴史書など、自分の仕事に直接関係ない本ばかり読んでいる人も多い。
そういう人は、今目の前にある自分の仕事とその読書がつながらないんです。
すごく長い目で見れば、小説や歴史書で得たことも自分の仕事や生き方に関わってくるでしょうが、仕事とはそもそも目の前の難問を解決することなんですから、役に立たないのです。
ぼくの尊敬する小学校教師だった向山洋一さんは「プロ教師なら教育雑誌を毎月何冊も読まねばならない。教育の専門書を読まねばならない」と繰り返し言っていたのを思い出しました。
ぼくが教師だった頃はナマイキにも「そんな読書法じゃ幅の広い人間になれないぜ」なんて思って、小説や科学の本ばっかり読んでいました。
でも向山さんの本など教育書も読んでいましたし、教育雑誌も数誌は購読していましたから、まずまずだったでしょう。
森信三『人生二度なし』致知出版¥1600-にこうありました。
###
(読書の種類は)第一は自分の職業に関する専門の雑誌及び単行本であり、第二は一般的な教養の書だといってよいでしょう。(103p)
一般的な教養は、できるだけ広汎なのがよいと思いますが、しかしそれらは、あくまで円周的読書であって、真の円心的な読書としては、どこまでも、自分の職業を中心とした専門雑誌、および単行本でなければなるまいと思うのです。(104p)
###
先ずは「軸足を決める」ってことですね。
軸足は自分の仕事に関する本。
ここは継続的に読まなくてはならない。
その上で小説や直接自分の仕事には関係しない教養書も読む。
軸足をしっかりと決めて、そこから同心円状に教養を広げていくのがいい。
専門雑誌を読むためには、学会などに入ってしまうのがいいです。
毎月定期的に学会誌が送られてきますから、自然と強制的に読むようになるからです。
ぼくも電気技術者協会会報、技術士会会報、電気設備学会誌、空調衛生工学会誌、最近は加速器学会誌と、自分の仕事に関連した雑誌を読んでいます。
もちろん「雑誌」ですから、すべての論文を読むわけではありません。
読書が身に付いていない人ほど、全部を読もうとします。
全部読まないともったいないからでしょうか。
で、もったいないから購読しない、ってことになる。
その方がもったいないですよ。
雑誌は全部読むものではありません。
ぼくも自分の興味のあるもの、自分でも理解できそうなもの、今の仕事に役立ちそうな論文だけ読みます。
まあ、1/10くらいしか読みません。
それでも確実、着実に自分の知識と技術が増えていきます。
せっかく資格をとったのに、学会に入らない人もいます。
会費なんか年額1万円か2万円程度です。
そのくらいの投資を惜しんでどうするんでしょうか。
資格はとっただけでは、その仕事をぎりぎり最低限任せる程度の技量があることを認められただけです。
とてもプロレベルとは言えないのです。
だから、プロになるには継続的な勉強が必要なんです。
その上で、専門バカにならないように、小説や歴史書など教養的な本も読む。
こういう読書もしないと、視野が狭くなって、やはりプロとしての仕事がやがてはできなくなってしまう。
あるいは、上級のプロにはなれないんだと思います。
同心円的読書、これぞプロへの読書法なんだと思います。
どんな職業でもそうですが、プロ級の仕事をするひとはすべからく勉強家です。
たくさん本を読んでいるし、多くの人と会っている。
仕事とはアウトプットです。
だから、インプット無くしてアウトプット無し、なんです。
だからといって読書家=いい仕事をするってことでもありません。
読書家の中には、小説や歴史書など、自分の仕事に直接関係ない本ばかり読んでいる人も多い。
そういう人は、今目の前にある自分の仕事とその読書がつながらないんです。
すごく長い目で見れば、小説や歴史書で得たことも自分の仕事や生き方に関わってくるでしょうが、仕事とはそもそも目の前の難問を解決することなんですから、役に立たないのです。
ぼくの尊敬する小学校教師だった向山洋一さんは「プロ教師なら教育雑誌を毎月何冊も読まねばならない。教育の専門書を読まねばならない」と繰り返し言っていたのを思い出しました。
