2010年3月24日水曜日

最後までやり抜け!


こんにちは

ぼくは誰かから仕事を頼まれたとき、「いつまでにやればいいですか」と聞きます。
そういうとき「なるべく早く」と言う人がいますよね。
こういう人はぼくは信用しません。
とてもプロだとは思えないからです。

そりゃ誰だって早くやってもらいたいですよ。
早くやってくれれば、自分の方が楽になりますからね。
自分は余裕のある時期に、その仕事に着手できるからです。
早くやってもらえれば、自分が始めないとならない時期まで机の上に放っておくこともできるのです。
つまり、「なるべく早く」という人は、他人には無理な要求をし、自分に有利に導こうと考えているわけです。
まー、卑怯な物言いなわけですよ、意識していないと思いますが。
そのことは心しておきたい。

まー、この手の人は得てして、机の上に放りっぱなしにしておいて、ギリギリな時期になってあわてて始めたりするんですよねー。
そして結局、締め切りに間に合わなかったりしてね。
挙げ句の果てに、締め切りに間に合わなかったのは関口の仕事が遅かったからだ、なんて言っちゃたり。
モンスターですね、この人。

モンスターは「他罰的」なのが特徴。
悪いことがあってもすべて他人のせいにする。
「私は何度も言ったんですが、あの人はやってくれなかった」なーんてね。
百歩譲ってあの人がやってくれなかったのなら、自分でやればいいじゃないですか。
わざわざ自分は「言うだけの人」だって公言しているわけです。
モンスター君は自分の責任はまったく考えに入れないわけですから、反省しないのです。
反省しなければ、次に改善しようなんて気持ちも持たない。
だって悪いのはオレじゃないんだから、です。
必然的に能力は上がらないままになり、同じような失敗を繰り返すんです。
そういう人には近づきたくないですなー。

プロ(=専門家)と呼べる人は「なるべく早く」なんて絶対に言いません。
もっと具体的に期日を決められる。
何月何日まで、何月のこの週までに、何月下旬までに、など。
なぜ決められるのかと言うと、段取りが「見えている」からです。
仕事とは、誰かからパスされたものを、誰かにトスするようなものです。
前段取りと後段取りが見えていれば、自分の作業時間が見積もれる。
さらに、自分と相手の状況(抱えている仕事量、能力、性格など)も把握して、余裕をもった期日を見積もれるわけです。

では、プロ、専門家になるにはどうすればいいのでしょうか。
佐々木正悟『ライフハックスー鮮やかな仕事術』MYCOM新書\819-から引用します。

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(仕事を成し遂げるのに)大切なのは、

 一に始めること、
 二に見通し、
 三に不安にならない

ことだということがわかる。
さらにこの三つを突き詰めて考えるなら、もっとも大事なのは「見通し」であることがはっきりする。
見通しがはっきりわかっていれば、始めることはできるはずだし、不安になることも少ないはずだ。
専門家というのは、仕事を最後までやりきった経験をたくさん持っているから、見通しを立てられる人だということになる。(134p)
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そうなんです。
最後までやりきった経験をたくさん持つ、ってことなんです。
そういう経験が蓄積しているから、いつ始めればいつ終わるのかわかる。
ひとことで言うと「見通し力」です。
最後までやりきった経験がないと、いつ始めたらいいのか分からないし、自分がどのくらいの能力があって、どのくらいの量をどのくらいの時間で終わらせることが分からない。
見通しが着かないから不安になります。
だから「なるべく早く」なんて言ってしまうわけです。
モンスター君は、きちんと最後までやり遂げるという経験が極端に少ない。
いつも途中でタイムアウトしており、他人のせいにし、その尻ぬぐいは他の人がやるからね。
見通し力が育たないんです。

小さな仕事でも、ある仕事のある部分でもいいから、自分で最後までやりきる経験を積み重ねる。
自分で最後までやりきると言っても、全部自分一人でやらなくてもいいですよ。
誰かに教えてもらってもいい、手伝ってもらってもいいんです。
でも、誰かに丸投げはしないことです。
丸投げしちゃうと、その部分の経験が欠落しちゃいますからね。
全部自分が主体的に関わって、最後まで仕上げてみる。
それがプロ、専門家になる一番の近道なんだと思います。

冒険家三浦裕一郎さんはこう言っています。

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一つの仕事は最後までやりとげてはじめて形になり、その結果はじめて他人のやった仕事と比較されて優劣を論じられるが、他人より劣ってはいても形になったことでそれなりの価値は生まれる未完成のものに価値はない。
努力するということは、一つの物ごとを完結させるということまでを含むものなのであって、途中でほうり出しておきながら、努力したけど失敗したなどということは、口にするさえおこがましい。
(三浦雄一郎『敗けない男の子にする本』主婦と生活社¥650-、125p)
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写真はXFELアンジュレータホール。
アンジュレータという光源装置も並びはじめました。
自分のやった仕事が形になっていくって嬉しいですね!

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