2009年3月11日水曜日

先生は尊敬しよう

こんにちは

ぼくの大学時代の恩師が定年退官しました。
恩師にはご夫妻でぼくらの結婚式の仲人もお願いしたり、大変お世話になりました。
学生時代もよくご自宅に呼んでいただいて、ご飯をごちそうになったり。
もちろん、勉強もマンツーマンで厳しく楽しく教えてもらいました。
ぼくも日本の学生としては(笑)よく勉強したと思いますが、それは先生のおかげです。
ぼくの人生で一番影響を受けた、すなわち尊敬する先生です。
尊敬できる先生を持てたことは、とてもハッピーなことだと思っています。
感謝。

最近の子どもが学ばなくなった、学力が低下した主原因は「尊敬できる先生と出会えない」からだと思っています。
と言うより、内田樹さんも言っていましたが、先生を尊敬しなくなったからだと思えます。
もちろん変な先生、嫌な先生、とても尊敬なんかできない先生もいますよ。
でもそういう先生からだって、反面教師的に学べることだってあります。
学ぶところがあるなら、一部分かもしれませんが尊敬も生まれるはすなんです。

でも最近の子どもは、ちょっとでも嫌なところがあったり、変なところがあると、その先生を全否定します。
バカにしちゃったりします。
そうすると、受け取るものも受け取れなくなってしまう。
学びはゼロになってしまうのです。

それでも毎日学校へ行き、その先生の授業を受けなくてはならない。
何も学ばないとしたら、ただただ時間だけを浪費することになってしまいます。
先生の立場からだって、尊敬もされずに、ぎゃーぎゃー文句ばかりいう子どもに、親切に教えようという気は起きませんよ。
教えようという気が起きない、やる気のない先生を育てちゃっているんですね。
それはとてももったいないことだと思います。

『知致』'09.02に米永邦雄講演録「美しい日本人を育てよう」が載っていました。

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フィンランドの教育が素晴らしいということで、よく引き合いに出されますね。
日本と何が違うのでしょうか。
それは、子どもたちが親を、そして学校の先生を尊敬していることです。
それで、子どもは学校から帰ってですね、親の言い付けをしっかり守って予習、復習をする。
つまり、家の中で勉強をするってことなんです。
それから親も、先生を尊敬しているんですね。
たとえば、親にあなたのお子さんが勉強ができるかできないかは、どこに原因があるかという質問をします。
そうするとフィンランドでは90%以上の親が自分の責任である、家庭の問題である、本人の意欲の問題であると答えます。
いまの日本の親とは全然違います。
ここに決定的な違いがあります。
そこをもっと強調して紹介してほしいですね。
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フィンランドの先生は、全員が大学院修士課程を修了していて、学識も高いのも確かです。
だから尊敬に値するって面もないわけじゃない。
でも日本にだって大学院出た教師はたくさんいますよ。
近年採用される高校の先生は、そのほとんどが修士、博士だったりします。
小中学校にも大学院卒の先生は増えているんです。
それでも生徒からバカにされていたりする。
親も「あの先生、東大出てるくせにたいしたことないわね」なんて言う。
それじゃあ、子どもも先生を尊敬するようになりませんよ。

その違いは「躾」なんだと思うのです。
フィンランドの親は、先生は無条件で偉い、と子どもに躾けている。
幼少の頃から「先生は偉い」と躾けられていれば、そういう気になります。
偉い人の言うことは先ずは聴いてみよう、ということになります。
もちろんフィンランドだって変な先生、嫌な先生もいるでしょう。
子どもが成長するにつれ、そういうところも見えてくるのは、日本と変わらない。
でも、躾ができているから、学ぶべき所は学ぶ、という態度がとれる。

子どもが学ぼうとしていれば、先生だってそれに応えようとします。
子どもが分かった、面白い、と笑顔で言ってくれることが、先生の最大の報酬です。
そのために、自身も勉強したり、教え方を工夫したりするようになる。
そうすればますます子どもは勉強が好きになります。
子どもも育つし、先生も育つ。
好循環が生まれます。
オトクです。

公立学校の経費は税金でまかなわれています。
その経費は、小中高とも生徒一人あたり年間100万円にもなっています。
これだけのお金を使って、子どもをダメにし、先生をダメにしているのが日本の現状。
まったくもったいない話です。

「先生は偉い」という躾を子どもにしていくこと、親もたとえウソでもいいから「先生は偉い」と言うこと。
それが日本の教育を良くしていく最適行動なんだと思います。

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