2010年11月30日火曜日

冬は乾く!


こんにちは

寒くなってきましたね。
子どもの頃アトピー性皮膚炎だったぼくは、今でも乾燥肌で、冬になると肌がバリバリに乾燥します。
これがかゆいのね。
かゆくてひっかくと、肌が白く粉を吹いたようになっちゃいます。
ホントに皮膚の表面から白い粉がパラパラと落ちていきます。
するとそこから血がにじんできたりして。。。
かかとの皮膚もぱっくり割れて、イマドキあかぎれ状態になったりします。イテテテ。。。
なるべくそうならないように、お風呂上がりに皮膚の保湿クリームを全身にたっぷり塗ります。
朝、出勤前にも全身に塗りたくって出かけるんです。
ホント、冬はぼくにとって嫌な季節です。

冬は空気が乾燥しますよね。
女性の方でも肌の弱い方は、唇が割れたりするでしょう。
それは空気が乾燥して、皮膚や唇から水分を奪っていくからです。
特に冬のオフィスの空気はカラカラだったりします。
ぼくの執務する事務所の湿度は20%くらいしかありません。
乾燥した空気は、風邪の素にもなります。
湿度40%以下になると、インフルエンザウイルスも活発になるんだそうです。

我が家のエアコンは、戸外の温湿度も測定してくれます。
それで測ってみると、冬でも外気の湿度は40%~50%もあります。
湿度としては十分あるんです。
なのになぜ冬のオフィスの空気は乾燥してしまうんでしょうか。

原因はエアコンです。
普通、湿度と言っているのは「相対湿度」のことです。
相対湿度とは、ある温度において最大限とけ込める水蒸気量に対して、今とけ込んでいる水蒸気量の割合を%で示したものです。
空気にとけ込める水蒸気量は、温度が高いほど多くなります。
つまり、温度が低い屋外の冷たい空気は湿度40%と言っても、そこにとけ込んでいる水蒸気の量はちょびっとでしかないわけです。

屋外の空気を取り込んで、エアコンで温度を上げます。
通常のエアコンは、温度を調節する機能だけを持っています。
温度が上がれば最大限とけ込める水蒸気量は増えますが、もともとあった水蒸気の量は変わりません。
よって、相対湿度は低下してしまうというわけです。
だいたい1℃温度を上げると、湿度は5%程度下がってしまうのです。
こうして部屋の空気はカラカラに乾いてしまうわけです。

乾いた空気は、たくさんの水蒸気を溶け込ませることができます。
ぼくたちの体からどんどん水分を奪っていってしまうのです。
それで肌が乾燥したり、唇が割れたり、あかぎれが切れたりするのです。

昔の石油ストーブやガスストーブの場合、エアコンでの暖房ほど乾燥しません。
なぜなら、石油や都市ガスが燃焼すると、燃料から水蒸気も作られるからです。
燃料が燃えることによって作られる水蒸気で、部屋の湿度は快適に保たれるわけです。
おまけに、ストーブの上にヤカンでもかけておけば、加湿はバッチリでした。
最近の石油ストーブやガスストーブの中には、燃焼ガスを直接屋外に排気するものもあります。
これだと室内の酸欠や一酸化炭素中毒の危険は避けられますが、燃焼して作られた水蒸気も屋外に排気されてしまいます。
なので、室内は乾燥してしまうので注意が必要です。

エアコンでの暖房は、さらにやっかいです。
エアコンでの暖房時は、つい温度設定を高くしがちなんです。
エアコン室内機は、たいてい天井や天井近くの壁に取り付けられています。
暖かい空気は軽いので天井近くにたまります。
すると、床近く、足下がなかなか温まりません。
ぼくの勤務する事務所で計測したところ、エアコンの設定温度が25℃のとき、エアコンから吹き出す空気の温度は35℃もありました。
なのに足下は16℃しかないんです。

事務所のエアコンのセンサーは、高さ1.5mの壁に取り付けられていました。
センサーの位置での温度が25℃になるように、エアコンは制御されているんです。
だからセンサー位置が設定温度になったら、エアコンは動作を止めてしまいます。
足下は寒いままになってしまうのです。
足下が寒いと寒さが和らぎませんから、エアコンの設定温度を上げることになります。
30℃くらいの設定にしちゃったりね。
こうすれば足下を20℃くらいになりますが、今度は顔のあたりが30℃近くになってしまいます。
顔、頭が熱くてボーッとしちゃいます。
おまけに高い気温で空気はカラカラ。
肌は乾燥し、唇がひび割れてきます。
こうなると、ちょっとやそっとの加湿器では湿度を上げることができません。
たくさんのエネルギーを使って室温を上げ、さらにエネルギーを投入して加湿し、それでも肌は乾燥し、のども痛めて風邪をひく。
いいこと何もありませんよ。

ともかく、冬のエアコンの乾燥対策で重要なのは、必要以上に室温を上げないことです。
ウォームビズでちょっと厚着をして、室温はほどほど、18℃くらいにする。
この程度の室温だったら、不足した湿度は小さめの加湿器でも十分補えます。
エアコンで足下が寒いままなのは、暖かい空気が天井近くに滞留してしまうからです。
この暖かい空気を足下まで持ってくるといい。
サーキュレータや扇風機で、室内の空気に流れを作ってやるのもいいことです。

ぼくの作ったスパコン棟の研究室は、床吹き出し空調を採用しました。
普通のエアコンは天井から空気が吹き出しますが、床から吹き出すんです。
計算科学の研究者ですから、床下に配線スペースが必要です。
この配線スペースを、空調ダクトとしても兼用するわけです。
空調機からの空気を高さ20cmの配線スペースに吹き込みます。
研究者が座っている近くの床には、吹き出し口があります。
人のいるそばしか空調しないので、とても省エネにもなります。
床下が空調ダクトになっているため、床全体も適温にすることができ、足下ぽかぽか床暖房のような効果もあります。
そのため、吹き出し空気の温度も25℃程度でよく、空気の乾燥も防ぎ、省エネにもなります。
いいでしょー!

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