2008年12月29日月曜日

脳の臨界期を逃すな

こんにちは

子どもの脳の重さは、体重の割に大きいです。
大人はほぼ体重の2%(それでも脳は肝臓の次に大きな臓器です)。子どもは何と6%もあるんです。当然ながら血流も多く、栄養消費も大きい。
脳の栄養はブドウ糖だけ。大人の脳は全ブドウ糖の20%を消費していますが、子どもは40%。
ですから、子どもの脳の発達はものすごいんです。

この時期を大切にしないといけません。
適切な時期に適切に鍛えないと、子どもの脳は正しく発達しません。
時期を逃すと、もう発達しなくなってしまったり、とても苦労を伴うようになってしまいます。
この時期を「臨界期」と呼びます。

ぼくは、教育実習や塾や予備校講師なんかも含めると、幼稚園児から高校生まで教えたことがあります。
大学の後輩の卒論もめんどう見ました。
その経験から言うと、知的な面での臨界期は小学校にあると思っています。
ぼくはもともと中学校の理科教師を目指していました。
大学は中学校教員養成課程に進みました。
教育実習や臨時採用で中学生に教えてみると、たとえおもしろい授業をしたり、実験で興味を引いたりしても、基礎のない子はただ「おもしろかった」で終わってしまう。
それ以上、深く学んでみようとしないんです。
多少理科に興味を持ってくれたかな、と思っても、それが持続しないんですね。
だって基礎がないから、学ぶだけの「技」が身についていないから。
計算が不得手だったり、教科書や参考書を読み込んでいくだけの読書力がなかったり。
基礎がないから持続できないんです。

その基礎はどの辺にあるかというと、小学校、それも3,4年生頃の読み書き計算にあることが分かりました。
これらの基礎がないと、はっきり言って中学校からでは手遅れなんです。
手遅れは言い過ぎかもしれませんが、少なくとも回復させるための苦労は、先生も親も生徒自身も大変なものになります。
つまり、臨界期を逃してしまっている。
とても学校の授業の中で回復させるなんてことはできないんです。

ぼくは若い技術者君たちに、資格試験のための勉強を教えたりもしています。
ここでもネックは読み書き計算なんですよ。
小学校レベルの読み書き計算ができない若者は、勉強が続きません。
基礎が不足しているため、自学できないのです。
その意味で小学校レベルの読み書き計算は、人生をよりよく生きるための「道具」なのです。

安岡正篤『青年の大成』致知出版\1200-にこうありました。

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昔は小学校を尋常小学校といいました。
この尋常とはあたりまえ、どんなことにでも、平常と少しも変わらないことです。
如何なる戦場に臨んでも平常どおり少しも変わらぬ戦いをしたいと、昔の武士は「いざ尋常に勝負」と言ったものです。
従って尋常小学校の尋常とは将来如何なる境遇にあっても平常心を失わぬように処するその根底を養うことであります。
これを誤って尋常小学校とは学校の中で一番程度の低い子どもの団体である等と、とんだ誤解をしておると申さねばなりません。(163p)
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小学校は学校の中で一番程度の低い場所だと思っていると、大変な目に合います。
人生という戦場に臨んで、常に平常心を保って闘うための基礎を学ぶ場所なんです。
だから大切にしなくちゃいけない。
小学校での勉強を軽んじてはいけないんです。

なので我が家では、はっちゃん、とっちゃんの小学校選びを既にはじめています。
来年はスケジュールをしっかり組んで、学校説明会に行こうと思っています。
選ぶポイントは、3,4年生の勉強をしっかり教えてくれる学校。
私立の進学校で、5,6年の勉強を受験対策でスパルタ式に教えてくれる学校はあるようですが、3,4年生の勉強が身についていればスパルタなんか必要ないんです。
それにスパルタ式は返って子どものやる気を削ぎますから、やめてもらいたい。

もちろん学校だけに頼らずに、我が家でも寺子屋をすることを通じて自学する習慣をつけていく。
我が家の寺子屋をうまく3,4年生の勉強へと接続したいと考えています。
この時期までは親としても手を抜かないし、必要ならお金もかける。
もしかしたら一番お金をかけるべき時期は、小学生の頃なのかもしれませんよ。
それが一番コストパフォーマンスがいい。

小学生の時期に適切に手間とお金をかけておくと、その後の負担が返って軽くなるんじゃないか、という仮説をぼくは持っています。
高校や大学はお金がかからない学校に行ける。
捕らぬタヌキの皮算用ですが、我が子たちは小学校国立->中学校全寮制私立->高校都立->大学外国がいいなー、なんて夢見ています。
もちろん子どもに過剰な負担をかけないように気をつけながら、子ども自身の意見や希望にも配慮して、用意周到に楽しく夢を実現していきたいと思っています。

ところで、子どもの脳はたくさんの栄養を消費しています。
ということは、発熱も大きいということです。
冷却のため、そして脳の発達具合を目視するため、我が子たちは定期的に坊主頭にしています。
ついでに、床屋代も節約です!

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