2009年3月30日月曜日

プロになる読書法

こんにちは

どんな職業でもそうですが、プロ級の仕事をするひとはすべからく勉強家です。
たくさん本を読んでいるし、多くの人と会っている。
仕事とはアウトプットです。
だから、インプット無くしてアウトプット無し、なんです。

だからといって読書家=いい仕事をするってことでもありません。
読書家の中には、小説や歴史書など、自分の仕事に直接関係ない本ばかり読んでいる人も多い。
そういう人は、今目の前にある自分の仕事とその読書がつながらないんです。
すごく長い目で見れば、小説や歴史書で得たことも自分の仕事や生き方に関わってくるでしょうが、仕事とはそもそも目の前の難問を解決することなんですから、役に立たないのです。

ぼくの尊敬する小学校教師だった向山洋一さんは「プロ教師なら教育雑誌を毎月何冊も読まねばならない。教育の専門書を読まねばならない」と繰り返し言っていたのを思い出しました。
ぼくが教師だった頃はナマイキにも「そんな読書法じゃ幅の広い人間になれないぜ」なんて思って、小説や科学の本ばっかり読んでいました。
でも向山さんの本など教育書も読んでいましたし、教育雑誌も数誌は購読していましたから、まずまずだったでしょう。

森信三『人生二度なし』致知出版¥1600-にこうありました。

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(読書の種類は)第一は自分の職業に関する専門の雑誌及び単行本であり、第二は一般的な教養の書だといってよいでしょう。(103p)

一般的な教養は、できるだけ広汎なのがよいと思いますが、しかしそれらは、あくまで円周的読書であって、真の円心的な読書としては、どこまでも、自分の職業を中心とした専門雑誌、および単行本でなければなるまいと思うのです。(104p)
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先ずは「軸足を決める」ってことですね。
軸足は自分の仕事に関する本。
ここは継続的に読まなくてはならない。
その上で小説や直接自分の仕事には関係しない教養書も読む。
軸足をしっかりと決めて、そこから同心円状に教養を広げていくのがいい。

専門雑誌を読むためには、学会などに入ってしまうのがいいです。
毎月定期的に学会誌が送られてきますから、自然と強制的に読むようになるからです。

ぼくも電気技術者協会会報、技術士会会報、電気設備学会誌、空調衛生工学会誌、最近は加速器学会誌と、自分の仕事に関連した雑誌を読んでいます。

もちろん「雑誌」ですから、すべての論文を読むわけではありません。
読書が身に付いていない人ほど、全部を読もうとします。
全部読まないともったいないからでしょうか。
で、もったいないから購読しない、ってことになる。
その方がもったいないですよ。

雑誌は全部読むものではありません。
ぼくも自分の興味のあるもの、自分でも理解できそうなもの、今の仕事に役立ちそうな論文だけ読みます。
まあ、1/10くらいしか読みません。
それでも確実、着実に自分の知識と技術が増えていきます。

せっかく資格をとったのに、学会に入らない人もいます。
会費なんか年額1万円か2万円程度です。
そのくらいの投資を惜しんでどうするんでしょうか。
資格はとっただけでは、その仕事をぎりぎり最低限任せる程度の技量があることを認められただけです。
とてもプロレベルとは言えないのです。
だから、プロになるには継続的な勉強が必要なんです。

その上で、専門バカにならないように、小説や歴史書など教養的な本も読む。
こういう読書もしないと、視野が狭くなって、やはりプロとしての仕事がやがてはできなくなってしまう。
あるいは、上級のプロにはなれないんだと思います。
同心円的読書、これぞプロへの読書法なんだと思います。

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