ぼくが教師だった頃はナマイキにも「そんな読書法じゃ幅の広い人間になれないぜ」なんて思って、小説や科学の本ばっかり読んでいました。
でも向山さんの本など教育書も読んでいましたし、教育雑誌も数誌は購読していましたから、まずまずだったでしょう。
森信三『人生二度なし』致知出版¥1600-にこうありました。
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(読書の種類は)第一は自分の職業に関する専門の雑誌及び単行本であり、第二は一般的な教養の書だといってよいでしょう。(103p)
一般的な教養は、できるだけ広汎なのがよいと思いますが、しかしそれらは、あくまで円周的読書であって、真の円心的な読書としては、どこまでも、自分の職業を中心とした専門雑誌、および単行本でなければなるまいと思うのです。(104p)
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先ずは「軸足を決める」ってことですね。
軸足は自分の仕事に関する本。
ここは継続的に読まなくてはならない。
その上で小説や直接自分の仕事には関係しない教養書も読む。
軸足をしっかりと決めて、そこから同心円状に教養を広げていくのがいい。
専門雑誌を読むためには、学会などに入ってしまうのがいいです。
毎月定期的に学会誌が送られてきますから、自然と強制的に読むようになるからです。
ぼくも電気技術者協会会報、技術士会会報、電気設備学会誌、空調衛生工学会誌、最近は加速器学会誌と、自分の仕事に関連した雑誌を読んでいます。
もちろん「雑誌」ですから、すべての論文を読むわけではありません。
読書が身に付いていない人ほど、全部を読もうとします。
全部読まないともったいないからでしょうか。
で、もったいないから購読しない、ってことになる。
その方がもったいないですよ。
雑誌は全部読むものではありません。
ぼくも自分の興味のあるもの、自分でも理解できそうなもの、今の仕事に役立ちそうな論文だけ読みます。
まあ、1/10くらいしか読みません。
それでも確実、着実に自分の知識と技術が増えていきます。
せっかく資格をとったのに、学会に入らない人もいます。
会費なんか年額1万円か2万円程度です。
そのくらいの投資を惜しんでどうするんでしょうか。
資格はとっただけでは、その仕事をぎりぎり最低限任せる程度の技量があることを認められただけです。
とてもプロレベルとは言えないのです。
だから、プロになるには継続的な勉強が必要なんです。
その上で、専門バカにならないように、小説や歴史書など教養的な本も読む。
こういう読書もしないと、視野が狭くなって、やはりプロとしての仕事がやがてはできなくなってしまう。
あるいは、上級のプロにはなれないんだと思います。
同心円的読書、これぞプロへの読書法なんだと思います。
2009年3月29日日曜日
技術者としての価値の高め方
こんにちは
先週水曜日はXFEL棟竣工検査でした。
検査といっても実質的な検査は完了しているので、最後に偉い方々にご披露する場です。
ぼくは検査開始2時間前に現場に行き、施工を担当した代理人さんと現場巡視。
偉い方々にお見せしてみっともない部分がないか、最後のチェックです。
機能は万全なのは分かっていても、最後は見た目です。
見た目がよければ、よい評価につながります。
ちょっとした汚れとか、機器の取り付けが曲がっていたりする程度のことで、評価を落とすのは損ですからね。
やっぱり最後は偉い人に褒めてもらいたいわけです。
文句を言われないようにしたい。
発注者側の偉い人が見るということは、施工者側だって偉い人が来ます。
だから、施工者さんにも恥をかかせるようなことがないようにしたい。
施工スタッフも、自分の会社の偉い人に評価してもらえるように。
巡回して、まだ養生シートが貼りっぱなしだったところを発見。
すぐ取り外しの指示を出しました。
同様な部分も見て回るように。
1時間ほど現場を巡回して事務所に戻る途中、XFEL本部の建設担当チームリーダーとすれ違いました。
この方も事前に現場を見て回っているのでした。
さすが!
って、この方はぼくの元上司で、ぼくもこの上司が検査前に巡回していたのを見て真似しただけなんです。
いいことは真似しなくちゃね。
技を伝授してくれた上司に感謝です。
ぼくは自分にもできそうないいことがあったら、真似して行動してみるものです。
それが実践者としての王道だと思っていますから。
ダメな人はたとえいいことを見ても、あいつがやってくれるんだから自分はやらなくてもいいや、と思う。
行動に移さない、習慣化しない。
なので、事前確認する人がいない場合でも、それをするのを怠るわけです。
その結果、偉い人から悪い評価をもらう。
でも、その責任を部下や施工者など立場的に弱い者へ転嫁したりするんですよ。
かっこ悪いね。
ともかく、最後のだめ出しをして事務所に戻りました。
これなら大丈夫。
事務所に戻ると、施工者側の偉い人も挨拶に来ます。
「いい仕事してくれましたよ。優秀なスタッフで助かりました!」と、ウソいつわりなく、お世辞抜きで堂々と言えます。
がんばってくれた施工スタッフが、自社でもよい評価をもらえるタネになってくれればと思います。
そして竣工検査。
偉い方からもお褒めの言葉をいただけました。
特に研究系のトップであるプロジェクトの副本部長から
装置冷却水設備が静かなので驚いた
最初、運転していないのかと思って配管を触って確かめた
触らないと分からないくらい静かだ
とコメントをいただいたのは「やったー!」と思いましたね。
とても嬉しかった。
今回の工事では、建屋工事で装置冷却水設備も建設したんです。
たぶん、これまでの国内の加速器施設では初めての試みだと思います。
建屋工事で施工することにより、他の設備との配置もコンパクトに収まり、合理的に設置できます。
合理的ということはすなわち、早い、安い。
プロジェクトの期間を半年は縮められ、この部分のコストも6割くらいに圧縮できたと思っています。
もちろんぼくにとっても初めてのチャレンジ。
プロトタイプ機の建設時に経験はありましたが、加速器の安定運転のための要の設備ですから、研究者とよく打ち合わせながら、自分でも加速器学会のレポートを読んだりして基礎的なことを勉強しました。
施工スタッフにも、設備の目的、趣旨をよく伝え、スタッフにも勉強してもらいました。
設計図通りにただ造ればいいというスタンスでは上手くいかないからです。
まだ実際に加速器と接続しての運転はしていませんが、音が静かということは振動が少ないということですから、加速器の安定運転のためのひとつの目標がクリアできたということです。
あとは必要温度精度で制御できるかどうかですが、これも自信を持っています。
ダメな設備は最初から転けているものだからです。
早く加速管に通水して運転する日のことをワクワクして待っています。
ぼくは技術者としてもともとは「電気保安技術者」としてスタートしました。
それが手っ取り早く食えるようになるための最短ルートだったからです。
でもそこに留まらず、自分の枠を広げるよう努力してきました。
電気だけでなく機械設備や建築へ、となりとなりへと枠を広げてきました。
ノーベル化学賞の田中耕一さんは講演の中で、こうおっしゃっていました。
浅くても良いから幅広い知識と2つ以上の専門性を持つことが必要
田中さんは大学では電気工学を専攻しました。
化学は専門外のはずですが、ノーベル化学賞です。
それは田中さんもひとつの枠に収まらず、となりとなりへと広げてきたからなんだと思います。
田中さんも研究者というより技術者なんですよね。
技術者は世界初、世界一である必要はありません。
が、その人の持つ知識や技術が希少であるほど価値を持ちます。
希少価値であるためには、二つの道があると思います。
1.ひとつの専門を極める
2.二つ以上の専門を持つ
たとえば1級建築士。
建築の仕事のトップの資格です。
でも1級建築士は日本に30万人もいるのです。
ちょっとした小都市の人口くらい。
30万人もいる中で希少価値を出すのは大変です。
よほどの才能と努力がないと、一流にはなれません。
ところが、1級建築士でも電気設備や機械設備までちゃんと設計できる人はめったにいない。
設備を設計するプロ資格に建築設備士というものがあります。ぼくも持ってます。
1級建築士かつ建築設備士というと、その人数は少なくなって3000人くらいになってしまう。
希少価値が出ます。
だからぼくは後者を選んだんです。
二つ以上の専門を持つこと。
そしてそれを自在に組み合わせられ、新しいものを生み出すこと。
楽して希少価値が出る方法です。
それがぼくのやり方なんだと思っています。
先週水曜日はXFEL棟竣工検査でした。
検査といっても実質的な検査は完了しているので、最後に偉い方々にご披露する場です。
ぼくは検査開始2時間前に現場に行き、施工を担当した代理人さんと現場巡視。
偉い方々にお見せしてみっともない部分がないか、最後のチェックです。
機能は万全なのは分かっていても、最後は見た目です。
見た目がよければ、よい評価につながります。
ちょっとした汚れとか、機器の取り付けが曲がっていたりする程度のことで、評価を落とすのは損ですからね。
やっぱり最後は偉い人に褒めてもらいたいわけです。
文句を言われないようにしたい。
発注者側の偉い人が見るということは、施工者側だって偉い人が来ます。
だから、施工者さんにも恥をかかせるようなことがないようにしたい。
施工スタッフも、自分の会社の偉い人に評価してもらえるように。
巡回して、まだ養生シートが貼りっぱなしだったところを発見。
すぐ取り外しの指示を出しました。
同様な部分も見て回るように。
1時間ほど現場を巡回して事務所に戻る途中、XFEL本部の建設担当チームリーダーとすれ違いました。
この方も事前に現場を見て回っているのでした。
さすが!
