2010年10月31日日曜日

トップを目指せ、オンリーワンになれ!


こんにちは

最近、普通の人たちにスパコンを紹介するときにお話ししているマクラをご披露します。

 先日、ある方のツィッターを見ていたらこういうことが書かれていました。
 「息子の体育祭がありました。我が息子、1番でした!嬉しい!」
 とてもほのぼのした、親バカぶりですね。
 この方、誰だか分かりますか?
 なんと、レンホウ議員なんですよー。
 やっぱり1番が好きなんじゃん!

みなさん、どっと笑ってくださいます。
去年の事業仕分けでスパコン事業に対して「2番じゃダメなんですか」とおっしゃった方ですからー。

中山敬一『君たちに伝えたい3つのこと』ダイヤモンド社¥1429-にこうありました。

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私が医学部に在籍していた頃、とても厳しい先生がいて、学生の半分位が落第するという試験がありました。
「半分が落ちる」と聞いて学生は皆戦々恐々だったのですが、私は全然不安ではありませんでした。
絶対に通る方法があるのです。
それは簡単で、試験で一番を目指せばいいんです。
調子が悪くても二番か三番、どんなに体調が悪くても最低十番には入る気合で勉強していけば、半分も通る試験なんか全然怖くありません。
落ちる人ははじめからなんとか上半分に入ろうとして勉強に甘えが出てしまい、当日の調子がわるいと下半分に入ってしまうのです。
現在の不況の状態は、「半分が落ちる」試験のようなものです。
好況のときは誰でも通りますが、不況と言っても全員が落ちる試験ではないのです。
だったら、トップを目指せば、不況だからといって職を失うこともないでしょう。
不況を恐れる必要など全くありません。
自分ではどうすることもできないこと(景気)に思い悩むより、目の前の「自分がやれること」に集中する方が生産的です。(81p)
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トップを目指すから、たとえトップになれなくてもトップレベルに入れるんですよ。
これが最初から二番、三番でいい、半分以上に入ればいいなんて思っているとダメ。
そこに甘えが出ちゃうからです。
二番、三番、半分以上に入ればいいと思っていると、自分だけのオリジナリティが出てこないんですよ。
他の先陣を切っている人の真似をするだけでごまかしてしまうから。
真似も悪くはありませんよ。
いいところに学び、悪いところは学ばないのは効率的なやり方です。
でも真似では決してトップにはなれないのです。

だから有効な戦術としては、他のよいところを真似することによってその部分を効率的、合理的にやって、心と時間に余裕を作り、オリジナルに挑戦するのがよい。
オリジナルなことは試行錯誤が必須です。
心と時間に余裕がないとできないからね。

トップ、1番を目指すからオリジナリティが生まれ、オンリーワンにつながっていくのです。
だから、最初から「ナンバーワンじゃなくオンリーワン」というのも間違いだと思っています。
オンリーワンになるためには、ナンバーワンを目指す過程が必ず必要なんです。

ノーベル賞学者の利根川進さんが高校生だったときのエピソードを思い出します。
利根川さんは都立日比谷高校卒です。
日比谷高校は今も素晴らしい学校ですが、利根川さんが高校生だった頃はすごかったですよ。
都内全域からトップレベルの生徒が集まってくる学校だったんですから。
利根川さんも中学まではトップだったわけです。
もちろん高校でもトップで行こうと思って入学したはずです。
ところが高校に入って同級生を見渡した。
すると自分よりすごい奴らがゴロゴロいるわけです。
こりゃーこいつらと互角に戦ってはトップになれないと判断したんですね。
同級生たちは皆東大に入学した。
同じ東大に行ったんじゃ自分は活躍できないと、利根川少年は思った。
そこで利根川少年は京都大へと進んだわけです。
京都大では化学科でしたがここでもトップは取れないと判断し、大学院では分子生物学にシフトした。
さらに分子生物学分野でトップになるには日本にいたんじゃダメだと思い、アメリカに渡る。
そうやってノーベル賞まで行き着いたわけです。
そして今、利根川さんは分子生物学から脳科学にシフトして、未だ現役の研究者であり続けています。
利根川さんは常にトップを狙っていたから、オンリーワンになれたんですよ。

トップを目指していると「ニッチ=スキマ」が見えてくるんですね。
トップを目指す人はたくさんいて、競争が激しいわけです。
だからもう激烈な戦いをしなくてはならず、負ける確率の方が高い。
でもうまいニッチが見つかれば、そこでトップになれる。
そういうニッチはただボーッと待っていたのでは見つからないのです。
やはりトップを目指しているから見つかるものなんです。
トップを目指す中でスキルを磨き、そのスキルを最大限生かせるニッチを見つける。
それがオンリーワンになるための王道なんです。
最初からオンリーワンなんてあり得ないし、甘えた戯れ言でしかありません。


XFELもマシンコミッショニングが始まりました。
ナンバーワン、オンリーワンを目指して、楽しくがんばろう!

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