2010年10月18日月曜日

自分の頭を通せ!

こんにちは

理研横浜研究所医科研キャンパス勤務のぼくの妹からメールが届きました。

###
お兄ちゃん

今日、うちのシークエンサーと医科研のスパコンの接続工事の検収で、横浜研のFさんという方が見えて、「関口さんの妹さんですか?」と声をかけ られました。淡路の方です。
「和光時代は、関口さんによく怒られましたけど、後になってその意味がよくわかるんですよ~」とおっしゃってました。 さすが、兄ですね。
今回、ノーベル賞を受賞された 根岸英一特別教授も、「生徒さんにはどんな先生だと思われてますか?」と聞かれて、「怖い先生ではないでしょうか?でも、後になってわかってくれる子が多い」と厳しさを肯定されてましたね。

今日は、私も、普段行けない研究棟のB2Fとか、スパコン室に入れて、とても楽しかったです。
ちなみにFさんの御嬢さんは、節約料理で本を出したり、テレビに出たりしているとか。たぶん、名字が変わっているのでしょう。ググッてもわかり ませんでした。知ってますか?
###

嬉しいですねー。
Fさんもがんばっているようで何よりです。
Fさんはぼくより年長、しかも主幹という課長級で派遣職員として来ていただいた方。
つまり制度上はぼくより格上。
でもよく怒りましたねー。
Fさんは脂汗流しながら怒られてました。
あはははは。

派遣職員さんは、「今の実力」を発揮してもらうために来ていただくものです。
それは正しい。
でも今の実力のまま仕事をすればいい、それ以上はやらない、実力を上げようと思わないという人も多いんですよ。
新しい仕事や契約外の仕事を極端に嫌い、断る人もいます。
そういうことをやるのは損だと思っているよう。
とても残念だなーと思います。

でもFさんは違いました。
少しでも実力を上げようという気持ちがあったんです。
なので年上、格上にも関わらず、よく怒りました。
実力が上がれば、次の仕事の時の待遇もよくなります。
どんな不況な世の中になったって、実力のある人は必ず仕事がある。
実力があれば、人生の選択肢も増える。
ぼく自身もそう思って、いつも仕事力を上げようと勉強しています。

Fさんや部下たちに常々言っていることは、

 自分の頭を通せ

ということですね。
回ってきた仕事を、右から左に渡すだけみたいな仕事はするなってこと。
必ずその仕事を自分の頭で理解し、自分ができることを付け加え、たとえわずかであっても次にこの仕事を受け取る人が楽になるようにする。
働くとは「端が楽になること」だからね。
自分の頭で考え、端が楽になることをいつも考えながら仕事をすれば、自ずと実力も上がっていくんです。

でもこのことが分かっていない人ってけっこういるんですよ。
年齢、経験も長く、役職にある人にもね。
誰かから届いたメールをそのまま部下に転送するだけとか。
転送したらそれでその仕事は自分の仕事でなくなったと思っている人。
こういう人をぼくは「転送バカ」と呼んでいます。
こういう人は何のために存在しているんでしょうね。
転送するのでも、きちんと指示命令を付け加えないとダメです。
こういう理由でいつまでにこの程度の品質で仕事しろ、とね。
指示命令をきちんと言えるためには、その内容をいったん自分の頭を通さないといけない。
きちんと理解しないと、きちんとした指示命令はできないですから。

マイケル・アブランショフ『即戦力の人心力』三笠書房¥1500-から引用します。

###
私は、彼らが(海軍の)艦を離れていく第一の理由は、給料が安いせいだろうと思っていた。
しかし、驚いたことに、実際にはそれは5番目の理由だった。
第一の理由は「上司から大切に扱ってもらえないこと」だったのである。
第二は「積極的な行動を抑えこまれること」。
第三は「意見に耳を貸してもらえないこと」。
第四は「責任範囲を拡大してもらえないこと」であった。(14p)
###

なるほどなるほど。
働くモチベーションはお金だけじゃないんですね。
お金も大切だけどそれは一番じゃない。
それよりも上司から大切に扱ってもらうことが大切なんです。
大切に扱うとは、ちやほや優しくすることじゃないとぼくは思います。
部下の実力が上がるようにビシバシ鍛えること。
実力が上がれば、部下の積極的な行動を承認することもできます。
実力がある部下の意見なら、聞くことだってできます。
そして実力がある部下には、責任ある仕事を心配なく与えることができる。
そしてそして責任ある仕事を貫徹できれば、それは報酬につながってくるんだと思います。

Fさん、これからも脂汗流しながらがんばってくださいねー!


ちなみにFさんの娘さんのブログはこちら!
http://blog.goo.ne.jp/dancing-geisha/

0 件のコメント: