2010年7月6日火曜日

ストレスは人生のスパイス

こんにちは

現代の病気のほとんどは、ストレスが原因なのだそうです。
病気の人を診断すると、かならずストレスがあることが分かる。
だから、原因となるストレスを取り除くことが、治療に役立ちます。
確かに病気の人に対してはその通りですが、それを健康な人にまで適用するのは正しいのでしょうか。
ストレスを取り除いてストレスのない生活をすれば、健康を維持できるのでしょうか。

人が生きていく上では、ストレスは避けて通れないものです。
暑さ、寒さ、直射日光、雨風、天変地異、飢餓、仕事、勉強、子育て、嫁姑問題、近所付き合い、職場の和、いじめ、酒・たばこ、妻の愚痴。
この世はストレスだらけです。
とてもすべてを避けることはできません。

病気の人は体と心が弱っているので、緊急避難が必要ですから、ストレスのないところで回復を待つ方がいいでしょう。
でも健康な人までストレスを避けてしまうのは、ストレスに対する耐性を身に着けるチャンスを逃していることになります。
ストレスから逃げてばっかりいると、心と身体がひ弱になってしまいます。
すると、ちょっと見逃してしまった微弱なストレスによって、体や精神が耐えきれずに病気にまで至ってしまう。
きちんと耐性を身に着けていれば、病気になんかならなかった程度のストレスに負けてしまうことになる。
だから、同じストレスでもその対処の仕方は病気の人と健康な人では違うのです。

病気の人は緊急避難的にストレスから離す。
健康な人は避けずに立ち向かう。
病気の人だって健康を取り戻したら、やっぱりストレスに立ち向かわなくちゃならないのです。

藤田紘一郎『原始人健康学』新潮選書\1000-にこう書いてありました。

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適度のストレスはよい刺激となり、生活の張りにもなるのだ。
ストレス学説を唱えたセリエというカナダの学者は、「ストレスは人生のスパイス」と言っている。
人生に欠かせないもので、ピリッとした味を出すという意味だろう。(121p)
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子育ての要諦に「ちょっと飢えさせ、ちょっと寒くさせる」ことがあります。
昔から言われている、子育てのコツです。
飢えも寒さもストレスの元になるものです。
子どもは大事にしすぎるのではなく、ちょっとストレスをかけた方がよく育つ。
セリエ博士の言うように、スパイスを利かせた方が人生は美味しくなるわけです。

我が子たちには、ストレスに対する耐性を身に着け、より大きなストレスにも耐えられるようになってもらいたいと思っています。
何か新しいことに挑戦するときは、ストレスがかかるのは当たり前です。
入試だってそうだし、入学してまったく見ず知らずだったクラスメイトと新しい人間関係を築く時だって、ストレスフルなことです。
誰もが避けては通れないストレスに、そう易々と負けては困ります。
健康で調子のいいときはストレスをある程度かけて、耐性を鍛える。
あるいはちょっとやそっとのストレスに負けないよう、心と身体を鍛えていくんです。

あるストレスを避けると、別のストレスがそこから発生してきて、今度はそれに押しつぶされることもあります。
入試を避けてしまったがために、今度は浪人生活が待っていて、よけいに重苦しい気持ちで勉強しなくちゃならなくなる、なんてね。
そう考えると、一番効果的なストレスの対処はその「ストレスそのものに立ち向かうこと」なんだと思うのです。
今自分か感じているストレスそのものに立ち向かい、それを解消する。
ストレスを乗り越え、耐性を身に着けていくのが一番の正攻法なんだと思います。
これは子どもだけじゃなく大人も同じですね。

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