って、この方はぼくの元上司で、ぼくもこの上司が検査前に巡回していたのを見て真似しただけなんです。
いいことは真似しなくちゃね。
技を伝授してくれた上司に感謝です。
ぼくは自分にもできそうないいことがあったら、真似して行動してみるものです。
それが実践者としての王道だと思っていますから。
ダメな人はたとえいいことを見ても、あいつがやってくれるんだから自分はやらなくてもいいや、と思う。
行動に移さない、習慣化しない。
なので、事前確認する人がいない場合でも、それをするのを怠るわけです。
その結果、偉い人から悪い評価をもらう。
でも、その責任を部下や施工者など立場的に弱い者へ転嫁したりするんですよ。
かっこ悪いね。
ともかく、最後のだめ出しをして事務所に戻りました。
これなら大丈夫。
事務所に戻ると、施工者側の偉い人も挨拶に来ます。
「いい仕事してくれましたよ。優秀なスタッフで助かりました!」と、ウソいつわりなく、お世辞抜きで堂々と言えます。
がんばってくれた施工スタッフが、自社でもよい評価をもらえるタネになってくれればと思います。
そして竣工検査。
偉い方からもお褒めの言葉をいただけました。
特に研究系のトップであるプロジェクトの副本部長から
装置冷却水設備が静かなので驚いた
最初、運転していないのかと思って配管を触って確かめた
触らないと分からないくらい静かだ
とコメントをいただいたのは「やったー!」と思いましたね。
とても嬉しかった。
今回の工事では、建屋工事で装置冷却水設備も建設したんです。
たぶん、これまでの国内の加速器施設では初めての試みだと思います。
建屋工事で施工することにより、他の設備との配置もコンパクトに収まり、合理的に設置できます。
合理的ということはすなわち、早い、安い。
プロジェクトの期間を半年は縮められ、この部分のコストも6割くらいに圧縮できたと思っています。
もちろんぼくにとっても初めてのチャレンジ。
プロトタイプ機の建設時に経験はありましたが、加速器の安定運転のための要の設備ですから、研究者とよく打ち合わせながら、自分でも加速器学会のレポートを読んだりして基礎的なことを勉強しました。
施工スタッフにも、設備の目的、趣旨をよく伝え、スタッフにも勉強してもらいました。
設計図通りにただ造ればいいというスタンスでは上手くいかないからです。
まだ実際に加速器と接続しての運転はしていませんが、音が静かということは振動が少ないということですから、加速器の安定運転のためのひとつの目標がクリアできたということです。
あとは必要温度精度で制御できるかどうかですが、これも自信を持っています。
ダメな設備は最初から転けているものだからです。
早く加速管に通水して運転する日のことをワクワクして待っています。
ぼくは技術者としてもともとは「電気保安技術者」としてスタートしました。
それが手っ取り早く食えるようになるための最短ルートだったからです。
でもそこに留まらず、自分の枠を広げるよう努力してきました。
電気だけでなく機械設備や建築へ、となりとなりへと枠を広げてきました。
ノーベル化学賞の田中耕一さんは講演の中で、こうおっしゃっていました。
浅くても良いから幅広い知識と2つ以上の専門性を持つことが必要
田中さんは大学では電気工学を専攻しました。
化学は専門外のはずですが、ノーベル化学賞です。
それは田中さんもひとつの枠に収まらず、となりとなりへと広げてきたからなんだと思います。
田中さんも研究者というより技術者なんですよね。
技術者は世界初、世界一である必要はありません。
が、その人の持つ知識や技術が希少であるほど価値を持ちます。
希少価値であるためには、二つの道があると思います。
1.ひとつの専門を極める
2.二つ以上の専門を持つ
たとえば1級建築士。
建築の仕事のトップの資格です。
でも1級建築士は日本に30万人もいるのです。
ちょっとした小都市の人口くらい。
30万人もいる中で希少価値を出すのは大変です。
よほどの才能と努力がないと、一流にはなれません。
ところが、1級建築士でも電気設備や機械設備までちゃんと設計できる人はめったにいない。
設備を設計するプロ資格に建築設備士というものがあります。ぼくも持ってます。
1級建築士かつ建築設備士というと、その人数は少なくなって3000人くらいになってしまう。
希少価値が出ます。
だからぼくは後者を選んだんです。
二つ以上の専門を持つこと。
そしてそれを自在に組み合わせられ、新しいものを生み出すこと。
楽して希少価値が出る方法です。
それがぼくのやり方なんだと思っています。
2009年3月28日土曜日
評論家に堕するな!
