2008年12月17日水曜日

忙しいと言うべからず

こんにちは

師走です。
忙しいですか?

先日、社員食堂で他部署の人から声をかけられました。
「○○さんに△△について調べてくれるように頼んでいるんだけど、全然返事をくれないんだ」
調べて欲しいことの内容を聞いてみたら、ぼくでも調べられそうなことでした。
いえ、ぼくの専門に大きく関わる事項でした。
「それならぼくが調べておくよ」と返事をしました。
手帳を見て調査に必要な時間がとれる日を見つけ、期日の約束をしました。

当然約束通り期日に回答。
そして「仕事を頼むときは忙しい人に頼むといいよ」と言いました。
その人は「だって関口君はいつ電話してもつかまらないからさ」だって。
確かにぼくはいつもあっちこっちうろうろしていて、電話じゃめったにつかまらないのは事実でだけどね。。。

外山滋比古『子どもを育てる絶対勉強力』幻冬社文庫\495-にこんなことが書いてありました。

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ヨーロッパに、”忙しい人ほどヒマがある”ということわざがある。
忙しい人は集中して手早く仕事をしてしまうから、そのあとに、自由な時間ができる。
それにひきかえ、ありあまるほどの時間をもっている人は、ちょっとしたことでもダラダラしている。
いつまでも終わらないから、かえってヒマがなくなり忙しい思いをする。
そういう逆説を述べたものである。
『パーキンソンの法則』という有名な本に、こんなエピソードが出てくる。
有閑、富裕なあるおばあさんが、姪のところにはがきを書こうと思い立つ。
姪は避暑先にいる。
アドレスをさがして20分。
文面を考えて45分。
書き上げた手紙を投函しにポストまで行くのに、洋傘をもっていくかどうかを考えて20分。
しめて1時間半近くかかる。
時間がいくらでもあるからで、忙しい人ならすべてが3分で終わる。
時間は必要だが、ありすぎると、よろしくない。
すくなくとも、あると思うのがいけないのである。(25p)
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確かにぼくの周りの人たちを見ても、それほどの仕事量を抱えているわけじゃない人ほど「忙しい、忙しい」と言っている。
残業も多いように思います。
それはただ単に、スタートが遅かったり、段取りが悪かったり、集中力が悪かったりして、締め切りぎりぎりになっても必要な仕事が終わらないだけ。
そんな仕事がいくつも重なってしまうので、忙しさが累積するという悪循環に陥ってしまっているのです。
忙しいと言っている割に、アウトプットが少ないのが特徴ですよね。
まー、アウトプットが少ないから、せいぜい「忙しい、忙しい」と言いながら残業してがんばっている姿をアピールしているつもりなのかも。
見る人が見れば、ばかばかしいことをしているって分かります。

それに対して、大量の仕事をバリバリこなしている人の方が、暇そうに見えたりします。
やはり、集中力と段取り力なんでしょう。
段取りよく集中してやれば、時間を合理的、有効的に使えますから、余裕が生まれます。
余裕ができれば、プライベートなことにその時間を振り向けることもできますし、新たな仕事にもチャレンジすることができます。
そうすればさらに能力が上がって余裕が生まれる、という好循環となるというわけです。
きちんとアウトプットを出しているので、定時退勤だって堂々とできるのです。
「忙しい」なんて言う必要がない。

時間は有限な「資源」なんです。
無軌道、無節制に浪費してはいけないものなのです。
時間にも省エネが必要なんです。
外山さんの言うように、時間はあると思ってはいけない。
ないと思っておく方がいいのです。

よく「この仕事が終わるまでがんばろう」と言って仕事をしている人がいます。
これはダメです。
時間を無制限に使ってしまう恐れが強い。
時間というのはあればあるだけ使ってしまうものだからです。
まして仕事という大義名分があれがなおさらです。
残業して仕事をしてもいいと思えば、必ず残業してしまうものなのです。
段取りもなく仕事に着手し、だらだらとやりがちなもの。
残業代も稼げるし、なんてせこい考えもあったりしてね。それでは時間という資源をどんどんと浪費してしまいます。

だから「何時までに終わらせよう」と言って仕事をするのがよいのです。
終える時刻を決め、そのための段取りを整える。
そうすると、与えられた時間でできうる品質も決まります。
完成品のイメージも明確になっていきます。

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