2008年11月16日日曜日

判断は0.2秒

こんにちは

季節の変わり目、ちょっと風邪気味です。
頭がボーッとして身体の節々が怠い。
もー、仕事なんてしてられないよーって気分。
なので、先週末のXFEL工程会議も早く終わらせて、早く帰宅したかったわけです。

そういうとき、ぼくは普段よりガンガンしゃべりまくります。
そこがぼくが「変人」なところです。
怠いとき普通の人ならダラダラするんですが、ぼくは全速力。
早く終わらせてゆっくりしたいからね。
人生、メリハリですから!

先週末の会議でも9割はぼくがしゃべってましたねー。
その結果、いつもより30分早く終わらせることができ、早めに帰ることができました。
じゃー、いつもそれやれよ、ってか?
あはははは。

最新の脳科学で、人間の脳の判断時間の測定がされています。
その時間は、たったの0.2秒。
人間は、0.2秒あれば判断できるものなんです。
だから、時間をかけたからっていい判断ができるわけじゃない。
判断は瞬時にできるように、脳はできているんです。

そのための前提はありますよ。
0.2秒で正しい判断をするためには、2つの前提条件が必要です。

1.必要十分な正しい知識や情報
2.論理的思考法

なかなか判断できない、決断できない場合、上の二つのどちらか、あるいは両方が不十分なんです。
不十分であれば、それを補えばいい。
1は、不勉強のためであれば、判断に必要な分野の基礎的な本を読み込んでみる、
情報が不足しているなら、インターネットで調べてみる、現場をよく観察してみるなどなど。

2の論理的思考法は、いわゆるロジカルシンキングです。
これはしっかりと訓練しなければ身に付きません。
以前書いたように、学生の頃ロクに数学を勉強しなかった人をぼくは信用しません。
それは、そういう人はロジカルシンキングができず、論理より感情を優先しがちだからです。
感情優先の人は始末におえません。そして必ず大失敗を起こすんです。

学生の頃数学を勉強しなかった場合でも、再訓練することは可能です。
ロジカルシンキングは、資格試験の勉強をすることによっても可能です。
それもちょっと上級資格ですね。
下級資格は暗記だけでも合格できます。
上級資格は、その分野のロジックが理解できないと合格できないように、ちゃんと問題が作られています。
下級資格者はルーチンワークをすることが主な仕事ですから、記憶したことをそのままやっていればよい、下手に考えるな、ということなんだと思います。
上級資格者には、ルーチンワーク以外の問題解決能力も求められます。
そのためには、暗記よりもロジックなんです。
ぼくが資格試験に挑戦し続けている一つの理由も、ロジカルシンキングの訓練のため。
部下や同僚にも資格試験を受けるよう勧めているのも、ロジカルシンキングができるようになってほしいからなんです。
 
もちろん、数学や資格試験の勉強だけじゃないですよ。
普段の仕事の中でも、どうしてこうやるのか、どうしてこういう判断になるのか、そのロジックを意識していると、ロジカルシンキングのいい訓練になりますね。
仕事の裏側にある「考え方」を意識することです。
上司の言うとおり、マニュアル通りに何も考えずにただただ単純労働だけしていたら、いつまでたっても判断力は身に付きません。
たとえ雑用、下働きのような仕事にもロジックはあって、そのロジックが分かると、合理的にテキパキとこなせるようになるし、仕事も楽しくなる。
 
要するに、しっかり勉強しておくことですね。
必要な知識を常にインプットし、考え方の訓練をしておく。
そうすれば0.2秒で判断ができるようになるんです。
なかなか決められないって人は、不勉強なだけなんですよ。
 
必要十分な正しい知識や情報と論理的思考法があれば、0.2秒で判断できるのは、脳の構造に合致しています。
人間の脳は「メモリーベイスドアーキテクチャ(記憶に基づいた思考機関)」だからです。
脳に蓄えられた知識から、問題解決に必要な記憶を読み込んで、パッとあてはめるわけです。
論理、ロジックだって「型」にすぎません。
この型をどれだけ持っているかで、判断の精度が決まるのです。
今考えている問題に最適な型をパッとあてはめているだけなんです。
 
吉越浩一郎『2分以内で仕事は決断しなさい』かんき出版\1400-にこうありました。

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フランスでは、バカロレアという大学入学のための資格試験があり、たとえば、

「対話は真理への道か?」
というような問題が出題されます。
まるで禅問答のような入試問題です。
はたして、この質問に正解はあるのでしょうか?
疑問に思って、フランスの大学を出た息子に尋ねると、あっさり「正解はあるよ」と言う。
私にはさっぱりわかりませんでしたが、哲学の理論を組み合わせてロジックを構成していけば、きちんと答えが出るんだそうです。(59p)
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これはおもしろい!
哲学の問題だって、知識とロジックで正解は得られるんですね。
 
でも考えてみれば、そりゃそーだ。
正解とは、誰もが納得できる答えです。
誰もがトレースできるということです。
そうじゃないと、学問として成り立ちません。
ただのおっさんの戯言で終わってしまう。
 
吉越さんは、経営者です。
判断を誤ると会社はつぶれます。
間違いは許されない立場です。
でも一つの案件は2分で処理できると言っています。
なぜなら、自分の中にロジックが既にあり、あとは必要な情報さえあれば、正しい判断ができるからなんです。
判断に必要な情報は何か分かっているから、何を調べればいいか部下に指示しておけばいい。
部下がその情報を報告する時間が2分間なんです。2分間で報告するようにさせるんですね。
それを聞けば、あとは0.2秒で、間違いのない決断できるってわけです。
 
ぼくもその境地に行きたくて、今日もコツコツと勉強を続けているのです。
そして実践の場(仕事の会議)で応用して、技として身に着くよう訓練しているのです。

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