こんにちは
仕事の品質は、「基礎力×情熱」できまると書きました。
でもどちらがより大事かといえば、情熱だと思います。
情熱がない人は、たいてい基礎力にも欠けているんです。
だって、情熱=モチベーションもないのに何かを学ぼうとするでしょうか。
情熱があるから、失敗したときでもそこから学ぶことができる。
情熱があるから、自分に不足しているものを強く意識できる。
情熱があるから、上手くいったときも喜びも大きい。
つまり、情熱があるから強く脳に刻まれるんです。
情熱がない人は、たとえその仕事の経験年数が20年、30年あろうと、ちっとも基礎も身に付いていないものなのだと思います。
仕事とは「積み上げるもの」だと思います。
積み上げるとは、覚える、記憶することに他なりません。
どれだけ自分の中にストックがたくさんあるかが基礎力なんだと思うのです。
その意味で、情熱とは人間を動かす「燃料」なんです。
燃料がなければ動けません。
動かないなら多くの経験をすることができません。
経験が足らないなら、仕事は積み上がっていきません。
積み上がっていないなら、ろくな仕事はできないのです。
安藤忠雄『建築家安藤忠雄』新潮社¥1900-から引用します。
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私も、つくり手は自分の関わった建築にはそれが建ち続ける限り責任を持つべきだという考えを持っている。(略)
<淡路夢舞台>では、完成以来、年に一度、建設に関わった人間数百人が集まって”同窓会”をやっている。
集客の助けになればというのと、自主的なメンテナンスの機会にしようという狙いで始めたものだ。(211p)
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安藤さんの建築はとてもユニーク。
建ててそれでお終いだとトラブル続出になりそう。
でも安藤さんは自分の造った作品を愛しているんですね。
愛しているから責任も持ち続けようとしている。
そのための手段として、定期的に、あるいは機会を見つけて、自分の造った建物に足を運ぶ。
足を運んで不具合を見つけ、すぐ直してしまうんです。
そうやって自分の造った建物を長い年月をかけて「仕上げ」ていくんですね。
すごい情熱です。
そしてその情熱は一緒にその建物を造った仲間たちにも伝染する。
それが「同窓会」となって毎年続いていくなんて、素晴らしいことだと思います。
こういう継続した努力があるから、安藤さんの設計は多くの人から支持されるんでしょう。
先日の電気設備学会では、XFEL電気工事に関わったスタッフたちも参加してくれました。
学会に参加するって意外と大変。
仕事のやりくりをして時間を捻出し、上司の許可を得て(説得して)出張するわけです。
情熱がないとできないことです。
これからも彼らと時々、年に一度くらい機会を見つけて集い続けたいですね。
自分の造った設備を愛し、自分の造った設備に責任を持ち、情熱を灯し続けるために。
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