こんにちは
ぼくは自分自身を「実践家」であると規定しています。
実践家とは行動する人、のことです。
「それは無理だ」「難しい」「できない」、まず最初にそんな否定的な言葉を発する人が時々、いやしばしばいますよね。
そういう人に限って、いろいろ言い訳はするんですが、行動を起こすことはまずありません。
言い訳するヒマがあったら、先ずはアクションを起こしてみればいいのにね。
行動してみないことには、自分が何ができて何ができないのかさえも分かりませんよ。
ところが、そういう人ほど誰かが行動を起こした時、その瑕を探し、誤りを見つけ、揚げ足を取り、呆れ、嘲笑し、口汚く罵倒したりするんですよ。
「ここがダメだ」「そら見たことか」「やっぱりダメだったろう」「無理って言っただろう」。
ちょっとでもだめな部分を見つけ、勝ち誇ったように言います。
いわゆる「評論家」。
まるで上手く行かないことを喜んでいるようです。
まるで上手く行かないことを喜んでいるようです。
「行動する人」を馬鹿にするのは「行動しない人」なんです。
決して一歩でも二歩でも先に進もうとする「行動する人」ではない。
行動する人は、現実の厳しさも知っているので、滅多やたらに他人のやることを馬鹿にしたりはしません。
一歩でも二歩でも前に進めることが、いかに大変で努力が必要であるかを知っているからです。
だから同じように努力をしている人が、ほんの少しでも行動を起こしていれば、その「価値」がわかるのです。
もちろん、ダメなところ、間違っているところもあるかもしれません。
そういうときは、その部分だけ指摘して、静かに正しい方向付けをするだけです。
何も行動しない人だけが、行動しないが故に無傷でいられることを強みにして、行動する人を嘲うんです。
かっこ悪いね。
金出武雄『素人のように考え、玄人として実行する』PHP\1500-に、行動しないで言い訳ばかりする人を<ネイセイヤー>と言うのだと、書いてありました。
ネイセイヤーにならないためには、どうすればいいのでしょうか。
###
「これは難しい。きっとうまくいかない」「こんなことをやっていて、本当にいいのだろうか。効果があるのだろうか」「もっといい方法があるはずだ」
どこの世界でも、計画が始まる前や途中で、こういうことを言う人、反対論者がいるものである。
英語ではネイセイヤー(Naysayer)と言う。NayつまりNoと言う人のことである。
私は徹底してやるタイプなので、もし学生が、こんな泣き言を言ったら、
「終わる前にうまくいかない理由をぐたぐた考える暇があったら、早くやれ。
最後までやってから、ダメだったらダメでした、と言えばいいのだ」
と言うところである。(60-61p)
###
つまり、最後までやり遂げるということが大切なんですね。
ネイセイヤーがなぜ否定的なことを言って、行動に移そうとしないのか。
それは、最後までやり遂げたことがないからです。
やり遂げた経験がないから、成功する自信がない。
だから、自分が失敗することが恐いだけなんです。
決して一歩でも二歩でも先に進もうとする「行動する人」ではない。
行動する人は、現実の厳しさも知っているので、滅多やたらに他人のやることを馬鹿にしたりはしません。
一歩でも二歩でも前に進めることが、いかに大変で努力が必要であるかを知っているからです。
だから同じように努力をしている人が、ほんの少しでも行動を起こしていれば、その「価値」がわかるのです。
もちろん、ダメなところ、間違っているところもあるかもしれません。
そういうときは、その部分だけ指摘して、静かに正しい方向付けをするだけです。
何も行動しない人だけが、行動しないが故に無傷でいられることを強みにして、行動する人を嘲うんです。
かっこ悪いね。
金出武雄『素人のように考え、玄人として実行する』PHP\1500-に、行動しないで言い訳ばかりする人を<ネイセイヤー>と言うのだと、書いてありました。
ネイセイヤーにならないためには、どうすればいいのでしょうか。
