2009年8月24日月曜日

名前の残る仕事がしたい

こんにちは

ぼくはぼく自身のやった仕事をある意味「誇り」にしています。
機会を見つけて、時間をやりくりして、自分の造った建物を何度も何度も歩き回ります。
そのためにちょっと早めに出張に出かけたり、数時間帰宅が遅くなったりしますが、オトクなことの方が断然大きいんです。
そこで既に仕事をしている人と話をしたり、建物施設の使い方や設計思想を話したり、困っていることを相談をされたりするのも有益。
不具合の発見も早くなるし、人とのつながりができていれば解決は早い。
だって詰まるところ、トラブル解決は人間関係、なんですから。
そしてそうやって得たノウハウを次の研究棟を造るときに活かしていく。
オトクですぜー。

要するにぼくは、自分の名前の残る仕事、をしたいと思っているのです。
インターネット掲示板でも、匿名の掲示板は荒れます。
なぜなら、匿名なら無責任な発言が可能だからです。
誰だか分からないなら、責任を追求されることはない(ホントはあるんですが、そう誤解している人が無茶苦茶な誹謗中傷を書き込み続けています)。
仕事だってそれと同じです。
誰がやったか分からないような仕事は無責任になりがちです。
それにも増して、誰がやったか分からないような仕事には熱がない。
責任があり、面白い仕事をしていくためにも、オレのやった仕事だ、ということをハッキリ全面に出していく必要があると思っているのです。
無責任な人ほど、つまらない仕事をしている人ほど、自分の名前を公にするのを嫌いますしね。
これまでも職場内では、職場内ホームページなどで工事の進捗状況や出来上がった建物の紹介などをしてきました。

今年からはより広く世の中に向けて自分の仕事をアピールしていこうと思って、XFEL建屋建設について加速器学会で発表してみました。
これがなかなか好評で、多くの学会参加者から「おもしろいやり方だ」「うちでもやってみたい」というお言葉をいただけました。
中には「おもしろいと思うけど、実際に上手く稼働するかどうかが重要だ」という厳しい指摘もいただきました。
確かに、動いてナンボの施設です。
でもこうやって、自分の名前を公にして発表したからには責任もより大きくなります。
トラブルがあってもオレがちゃんと対応していくぜ、プロジェクトは絶対成功させるぜ、という気になりますから。
名前が出てて失敗しちゃったら、かなりみっともないしね。

論文には、建設工事で苦楽を共にした設計会社や施工会社のスタッフも共著者に入ってもらいました。
大変な工事をしてもらった感謝の気持ちもあります。
そしてそれよりも、彼らにも自分の仕事に誇りを持ってもらいたいからです。
誇りを持つとは責任を持つことでもある。
工事が完成してそれでお終い、ということにはしてもらいたくないのです。
時々は時間と機会を見つけて、自分の関わった仕事のその後を見に来てほしい。
できれば、自分の子どもも連れてきて、これはオレが造ったんだぜ、と自慢してほしい。
そのためには、トラブルがあったとき迅速に責任ある対応をする必要があるでしょ。
名前を前面に出すことによって、スタッフのみんなにもより責任感を持ってもらいたい、という気持ちがぼくにはあるのです。
XFELもマシン据え付けが始まったばかりです。
これから試運転が始まるにつれ、トラブルも発生してくることでしょう。
自分の仕事に誇りをもって、それらに対処していきたいと思っています。

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