2009年3月3日火曜日

目の前のことに集中せよ!

こんにちは

XFEL施設も完成間近とは言え、設備工事はまだまだ厳しい状況です。
がんばってくれている施工スタッフのみなさんに感謝です。
そんな中、打ち合わせの時に若い代理人さんがこう質問してきました。

 そろそろ完成図書を整理したいのだが、
 まとめ方を教えてほしい

先へ先へと段取りしていくのは大変よいことです。
でもまだその時期じゃないなー。
もう少し工事に専念、集中した方がいい時期です。
ぼくは次のようにアドバイスしました。

 ○月○日の担当者検査までは工事に集中してよ。
 工事にめどが付いたら、完成図書を一気にまとめよう!

人間の能力は限られています。
あれこれ同時にできるほど、キャパシティは大きくないのです。
脳の前頭葉にあるワーキングメモリが7つしかないことからも、それが分かります。
あれこれ同時に仕事をすると、意識も分散してしまいます。
一つのことに集中すべき時期は集中した方が効率的なんです。
人間の意識だって貴重な「資源」。
いつどこにそれを投入するかは、大切な戦術なんです。

戦争など生死を分ける戦いの時は、特にそうです。
あちこち分散して闘うのは、戦術としてまずい。
必ず負けてしまいます。
成毛眞『マーケティングの心得』NESCO\1500-に、元陸上自衛隊幕僚の松村劭氏との対談が乗っていました。

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松村 そうです。敵はあっちこっち散ってますから、それと全部戦うわけには
いきません。当面こいつをつぶせというのがはっきりしないと話がすっとんで
しまう。

成毛 それも外資系ではよくやっていることです。マーケティング用語で言う
フォーカスですね。今年はここ、来年はあっちとはっきり決めますよ。

松村 ハハハハハ。そうでしょ。

成毛 はっきり決めるんですが、二つとも同時に敵にしようと言うと、必ず頭
をガツンとやられるんです。何を考えてるんだと(笑)。二正面攻撃というの
は、戦史上、成功した例がないですよね。

松村 二正面攻撃をする奴はバカですね。
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経営学でも「フォーカス」つまり<焦点化>するのが有効なんですね。
敵は一つに絞ることが、勝つためのセオリーなんです。
フォーカスして、一つずつ潰していく。
仕事だって同じです。
フォーカスして、勝ちにつながると思われるところからひとつずつやっつけていく。
あれこれやりすぎない。
それが仕事の戦術なんです。

では、どこから潰していけばいいのでしょうか。
フォーカスするポイントを、同書で松村氏は示してくれています。

 ・やっつけやすいほうからやっつけろ、
 ・危険なやつからやっつけろ、
 ・身近なやつからやっつけろ

という三つの原則があるんだそうです。
一番大事なのは三番目、身近なやつからやっつけろ、だと思います。
身近なやつは、すぐそこまで迫ってきているわけですから、危険なやつでもある。
すぐそこまできているのですから、集中すればやっつけやすいやつでもある。
つまり、身近なやつ=目の前のことに集中するのが、戦術上有利なんだと思います。

勝つためには、すなわちいい仕事をするには、どこに集中すべきか。
XFELに関しては、今は工事に集中する方が断然得だと、ぼくは考えたわけです。
若い代理人さんはじめ、施工スタッフのみなさんには、よい仕事を残していってもらいたいと思っています。
もう一踏ん張りですね!

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