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「これは難しい。きっとうまくいかない」「こんなことをやっていて、本当にいいのだろうか。効果があるのだろうか」「もっといい方法があるはずだ」
どこの世界でも、計画が始まる前や途中で、こういうことを言う人、反対論者がいるものである。
英語ではネイセイヤー(Naysayer)と言う。NayつまりNoと言う人のことである。
私は徹底してやるタイプなので、もし学生が、こんな泣き言を言ったら、
「終わる前にうまくいかない理由をぐたぐた考える暇があったら、早くやれ。
最後までやってから、ダメだったらダメでした、と言えばいいのだ」
と言うところである。(60-61p)
###
つまり、最後までやり遂げるということが大切なんですね。
ネイセイヤーがなぜ否定的なことを言って、行動に移そうとしないのか。
それは、最後までやり遂げたことがないからです。
やり遂げた経験がないから、成功する自信がない。
だから、自分が失敗することが恐いだけなんです。
もともと仕事というのは「難しいもの」なんです。
難しくない仕事に、世間は高い給料を払ってなんかくれないのです。
実は、なにやらしかめっ面をして「それは無理だ」「難しい」「できない」と言う人ほど、<楽>な仕事をしているのです。
難しくない仕事に、世間は高い給料を払ってなんかくれないのです。
実は、なにやらしかめっ面をして「それは無理だ」「難しい」「できない」と言う人ほど、<楽>な仕事をしているのです。
そうやって、難しい仕事から逃げているだけなんです。
楽な仕事なんですから、評価されないのは当然なんです。
失敗はしないかもしれませんが、何もアウトプットされないわけですからね。
反対に、いつもニコニコ顔で「できるよ」「やってみようよ」「なんとかしよう」と言う人は、本当は<厳しい>仕事をしているものなんです。
こういう人は失敗もするかもしれませんが、確実にアウトプットが増える。
中長期的に見れば能力も伸びるし、評価も得られます。
伸びる人は言い訳をしないだけではなく、愚直でもあるんですよ。
素直と言ってもいいかもしれません。
これだと決めたら最後までやりとげる。
小さなことでも「結果」を出す。
たとえそれが失敗に終わったとしても、得るものも大きいのです。
最後までやり遂げた経験こそが、自信を生み出し、自分の身の丈をも伸ばしていくことにつながるんだと思います。
2009年3月24日火曜日
技術者は楽しい!
こんにちは
日曜日に越谷市科学館で出張授業をしてきました。
三連休の最終日にもかかわらず満席状態で、当日参加をご希望された方をお断りしなければならないくらい盛況でした。
嬉しい限りです。
参加者は、小学生とその保護者でした。
子ども一人にお父さんとお母さんだったりして、大人の方が人数が多かった。
ちょっと話しづらかったですよ。
子どもと大人とどちらに向かって話すべきか、ターゲットが絞りきれませんでした。
まだまだ未熟ですねー。
それでも楽しい授業ができたと思います。
授業のメインの話は「光が出る仕組み」で、電子と光の関係からXFELまでの話だったのですが、それよりも
技術者は楽しい
ということを伝えたかった。
科学者というと、ほとんどの子どもや文系の大人も、研究者をイメージしています。
それも白衣を着たはげちゃびんおやじだったりして。お茶の水博士みたいなイメージですね。
ぼくは科学者とは、科学をメシのタネにしている人、と定義しています。
なので、研究者だけでなく技術者も科学者というカテゴリーに入るわけです。
そう定義すると、科学者の中では研究者より技術者の方が圧倒的に人数は多い。
なので、科学者のほとんど(95%くらいでしょうか)は技術者だってことです。
数が多いと言うことは、それだけ世の中から必要とされているということでもある。
ぼくは、
研究者;夢を見つける仕事
技術者;夢を実現する仕事
であると思っています。
授業の中で、
研究者;世界初、No.1じゃなきゃ意味がない
その意味で厳しい仕事
でも楽しい!
でも楽しい!
