2009年3月5日木曜日

50を過ぎたら好きなことしかしない

こんにちは

ややや!
今度は職場の労働組合の次期執行委員長に推挙されてしまいました。
その理由は「関口さんなら押しが強そうだから」。
って何?!
あははははは。

ま、これもぼくの年齢からしてやるべき役回りなんでしょう。
引き受けることにしました。
ますますスケジュール調整が大変になると思いますが、ベストエフォートでやっていきたいと思っています。
少しでも職場の人たちの役に立てれば嬉しいです。

もちろんぼく自身にもメリットもありますよ。
ぼくのモットーは「創造的無能」。
今の職位より偉くなりたくないわけです。
管理職になって管理的業務をしても、ぼくの実力、技術力は発揮されない。
楽しく活躍できる今のポジションに留まりたいのです。
会社としても、まさか労組の執行委員長を管理職にすることはできないでしょう。
やったぜ!
「どっちに転んでもシメタ!」ですよー。

ぼくもあと数年で50才になってしまいます。
5年くらい前になるでしょうか、技術士会の講演会でトロンの開発者である坂村健さんのお話を聞く機械がありました。
坂村さんは「50才を過ぎてから好きなことしかしない」とおっしゃっていました。
40代前半だったぼくは、それを<50才過ぎたら好きなことしかやらなくてもいいような状況に自分を持っていくべきだ>と受け取りました。
それをあと10年くらいのぼくの目標の一つにしよう、と思いました。
好きなこと=自分で決められること、です。
他人から命令されてやるような仕事、他人が決める仕事をやるのは40代までで終わりにしたい。
そう思って、以来精進し続けてきました。
労組の執行委員長の仕事も、その「仕上げ工程」のひとつなのかも、と思っています。
まあ、楽しくやりたいと思います。

坂村さんのお話を、教育雑誌に寄稿しました。
読んでね。

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『総合的学習を創る』2004年9月号

特集 総合で読み聞かせ“感動よぶ体験談”33選

2 子どもをその気にさせる“感動を呼ぶ体験談”~~5分間話

     ⑨子どもをその気にさせる発明家の話

       日本人だって創造的だ!

              理化学研究所・電気主任技術者 関口芳弘


「日本人は創造性がない」なんてよく言われます。これって本当なんでしょうか?
いえいえ、全然そんなことはありません。
タンパク質の質量を簡単かつ正確に測ることができる器機を開発して、ノーベル賞に輝いた田中耕一さんをみなさんは知っているはずです。
近年、ヒトの大脳の活動状態を測れるようになり、生きて育つ脳のことがいろいろ分かるようになってきました。
大脳の活動状態を測定する機器には、ファンクショナルMRIと光トポグラフィがあります。
このどちらもが日本人の発明なのです。ファンクショナルMRIは小川誠二さんの発明ですし、光トポグラフィは小泉英明さんの発明です。
創造性を発揮している日本人は、こんなにたくさんいるのです。

ところで、コンピューターというとWindowsを搭載したパソコンを思い浮かべる人が多いと思います。
けれども、全世界で生産されているコンピューターのほぼ98%は「器機組込型」のコンピューターなのです。パソコンは、全世界で生産されているコンピューターのたったの2%にすぎないのです。
ほとんどのコンピューターは、携帯電話、デジカメ、電子レンジ、電気炊飯器などの家電製品に組み込まれて使われているのです。
そして、その器機組込型コンピューターのほとんどは、「トロン」というオペレーティングシステムを使っています。Windowsなんかじゃないのです。
トロンは器機組込型コンピューターに使わわれているものとして世界No.1のシェアを誇るオペレーティングシステムなのです。
このトロンの開発者も日本人である坂村健さんです。
先日、坂村さんの講演を聞く機会がありました。その時聞いたお話をみなさんにも紹介しましょう。

坂村さんは、国際的に活躍しているコンピューターサイエンティストです。論文はもちろん英語で書くでしょうし、英語で講演したりする機会も多いはずです。
でも、坂村さんは「発音できない英単語は覚えない」と言います。
英語には日本人には絶対発音できない音があります。たとえば、fの音とか、BとVとか、LとRの区別とか。
これらはいくら練習してもネイティブのようには絶対に発音できません。
無理してそういう音が含まれる単語を使って、アメリカ人に「何言っているか分からない」なんて言われたら、やっぱり傷ついてしまいます。だから発音できない単語は無理して覚えないようにしてるのだそうです。
どうせ母国語ではないのですから微妙なニュアンスは伝えられません。それでも発音できる単語を組み合わせるだけで、必要なことは伝えられるようになるのです。

坂村さんは「ユビキタスコンピューティング」という言葉を広めています。なぜユビキタスなのか。
ユビキタスはラテン語なので、カタカナのように発音できます。日本人でも発音しやすいし、日本人が発音しても国際的にちゃんと通じるわけです。日本人が国際的に打って出るときに有利な単語を選んでいるのだそうです。
これを日本人が発音しにくい単語を使ってしまったら、日本から外国へと広めていきにくくなってしまいます。
つまり坂村さんは、自分の不得意なことで勝負はしない、と言っているのだと思いました。
不得意なことは上手く避けて、自分の得意なところへ持っていく。国際的に勝負するなら、アメリカや西洋の人と同じ土俵では勝てっこないのは当然です。
日本人には日本人の得意な分野があるはずです。得意な分野で打って出て、世界の人たちに貢献できる分野を開拓していくのが重要なんだと思いました。

また、坂村さんは「50歳を過ぎてから好きなことしかしないことにした」と言って、次のようにお話をしてくれました。

飯を食べる時、若い頃は美味しい物は最後に残しておいた。先に好きじゃない物を食べてから最後に好きな物を食べていた。
でも50歳になると、たくさんは食べられなくなる。美味しくて好きな物に行き着く前に、腹が一杯になってしまう。だからこの頃は好きな物から食べるようにしている。
仕事も同じだ。若いときはパワーがあったから、嫌いな仕事、いやな仕事でもやれた。いやな仕事をやっても、好きなことをやるだけの体力があった。
ところが50歳を過ぎて、体力がガクンと落ちた。いやな仕事を先にやるとそれだけで疲れてしまって、自分がやりたい仕事ができなくなってしまう。
だから好きなことしかしないのだ。

ナルホドな、と思いました。もっと言えば、好きなことだけできるように、嫌いなこといやなことをしなくてもいいように、50歳までにそこまで自分を持っていくということなんじゃないでしょうか。
逆に言えば、若いときはパワーがあるんだから好きなことだけやるのではなくて、嫌いなこといやなこともやる必要がある。それが自分の能力を高め、枠を広げることにもつながるんじゃないかと思います。
嫌いなこといやなことも実際にやってみないと、本当に嫌いなのか、いやなのかが分かりません。やってみた結果、案外面白かったりすれば好きなことのレパートリーを増やすことができます。
そうすれば、ますます50歳になって好きなことだけやれる状況に近づけるわけです。
坂村さんのように自信と誇りを持った創造的な日本人になりたいですね。

1 件のコメント:

よっちゃん さんのコメント...

50歳を過ぎちゃいました。
かなりやりたいことがやれる状況になってきましたよ。