2009年1月6日火曜日

残業するほど暇じゃない

こんにちは

ぼくは職場の衛生管理者も拝命しています。
そのため安全衛生情報にも触れる機会が多い。
自ら求めるだけでは得られないような情報・知識が向こうからやってきます。
やっぱり法的資格者として選任されていれば、それに関した情報はパッと目に入ります。
強制的に自分に興味関心を呼び起こす、すなわちアンテナが張られるんですね。
また、職場内で普段はあまり付き合うことのない多くの人と知り合うこともできます。
そこで得られた情報・知識・人脈を次の仕事へフィードバックすることもできる。
これは役得です。
確かにこのような本来業務以外の仕事をやることは、ちょっと大変だしめんどう。
でも多少の大変さや面倒くささを補ってあまりある価値があると思います。

労働安全衛生に関する雑誌(こういう専門誌があるんです!)をパラパラと見ていたら、こんな情報がぼくのアンテナに引っかかりました。
「同一時間の残業でも、賃金を支払われる残業より、サービス残業の労働災害の発生率は高くなる」
ほほー。
同じ時間残業してもそれに対して報酬が支払われるかどうかで、肉体や精神に対するダメージが違うんですね。

最近はコンプライアンス流行ですから、多くの会社で労働基準法の適用が厳しくなっています。
法に定められた残業時間数を超えた超過労働は、原則的に厳禁。でもその時間では個々人に与えられた仕事量を処理することができない。
ではどうするかというと、「運用」で法令を守るわけです。
帳簿上は法令を守るんだけど、実態は違反する。
すなわちサービス残業です。

なぜサービス残業だと心身に対するダメージが大きくなってしまうのでしょうか。
それは「緊張感」の違いでしょう。
賃金が支払われると思ったらダラダラはできません。
残業代に見合った仕事の仕方をしないと、上司から文句言われたりするし、自分としてもみっともない。
だから合理的にテキパキと短時間でこなそうとするはずです。
ところが賃金が支払われないとしたら、どうしてもダラダラしちゃいますよね、普通の人間は。
どうせタダ仕事なんだから、多少だらだらやってても上司は文句は言えまい。
オレはタダで仕事をやってやってるんだ、文句あっか!
そういう「甘え」が出ちゃうんですよ。
ひどい人になると、缶ビールなんかコンビニで買って来ちゃって、飲みながら仕事をしたりね。
これじゃー体に悪いですよ。
報酬と仕事のリンクが断ち切られると、こういうことになりがちなんですね。

最近は「裁量労働制」の雇用契約の人も増えてきました。
これは、時間管理はしないけど、所定の労働時間働いたと「みなす」という雇用形態です。
裁量労働制の人も、ダラダラしがちです。
報酬と仕事のリンクが切れちゃう人もいます。
そうすると労働時間が無制限に長くなってしまい、労働災害への道をまっしぐらということにもなりかねません。
裁量労働制の人だって、報酬と仕事はリンクさせておく必要があります。

報酬が労働時間によらず一定だからといって、長時間働くことは損なことです。
だって、報酬が一定なら短時間に仕事をこなせばその分時給換算での報酬は増えるからです。
時給換算での報酬が増えるということは、労働者としての価値が増すということです。
価値が増せば、次の契約の時に報酬を上げていくこともできる。
もちろん、健康も確保しながら。

長野慶太『部下は育てるな!取り替えろ!!』光文社¥952-から引用します。

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ホワイトカラーの場合、仕事は終わらないのが普通だ。
いちいちキリなんかつかないのである。
キリをつけるのは自分だ。(52p)
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昔から「タダほど高いものはない」って言います。
サービス残業で労働災害になっちゃ、自分も損ですし、会社にも多大な損害を与えます。
だから、サービス残業はしないさせない、ようにしなくてはいけないと思います。
そのために、ちゃんと報酬と仕事がリンクするようなメリハリのある仕事の仕方をしないといけませんね。

何より、自分の価値を高めるような働き方をしなければいけないと思います。
仕事は時間じゃないんです。アウトプット量です。
短時間にできるだけ多くのアウトプットができる方がいいのです。
労働災害は長時間の労働時間で発生します。
決して、たくさんのアウトプットによって発生することはないんです。
がむしゃらに集中して脳が発熱するくらい8時間働く人より、だらだらと毎日12時間労働の人の方が、労働災害になりやすいんです。

だから、集中して短時間にこなしていく。
そのためには、自分でどこまでやれば合格点を採れるのか、キリを付ける必要がある。
キリを付けるには、知識と経験が必要。
短時間に合理的に働くために、意図的に経験を積み、判断の基準となる知識を学んでいく必要があるんだと思っています。

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