2011年2月15日火曜日

締め切りを守れ!


こんにちは

ぼくは「締め切り」にうるさいやつです。
仕事を頼まれても頼んでも、締切日を明確にしないと気がすまない。
「なるべく早く」とか「ゆっくりでいいよ」とか、あいまいな指定は嫌。
○月△日、ときっちりと決めないと、安心できない。
日にちを確定して手帳にメモしないと気がすまないんです。

それは今までの経験から得た教訓なんです。
「ゆっくりでいいよ」と言っていた人が、突然「あれ、どうなってる?」なんて催促してくることが多いんですね。
ゆっくりでいいと思っているので、当然やっていないわけです。
でも催促されると、やっていない方が悪いみたいな状況になっちゃう。

誰でもそうでしょうが、催促されるほど嫌なことはありません。
まるでこっちがサボっていたような気になってしまい、無能であるかのような劣等感を植え付けられてしまいます。

その点、具体的に締切日を設定していれば「それは○月△日のお約束です」と言える。
ちっともやってなくても「お約束の○月△日には提出できますよ。進捗状況もばっちりです」なんて言っちゃえます。

スケジュール管理で大事なのは、締切日よりもその作業をいつやるか、なんです。
締切日が明確なら、逆算して作業する日程を組みやすい。
仕事の優先度もつけやすいのです。

反対に誰かに仕事を頼んだときも、管理がしやすい。
締め切り1週間前頃になったら「来週がお約束の日です。よろしく」なんてメールを出したりできる。
前日になれば「明日です。よろしく」とアテンションできたりする。
事前にアテンションしておけば、万が一遅れる場合でもその情報が得やすく、ドタキャンを防ぐことができます。
必要なら手伝ったり、みんなに応援を頼んだりもできる。
だいたい無能な人に限って締め切り日まで何も言わず、助けを求めないんですよ。
いきなりドタキャンするんです。
ドタキャンはこっちのスケジュールにも影響大で、避けるべき事態です。
たとえ前日でも遅れることが予めわかれば、調整も可能です。
次善の策を施すこともできる。

時々立派な人がいて、締切日より大分早く提出してくる。
これも困りものなんです。
早く出されてもこっちはそれに対応する時間がない。
チェックもせずに、ただ受け取って保管するだけになっちゃう。
締切日に提出してくれれば、受け取ったときに真剣に内容チェックします。
その方が間違いも少ない。
だから、自分でも提出日も守るようにしていますし、相手には守ってもらうようにお願いしています。

締め切りを決めることは、その他にもご利益があります。
人間は、終わりの時が明確だと、かなり過酷な状況でも耐えられるものなのです。
地震など大災害が起こったとき、レスキュー隊が活躍します。
彼らは期限を切って救助活動を行うそうなのです。
被災者全員を助けるまで、といったあいまいな期限はきめません。
2日間とか3日間と区切りを決めてしまう。
それで被災者全員を救助し切れなくても、とりあえずそこで打ち切る。
非情なようですが、そうしないとレスキュー隊の人たちが精神的にまいってしまうからなのだそうです。
2日間とか3日間と期限を決めれば、その間は不眠不休でもがんばることができます。
期限を切ることによって、その間の救助活動の効率が上がるのです。
その方が被災者にとってもメリットがあるのです。
期限を決めないと、だらだらと救助活動をすることになってしまいます。
いつ終わるかわからないので、自分の体力を温存しないとならないという意識が働いてしまうからでしょう。

締め切りを明確にすることによって、ストレスにも耐えられるようになるわけです。
これを精神医学では「締め切り効果」と呼ぶそうです。
確かに人間は、そんなに辛くはないがいつまで続くかわからない「ぬるい地獄」ほど嫌なものはありませんから。
きつい地獄でも、終わる時が決まっているならそれに耐えられるんです。

森博嗣『小説家という職業』集英社新書¥700-から引用します。

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仕事には締切りがある。
いつまでになにを書くのか、そのあとのシリーズの展開はどんなふうにするのか。
近いものは3年くらいさきまで、すべて予定を決め、遠いものは10年くらいさきまで、たいたいの方針を考えておいた方が良い。
予定を立ててもそのとおりにいかない、という人は多いけれど、だからといって、予定を立てなければ、そのまま予定どおり、なにもできないだけである。
予定を現実に歩み寄らせて、「予定どおりだ」と満足することに価値があるのではない。
たとえ予定どおりにいかなくても、現実を多少でも予定(つまり理想)に近づける努力をすることが、有意義な人生というものだと思う。
もし、予定のとおりに現実を築くことができれば、それが「自由」というものではないか。
予定を守るということは、第一には自分に対してであり、また、ビジネスであるからには、仕事関係(つまり出版社や読者)に対しても、約束を守ることが結局は自分の利益につながる。(89p)
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予定通りにこなすこと、締め切りを守ることは「自由」を得る方法でもあるんですね。
人生、メリハリですからね。
締め切り効果を活用していこうと思います。
(「締め切り効果」については、吉田たかよし『1分間ですべてが決まる!』サンマーク出版\1400-に書いてありました)。


写真は神戸iPS棟工事現場です。
仕上げ工事の真っ最中。
スタッフも現場事務所に泊まり込んでの作業。
締め切り=竣工日までもう一踏ん張り!

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