2009年2月5日木曜日

リスクを取れ!

こんにちは

今、横浜研でも小規模な工事を実施しています。
ぼくはXFEL、次世代スパコンと大規模な工事の主担当をしているので、なかなか横浜研の工事にコミットする時間を取れずにいました。
横浜研の工事を担当する若い同僚には、「自分の権限と責任でどんどん決められることは決めてやること。それが施工する人にとって一番ありがたいことなんだ」と教えてきました。
もちろん、自分の知識と技術の及ばないところ、権限の及ばないところはいつでも相談しなさい、と。

まー、ところが決められないんだよねー。
ただただ悩んでいる。
仕事の効率を落とす一番のファクターは悩むこと。
悩んでいる時間は、何もアウトプットしないからね。

というわけで、時間をやりくりして横浜研に行きました。
せめてぼくの専門である電気設備関係は、すべて決めてきてしまおうと。
1時間の電気設備分科会でザクザクと指示を出し、全体工程会議でもしゃべりっぱなし。
半日の出張を有意義にできました。

工程会議の翌日、横浜研の施設係の方からこんなメールをもらいました。

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関口さん(や佐藤さん)が会議にいるのといないのとでは、何故あんなに工程会議の雰囲気が違うのでしょう・・?
話のもっていき方がとてもスムーズで。
今更ながらですが、学ばせてもらいました。
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嬉しいですねー。
佐藤さんというのは、例のよく怒る(笑)ぼくの元上司です。
ぼくは佐藤さんの自称一番弟子ですからー。

ぼくも佐藤さんも、会議とは「決定の場」であると認識しています。
そうじゃなきゃ、わざわざ時間をとってみんなで顔を合わせて話し合う意義がありません。
だから、決定しない会議は無意味なんです。
会議の時に「社に戻って検討します」なんていう人がいますが、こういう人はダメです。
会議に出る資格なし。
決定権があるから、会議に出席して意義ある議論ができるんです。

もちろん、自分だけで決められないこともありますよ。
でも決められることだってある。
自分で決められることも決めないとしたら、その人の能力を疑われます。
無責任なんです。
すなわち、決定できると言うことは権限と責任を持っている、ということです。

責任にはリスクも伴います。
決めたからには責任を持つという、リスクも背負い込むことになる。
それに耐えられるのかどうかです。
耐えられないから、決められないのです。
内田樹『疲れすぎて眠れぬ夜のために』角川書店\1500-にこうありました。

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すぐれたビジネスマンは「リスクを取る」と言いますが、凡庸なサラリーマンは「リスクを負う」と言うからです。
「リスクというのは負わされるものだ」というふうに思う人は、リスクをできるだけ回避しようとします。
確かにリスクは回避されますが、リスクを取らない人間は同時に決定権をも回避することになります。そういう人はビジネスには参加できません。
「俺がリスクを取る」と言った人がそのビジネスに関する決定権を持ち、リーダーになるのです。
「リスクを負いたくない」と言ってリスクを取ることを忌避して、決定権を他人に譲った人間はレイバーを担当するしかありません。
ビジネスとレイバーの差は、ですから常雇いか臨時雇いの違いでも、時給やポストの格差でも、資本金の規模でもありません。
その人が「リスクを取る」という決断をできるかどうか、その一点にかかっています。(72p)
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確かに英語では「リスクテイク」と言いますね。
リスクはデンジャー(危険)とは違います。
デンジャーは偶発的で不可避なコントロールできない危険です。
リスクは予め予測できるコントロールすることによって回避可能な危険です。

決定権を持つことは、リスクテイクする技量を持っているということなんです。
リスクテイクできることが、リーダーの役割であり資格である。
それが出来ない人は、レイバー(雇われ人、奴隷)にしかなれないんですね。
そしてそれは職位とか立場とか給料とかとは無関係なんです。
どんな職位であってもリーダーになれるし、レイバーに堕することだってある。
その違いは、リスクを取って決定するか、リスクを避けて決めないか、なんです。

さて今日もこれからXFEL現場です。
ザクザク決めてきます!

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