技術者;たくさんの知識や技術を広く知る必要がある
その意味で厳しい仕事
でも世界初、No.1でなくてもいい
と話しました。
どちらも世の中に必要な仕事だし、どちらもまじめに取り組めば楽しい仕事だと話しました。
どちらに適性があるかは、人それぞれ。
吉田武『中学生が演じた素粒子論の世界』東海大学出版会\1600-にこうありました。
###
科学者と違って、技術者は必ずしも一番である必要はありません。
世界で二番ならそれはそれで結構です。
仮に同じ技術を持った人がたくさんいても、それは希少価値が減るだけで、全く無意味になる、ということはありません。
体に身についた技術というものは、生涯何らかの形でその人を助けます。(161p)
科学者と違って、技術者は必ずしも一番である必要はありません。
世界で二番ならそれはそれで結構です。
仮に同じ技術を持った人がたくさんいても、それは希少価値が減るだけで、全く無意味になる、ということはありません。
体に身についた技術というものは、生涯何らかの形でその人を助けます。(161p)
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何より技術者は「人まね」が有効なんです。
研究者は人まねは御法度。
技術者はいいものはどんどん真似して、自分の身にすればいい。
勉強すればするだけ技術力が上がる。
その分、夢を実現する技が身に付くんです。
それに技術者は、いろんな仕事に携われるのもメリット。
ぼくもこれまで理研で、多くのプロジェクトに関わってきました。
横浜NMRパーク、和光RIBF、神戸スパコン、そしてXFEL。
これらの施設の写真を見せながら、技術者は楽しいぞ、と話しました。
ところで昨日のごみメールでお見せしたXFEL機械室の写真を、職場内の方にも見てもらいました。
こんな感想をもらいましたよ。
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このお写真に写っている機械室は、本当に美しいですね!
何が美しいかって無駄なものが一つも無い。
色一つ、形一つ、素材一つとっても無駄なものが無い状態。
詳しくは、どう機能するか分からないけど無駄が無いものって、やはり美しいです。
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このお写真に写っている機械室は、本当に美しいですね!
何が美しいかって無駄なものが一つも無い。
色一つ、形一つ、素材一つとっても無駄なものが無い状態。
詳しくは、どう機能するか分からないけど無駄が無いものって、やはり美しいです。
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こういう感想をもらうと嬉しいですねー。
技術者冥利に尽きます。
いいものは素人目にもいいものだと分かるんだと、ぼくは思っています。
玄人しかわからないようなものは、偽物だね。
さ、今日もホンモノ目指して楽しくがんばりましょうか!
2009年3月23日月曜日
結果こそ現実
こんにちは
先週末は、今月末に完成するXFEL棟の監督員検査でした。
口数が減っていた例のフレンドリー君にも、おしゃべりが戻ってきました。
もう大丈夫です!
XFEL棟のコンセプトは「建物もマシンの一部」。
精密で質のよいビームを発信するためには、建物だって高品質で精密でなければならないのです。
マシンを設置する床面の精度も重要ですし、安定した空調や冷却、電源も必要です。
その意味でぼくが手がけた研究実験棟の中でもっともチャレンジングな仕事でした。
検査の結果は、十分合格点を超えた、です。
機能的な要求は満足し、その上で「ホスピタリティ」にあふれた建物になったと思いました。
ホスピタリティとはラテン語で”客間”です。
ホスピタリティを辞書で引くと、客に対する親切なもてなし、歓待とある。
心をこめて客をもてなすこと。
お客さんと一緒に喜び、共に楽しさや感動を共有する場所が客間なのです。
森信三『人生二度なし』致知出版¥1600-にこうありました。
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結果こそ現実であって、願望や意図だけでは、いかにそれが真摯かつ熱烈であろうとも、結局はたんなる主観的観念に過ぎない(56p)
結果こそ現実であって、願望や意図だけでは、いかにそれが真摯かつ熱烈であろうとも、結局はたんなる主観的観念に過ぎない(56p)
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コンセプト=概念、理想です。
理想を思い描くことは大切ですが、それだけでは絵に描いた餅にすぎません。
理想を現実化していくために努力していき、結果を出すことが大切なんだと思っています。
結果とは何か。
多くの人と一緒に喜び、共に楽しさや感動を共有できることだと、ぼくは思います。
今週水曜日には役員の検査があります。
きっとホスピタリティあふれたよい施設に仕上がったことが、役員にも伝わると思います。
がんばってきた施工スタッフのみなさんに感謝ですね。
役員の検査が終了したらすぐ、マシンの搬入、据え付けが始まります。
世界に一歩でも先んじられるように、できることはどんどん着手していくのです。
マシンの据え付け、試運転調整の時にも、建物側のチューニングが必要になってきます。
何たって「建物もマシンの一部」ですからね。
マシンの研究者、技術者のみなさんと努力を続け、よい結果を現実化し、このプロジェクトを成功させ、共に喜び、感動を共有したいなーって思っています。
2009年3月20日金曜日
お金に困らない人生
こんにちは
今造っている研究棟の空調は、床吹き出し空調を採用しました。
計算科学のための研究棟なので、研究者は一日中座っての仕事です。
なので居住空間は普通の研究棟よりも低い位置になります。
床から高さ1.2mまでの範囲で仕事をします。
この空間を快適にする必要がある。
また計算科学の研究者は、デスクの足下にワークステーションというパソコンの強力なやつを置いたりしています。
これもかなり発熱します。
なので、一般的な天井からの空調は適しません。
床面近くを適性に空調したいので、床吹き出し空調で設計したわけです。
といっても、設計時点では床吹き出し空調についてあまり知識はありませんでした。
ただこの空調の方が適していると判断して、空調設計担当者にお願いしたのです。
施工者も決まり、床吹き出し空調についても本格的に打ち合わせが始まりました。
が、スタッフたちとの打ち合わせにちょっと違和感。
何となく話がかみ合っていない。
え?誰もこの技術をよく知らないみたいじゃん!
