2008年11月25日火曜日

プロは慎重

こんにちは

今建設中の次世代スーパーコンピュータに電源を供給する、関西電力の新変電所が完成したというので、さっそく見学させてもらいました。
ついでに、そのまた大元の変電所や給電司令所も見学。
楽しかった~。

給電司令所とは、神戸管内の配電用変電所の状態監視、操作が遠隔でできるところです。
こちらも完成したばかりとのこと。
監視、操作を遠隔でできるようにしたため、各配電用変電所は完全に無人化されたそうです。

給電司令所には、監視設備とまったく同じシミュレーターが置いてありました。
そこで、関西電力の技術者さんが、保守点検のための制御プログラムを作成していました。

ぼくは疑問に思いました。
せっかく全部自動化したのに、制御プログラムをいちいち作成するのはなぜ?
その答えはというと。

 ・電気事故の場合は、安全に遮断するための手順が確立されているので
  制御プログラムは完全に自動化している。
  また、制御装置が完成するときに念入りに試験をしているので、
  事故対応は完璧になっている。
 ・保守点検のための制御は、その保守内容によって異なるので定型がない。
  定型がないので、すべての場合を想定したプログラムをあらかじめ作成
  するのは困難である。
  その都度プログラムを作成する方が合理的。  
 ・さらに、制御プログラムを作成する技術者の育成も継続させる必要がある。

作成した制御プログラムをシミュレーターで確認し、実際の作業に支障がないことを十分確かめるわけです。定型のない制御なので、いきなり実機で制御することは危険です。
ある制御をしたために、思いもしなかった事故対応の自動制御が働く可能性があるからです。
監視制御装置はあくまで事故対応を優先して作られているからです。
そういう思いこみ操作を防ぐために、シミュレーターで確認するわけですね。

今『徒然草』なんて読んでいます。
ぼくは古典の素養がないので、もちろん現代語訳。
第187段にこんなことが書いてありました。

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どのような道であれ、専門家というものは、たとえ下手でも、上手な素人と比べれば、かならずまさるものだ。
それは、専門家がたゆみなく用心して、軽率に事を行なわないのに対し、素人はただ気ままにふるまうという点で差がつくのである。
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プロとはどんな人かというと、ぼくは次のように考えています。

 戦略は大胆に 戦術は細心に

戦略とは目標、目的です。
目標、目的は夢をでっかく持って、オレには実現できるはずだと確信する。
戦略はあくまでポジティブなんです。
でもそれだけじゃだめ。
戦略を実現するための戦術も持っている。
戦術こそ、夢を実現させるための技術、方策なんです。

そして戦術を選び、実行するときは、慎重に行う。
戦術はネガティブに考える。
決して軽率に気ままに行動しない。
失敗しないように慎重に慎重に進めるわけです。
それが戦略を実現する王道なんですね。

関西電力さんの給電司令所を見学させてもらって、プロの仕事の仕方を再認識しましたよ。
楽しかったなー。

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