ちょっとあわてましたよー。
確かに、床吹き出し空調は確立した技術ですが、まだそれほど普及した技術ではありません。
経験したことがない技術者の方が多いのも当然。
じゃー、おれがディレクションしなくちゃねー。
というわけで、その場でパソコンでアマゾンにつなぎ、床吹き出し空調で検索。
適当な本を見つけ、注文です。
ディレクションするためには、先ずは基礎知識の修得が必要ですからね。
ところで我が家は本多静六に倣って、「1/4貯金法」を実践しています。
給料手取りの1/4は、必ず貯金に回すんです。
その残りで一月暮らす。
毎月の暮らしはあまり余裕のないものになりますが、質素倹約に努める習慣ができます。
いざ職を失っても、1~2年なら暮らしていけるだけの蓄えもできます。
質素倹約が身に付いていますから、少ないお金でも暮らしていける。
20年くらい前ぼくが教員だった頃と比べて収入は3倍くらいになっていますが、その頃とあまり変わらない金額で暮らしています。
家族が増えた分程度は生活費は増えていますが、収入を全部使ってしまうような贅沢な(肥大した)暮らしはしていません。
それが精神的余裕を生んでいると思います。
勝間和代『日本を変えよう』毎日新聞\1500-に漫画家西原理恵子さんとの対談が載っていました。
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西原 うち、子どもが「おかあさん、お金とぼくらと、どっちが大事なの?」と聞くんだけど、「両方」って答えるんですよ。
だって金なきゃさあ、親が人じゃなくなっちゃうもの。
だって金なきゃさあ、親が人じゃなくなっちゃうもの。
自分の親がね、金がなくてホントいやなケンカをしていたんです。
数万円で殺すのなんの言って。
人であるためにはお金が必要。
だからお母さんは常に働くの。
だから私はあんたたちのためじゃないく、自分のために働いている、といつも言っているんですよ。(103p)
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お金はそんなにたくさんは必要ないと思いますが、でも、あまりにないのもダメ。
精神的に余裕が無くなってしまいます。
ある調査によると、日本のサラリーマンの幸福度は年収と強い相関があるそうです。
年収1500万円までは、年収が上がるほど幸福度もupするんだって。
相関なので因果じゃありません。
年収が高いから幸福なんだってことかもしれませんし、逆に、幸福な人は年収も高いのかも知れませんけどね。
ともかく、お金に困らない程度は稼げないと人は幸せにはなれないんだと思います。
西原さんの言うように「人であるためにはお金が必要」というのも真理だと思います。
お金がないと、人間らしさも失われてしまうのです。
お金というのは社会の潤滑油、人と人とを結びつけるものでもあると思います。
悪用もされますが、上手に扱えれば幸せにもなれる。
稼げるということは、「人から求められる人物」ということでもある。
誰かが必要としているから、その対価としてお金も得られるんだと思います。
実力があって人から求められれば、感謝されつつお金ももらえるんです。
で、お金と気持ちに余裕があるので、必要な本ならちょっと高価な専門書でも迷わず注文することができます。
お金がないと買うのを迷ったり躊躇したりしちゃいます。
そうすると、学ぶべきことを学ぶべき時期に学べない。
それではよく分からないまま、人任せの仕事になってしまいます。
失敗する確率も高くなる。
まだまだ年収1500万円にはほど遠いですが、まずまずハッピーに暮らしています。
収入>支出なので、お金にも気持ちにも余裕ありあり。
我が子たちにも、稼げる人物になってもらいたいですねー。
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